愛犬がフードを食べてくれないと、心配になりますよね…。
実際に、フードを食べない・残してしまうというご相談を受けることも多々あるのですが、フードを食べなかったり残してしまったりする原因はひとつではありませんし、その原因が簡単にわかるわけでもありません。
その子の体質かもしれませんし、愛犬の体になにか不調が起きている可能性もありますし、フードの問題ということも考えられます。もしかしたら、ただの好き嫌いかもしれません。
複数の原因があるかもしれないし…
ですので、どうして食べなかったり、残してしまったりしているのか、原因を正しく見極めて対処する必要があります。原因をわからないまま間違った対処法をとっていても、改善されない(もしくは繰り返す)ケースもあるからです。
どんな原因があるのか、それに対してどういった対処をしていけばいいのか、一緒に考えていきましょう。
なお、本記事では食べない理由や対処法をいろいろご紹介していきますが、犬にはそれぞれの体質の個体差があります。愛犬の体質に合うものを教えてほしい・愛犬に特化した内容で相談したいという方は、当サイトでもお手伝いが可能です。お気軽にお問い合わせください!
- 食べなくなった・残すようになったタイミングを把握しておこう!
- フードを残したり食べなかったりする原因とタブーな対処法とは?
- 原因に合わて考える!フードを食べない・残してしまう時の対処法
- ドッグフードは愛犬の健康の土台!しっかり見極めてあげましょう♪
食べなくなった・残すようになったタイミングを把握しておこう!
フードを残す・食べないとひと言でいっても、理由・原因はそれぞれ異なります。原因によって、できる対処・とるべき対応も異なってくるため、まずは食べない・残すようになったきっかけやタイミングを考えてみましょう。
たとえば…
など、食べなくなった・残すようになったタイミングやきっかけは、わんちゃんによってまったく異なる理由や経緯、原因があります。
年齢や運動量も関係あるよね?
ほかにも、年齢とともに消費カロリー(基礎代謝)も減って、量を食べられなくなることもありますし、いつもより運動をあまりできなかったことで、お腹が減らなくて食べようとしないこともありますし、もしかしたらそもそも、普段から量を与え過ぎている可能性も…。
色んな理由・原因・タイミングが考えられるので、まず、愛犬が食べない・残すなどの行動をするようになったきっかけを正しく把握できるようにしておきたいところです。
きっかけをわかっているだけでも、間違った対処法をしないで済むこともありますので、あれっ?と思ったら、まずは、どういう時にそうなったのかを、思い返して考えるようにしてください。
フードを残したり食べなかったりする原因とタブーな対処法とは?
犬はなんでも喜んで食べる!食べるのが好きだ!…なんて、漠然と思っている方も多いのではないでしょうか?だって、ごはんですもの。みんな好きでしょって思いますよね。
実際、食べるのが好きすぎることから、犬のダイエットの相談も受けることもありますし、基本的には、食べないよりも食べ過ぎることでお悩みの方の方が多いのは事実です。
とはいえ、食べなくて…とお悩みの方や、フードを残してしまうことにお悩みの方もたくさんいらっしゃいます。
健康にかかわることだし心配…
なぜフードを残してしまったり食べなかったりしているのか、考えたことはあるでしょうか?ただの少食と思っているかもですが、実際はそうとも限りません。
以前、このトピックに近い内容の、「フードジプシー・難民必見!好き嫌いが多い犬のフード選びのコツと対処法」という記事にも少し書いているのですが、私が相談をうかがう限り、
といった、6つの原因が考えられるように思います。
それぞれ詳しく掘り下げて考えていきますので、どれが愛犬に当てはまる内容なのか、考えながら読み進めてみてください。
体調がよくない・口腔内のトラブルなど、健康面の不調が起きている
これまでなにも問題なく食べていた子が突然、
などという場合は、食欲そのものが起こらないほどに、体に不調が起きてしまっている可能性があります。
おやつなども食べないほど、食欲をなくしているようであれば、フードのせいや愛犬のわがままではなく、食べられない状況なのかもしれません。(※おやつは食べるようであれば、この話には該当しません)
一時的な不調なと決めつけず、動物病院に行っておいた方が安心
体に異変・不調が起きていて、食べられない原因は本当にぴんきりです。たまたま消化不良を起こしてしまっているだけかもしれませんし、歯や歯茎のトラブル(歯周病)があるのかもしれません。
もしくは、本当になにか病気が潜んでいる可能性だってあります。パピーの場合は回虫などでお腹を壊すこともありますし、動物病院には行くようにしておきましょう。
よくお腹を壊すから…ちょっと寒かったからかな…なんて安易に考えず、しっかり確認しておくことをおすすめします。「○○だからかな」という推測のせいで、取り返しのつかないことにならないためにも。
健康面の不調が起きている場合におすすめできない対処法
日頃から愛犬の健康チェックをしているという前提ですが、もし体調や健康に関する面の不調から食べない・残す状態になっていると気づいた場合は、
などに注意してください。
先ほどもお伝えしましたが、体調が悪いときは動物病院へ行くことが最優先です。しかし、ペット保険に加入していない方の場合、
このくらいのことで病院は…費用もちょっと…
と、躊躇してしまうこともあるかもしれません。しかし、その初動の遅れで、取り返しのつかないことになるよりはよっぽどいいと思います。
また、インターネットや人から聞いた情報を鵜呑みにして、あれこれ与えるのも得策ではありません。しかるべき知識を持った人から、正しい対処法を聞いて対処するようにしましょう。
インターネットの情報や知り合いから聞いた情報となんて、非常に無責任なものであって、あなたの愛犬の状況を正しく知っている人の意見ではありません。誤った情報に振り回されて愛犬を一層苦しめてしまわないように注意してくださいね。
飼い主さんが愛犬をグルメ犬・食べない子に仕立て上げてしまっている…
愛犬のかわいさゆえに…飼い主さんの愛犬への愛ゆえに…
といえば聞こえはいいのですが、以下のようなことを、飼い主さんがしてしまっていないでしょうか?
愛犬が嬉しそうに食べる姿を見るのって、飼い主冥利につきる瞬間でもあると思います。だからこそ、食べてくれなかったり、残してしまったりすると、安定的に食べてくれるものを見つけてあげようと、あれもこれも与えてみたくなることもあるでしょう。
でも、その対応のせいで、愛犬が「わざと」食べない素振りを見せている可能性もあります。
しめしめ、もっと美味しいの出してくれるんじゃない?
食べません・食べたくないですと残してアピールをすることで、愛犬からしたら、
- もっと美味しいもの出してくれないと食べません…
- これは好きじゃないから、もっと好きなやつ出してください…
- こうやってたら、もっと美味しいやつ出してくれるんだよね?
と、思ってしまっているということです。トッピング部分だけ食べたり、食べたいものだけ食べたり…。トッピングアイテムってその嗜好性の高さゆえに、嫌なものは食べないということを助長しかねません。
心配だからこそ、あれこれ一生懸命与えている飼い主さんからしたら不本意ですよね…。しかし、食べ物を替えてばかりいたり、好きなものだけを与えていたりすると、食に対してわがままな子になってしまうこともあります。
だからって無理やり食べさせてと言うことではありません
ただのわがままと決めつけて無理やり食べさせようとしたり、我慢させてまで食べさせようとする必要はありませんが、このやり方をしていては、いざ歳を重ねて本当に食事を変えないといけなくなった時に、打つ手がなくなってしまう可能性も否めません。
しかし、食べない原因が、飼い主さんの対応によって愛犬の好き嫌いを助長させている状態であれば、注意が必要です。本来は次いつ食べらえるかわからないので、あるうちに食べるというのが本能ですから、それを奪った状態になります。
食べないのは本当に心配になるとは思いますが、だからって愛犬に合わせてばかりいると、療法食になった時やシニアになった時に、困るのは飼い主さんであり、わんちゃんかもしれません…。「我慢しなくても食べるようになる方法」を考えてあげましょう。
選り好みしている・おやつだけだべるグルメ犬におすすめできない対処法
おやつは食べるのにフードを残す、好きなものだけ食べようとするなど、選り好みしている場合に関しては、
などの対処をしてしまわないよう、注意してください。
これまでにも触れているように、そのやり方をしていると、「もっと他のもの出して」という愛犬のアピールに、拍車をかけてしまう可能性があるからです。トッピングだけ食べてプイ…美味しい部分だけ食べてもういらない…そんなことをされるだけでしょう…。
普段から食べる工夫をすることにフォーカスしてみましょう。あわせて今一度、フードの選び方やフードの種類・製法なども、見直してみるのもいいかもしれません。
病気や避妊虚勢手術・アレルギー・ライフステージによって好みが変化
稀に避妊虚勢手術を機に食の好みが変わる子や、食べ方が変わる子もいますし、病気や体質的なアレルギーなどが原因で、これまで食べていたものを食べなくなる子もいます。
みんなそうなるわけではありませんし、手術を受けた月齢も関係してくるのですが、避妊虚勢手術を受けた後は、性格が穏やかになる傾向があり、
なんてこともあるんですよね。
ホルモンバランスって影響が大きいんだね
ほかにも、犬って不調が出てしまう食べ物や、これは食べると良くないと判断したものは食べない傾向があります。たとえば、犬は胃腸に不調がある時に草を食べたがることがありますが、よく見ていると、草だったらなんでもいいわけではなく、選んで食べている感じがありませんか?
このように、自分にとって「これはよくないものだ」と判断した場合には、率先して食べようとしないこともあるんですよね。つまり、体に合わない(アレルギーなど)と感じているものは避けようとする習性もあるのです。
好奇心からなんでも口に入れてしまう子(=拾い食い癖がある子)もいるので、個体差はあります。年齢を重ねて学ぶと拾い食いをやめる子もいますが、好奇心の強い子は口に入れて確認したい本能が働いてしまうんですよね。
本能的に選んでいるんだ!
また、ライフステージが変わって食べる量が減るケースもあります。人間も同じですよね。歳と共に量が食べられなくなってくる、若い時のようには食べられないってありませんか?
犬も代謝の低下などから、食べる量やカロリーの消費量も変わってくるのですから、これまでと同量与えていても、必要以上には食べられなくなったり、食が進まなくなったりしてしまうのは当然のことです。(食欲が全然落ちない子もいますが)
ここでご紹介している内容は、あくまで「そういう子もいますよ」というお話なので、愛犬が食べなくなったタイミングなどを思い出して、該当していないか参考にしていただければと思います。
術後や体質・ライフステージの変化が原因の場合におすすめできない対処法
体調を崩していた後・は避妊虚勢手術の後など、まだ本調子にならずごはんを残してしまったり、アレルギーが出てしまうことから率先して食べようとしなかったり、加齢から食べる量が減ってしまっている場合には、
などの対処をしないよう注意してください。
体調的に・年齢的に食べなかったり残したりしている状態ですので、飼い主さんが焦っていろいろやってみようとしたところでどうしようもありません。フードのせいと決めて対処するのではなく、愛犬のペースを優先してあげるようにしてみてくださいね。
犬にも食欲が湧かなくなるような精神的なストレスはあります!
一番気にかけてあげたいのは、心のバランスの乱れから食べようとしていないケースです。
「犬が心のバランスを崩すような飼い方してません!」「犬に心のトラブルなんて考えすぎ…」と言いたくなる方もいるかもしれませんが、犬の性格も本当にぴんきりで、おおらかな子もいれば、臆病な子、繊細な子もいます。
同じことが起きてもあっけらかんとしている子もいれば、ひどく傷ついてしまう子もいますし、犬の性格は飼い主さん次第とは言われる反面、やっぱり持って生まれたその子の特性もあるんですよね。
ぼくは繊細さんなんだ…。
犬にとってストレスに感じやすいことを挙げてみますと、
などがあります。
挙げたらキリがないほどありますが、要はストレス因子になるものです。他にも不安分離な子、元があまりよくない環境で暮らしていた保護犬など、生活スタイル以前に、なにかしら心の不安を抱えている子もいることでしょう。
そういった子の場合は、精神的なことが原因で食事に影響が出てしまう子も少なくありません。人間だって精神的に元気がない時に食べられなくなったり、食欲が湧かなくなったりすることってありますもんね。それと同じなんです。
実は飼い主の心が反映されているかも…
それに…犬って、本当に人間の感情を察します。犬が飼い主さんの様子(心境)をみて判断していることもあって、
- 大好きな飼い主さんが元気がなさそうだぞ…
- あれ?飼い主さんががよく泣いているぞ…
- 最近飼い主さんがどうもイライラしているぞ…
というのも見て、いつもと違う態度をとるようになるわんちゃんもいます。
犬なりに、
あれ?なんか飼い主さんがいつもと違うぞ?
と、不安になってしまうのでしょう…。飼い主さんは自分にとってのリーダーでもありますから、その自分の主が不安定になっていると、やっぱり犬もどうしよう…と思ってしまいます。
もしかしたら、愛犬がフードを食べないことが心配のあまり、飼い主さんの心配が愛犬に伝わっていることもあるのかもしれません。
これは私個人でも考えることがあり、自分への戒めでもあるのですが…飼い主さんの心の乱れが、愛犬に派生してしまうことはありますので、心に余裕を持っていられるようにすることも、愛犬への愛情表現のひとつなのだと思います。
ストレスや不安が原因で食べない場合におすすめできない対処法
犬なりにストレスを感じている時、不安を感じている時にフードを食べない・残すなどの状況に至っている場合には、
などの対処をしてしまわないよう注意してください。
食べないからどうしよう…と、飼い主さんが焦ってしまっていると、その不安は愛犬にも派生します。それに、ご家庭によって生活スタイルはそれぞれあるのはわかりますが、
うちはもうこれ以上できません…
と、愛犬に合わせた生活なんで無理と開き直らないことも大事です。犬の思うままにする必要もありませんし、愛犬の気持ちを最優先・犬中心にしてということでもありません。
ただ、「うちは仕事で忙しいから仕方ないんだ」「我が家はこの生活スタイルを変えられないんだから、犬のしつけでなんとかしよう…」「このくらい我慢してよ…」と犬の性格を無視した飼い方は可哀想かな…と思う面もあります。
適宜、ランなどにいって思いっきり一緒に遊んであげる時間を取る、かまってあげられない時でも声をかけてあげる時間を増やすなど、少しでも安心させてあげられる環境作りをしてあげるようにしてみましょう。
食欲をそそらない・食べたいと思う香りがしない・フードそのものの問題
安かろう悪かろうではないのですが、安いフードは結局やはりそれなりのもの…ということはあります。しかし、それなりの値段のものだからといって、絶対的にそれが愛犬に良いとも限りませんが。
高いから良い、ランキングサイトで評価が良いからいいということはないのですが、やはり愛犬が魅力的に感じられないフードもあるわけです…。
フードの金額って、飼っているわんちゃんのサイズ・食べる量によっては、バカにならないものだと思います。いくら良いといわれても、やっぱり想定外の値段のフードを与え続けるのは難しいでしょうし、難しいとことではあるのは承知なのですが…
フードの金額も質もピンキリですよね
たとえば、安価なフードの場合は、犬が好んで食べたいと思える香りが醸し出される生肉がまったく使用されていないケースもありますし、入っていてもミールのみなんてこともあります。(※ミールやパウダーは実際肉ではない加工品です)
あるいは開封した時に、「うっ…」となるような香りがするものもあり、本来の食べ物にはない香りで犬の食欲をそそらないものの可能性や、オイルコーティングでフードが酸化して香りが落ちているのかもしれません。
添加物(防腐剤・着色料・香料)がたくさん使用されているものなど、いずれにしても愛犬が食べたいと思えるフードではない・犬の食欲や本能を刺激しないフードだと、そりゃ食べないのも当然ですよね。
もっと僕が好む香りのフードがいいな~
そもそも犬は、「フードに飽きる」という感覚はないと言われています。ちょっと踏み込んだ話ですが、犬には味を感じる味蕾(舌のブツブツ:味を感じる部分)が人間の1/5しかありません。人間ほど味を感じることはなく、味よりむしろ香りで食べています。
つまり、愛犬が食べたいと思う香りがしていなければ食べるわけがないわけです。そのため、フードを替えた場合や、フードの保管の仕方がよくなくて香りが落ちている場合に、食べなくなる・食べたくないアピールをする・残してしまうなどがあります。
また、お迎えしたばかりであれば、ただでさえ環境が変わってセンシティブになっていますし、今までにいたところで食べていたフードと違うものになっていたら、なおさら食いつきが悪くなることもあるわけで…。それほどフードの香りや環境は、食欲に関係しているということです。
味より香りの好みなんですね♪
ほかにも、もしこれまではチキン系のフードだったのに、新しく切り替えたフードがサーモンなどまったく別のタイプのフードなのであれば、香りに不慣れで一時的に食べようと思えていない可能性もあります。
その場合であれば、少しずつ食べることで慣れてくる可能性もあるので、もう少し様子を見ておいてもいいかもしれませんし、もしかしたら、どうしてもその香りが好きじゃないのかもしれません。
ちょっとフードを替えただけなのに…と思う方も多いでしょうが、香りで食べている犬にとっては、フードが替わるのは食欲にも影響してくるということを意識しておいてあげるとよいでしょう。
フードそのものに食べない原因がある場合におすすめできない対処法
フードそのものがあまり良いものでない場合(この場合に良いものでないは愛犬に合っていないもののこと)や、フードの管理上、香りが落ちてしまっているなどの場合には、
などの対処をしてしまわないよう注意してください。
香りが好きじゃないものは、無理やり食べさせようとしても食べるわけもありません。それにお腹が空いたらわがまま言わずに食べるだろうと、置きっぱなしにしておくと、一層フードの品質が落ちて食べる気がなくなってしまいます。
この場合は、あくまでフードの香りや愛犬の好みに関わる話なので、無理やり食べさせようとするのではなく、食べたがるものを見つける方向に考えをシフトしていくとよいでしょう。
フードの切り替え方は大丈夫だった?臆病な子は食べなくなることも…
フードを替えて食べなくなってしまった場合、最初に考えてほしいのが、切り替え方に問題はなかったか?ということです。以前書いた「ドッグフードの切り替え方」の記事でもご紹介しましたが、いきなり新しいフードに切り替えてしまっていたら、そりゃ食べなくて当然です。
今一度触れておきたいのですが、ドッグフードを切り替える時には、少なくとも10日から2週間(できれば3週間)かけるという前提で、
という具合に、徐々に配合比率を替えて、最終的に完全に新しいフードに移行していきます。
急に替えられたらビックリじゃないか!!
ここでもし、前のフード4割:新しいフード6割のところはクリアしたのに、3割:7割になったら食いつきが悪くなった…残すようになった…などが出てきたら、一度また普通に食べられた1段階前の4割:6割に戻してみましょう。無理やり3割:7割を食べさせる必要はありません。
特に好き嫌いが激しい子や、臆病な子の場合、新しいフードを警戒して食べようとしないこともありますので、ゆっくり慣れていくということが重要です。特にフードの形状が異なる場合は、
ただし、最初の時点でブレンドしたフードあからさまだけを避ける子もいます。そういった場合は、少し手間かもしれませんが、ブレンドする新しい切り替えるフードをふやかして、ほぐしてペースト状にした上で、これまで食べているフードに混ぜるようにしてみてください。
否応なしに食べるしかないじゃん(笑)
徐々に慣れていけば良いので、ここで「なんで食べないの?!」と飼い主さんが動揺することのないようにしましょう。打つ手はあるので、こちらは食べるまで待ちますよ~というスタンスでどっしり構えておくのも大事です。
フードを替えることにした理由にもよりますが、もし食物アレルギーなどで替えたのでなく、前のフードは食べるようであれば、前のものに戻してもいいでしょうし、前に食べていたフードの原材料に近いものなどに替えてあげるのもいいでしょうし♪
フードの切り替えは、食欲旺盛でスムーズにできる子もいれば、そう簡単にはできない子もいるんだという知識を持っているだけでも、食べなかったり残したりした時に、焦らず対応できると思いますので、待ってあげる気持ちを持っておくといいですね。
フードの切り替え方に問題があって食べない場合におすすめできない対処法
本当に臆病な子や繊細な子に関しては、フードの切り替え方ひとつで食べなかったり残してしまったりすることもあります。それを知らないで、
などの対処をしてしまわないよう注意してください。
これまで犬を飼ったことがあって、こういったことを経験したことがなかった人や、犬はフードを食べて当たり前と信じて疑わない人の場合、フードの切り替えを簡単に考えてしまう傾向もあると思います。
しかし、実際は繊細な子もいますので、ゆっくり気長にフードに馴染んでいけば良いとおおらかな気持ちで対応してあげられると良いですね。
「食べたい時にいつでも食べられる」という状況を作っている
置いておいたら食べるだろう…とフードボウルにフードが入っているまま置いておくと、わんちゃんも「いつでも食べられるから今はいいや」と食べなくなってしまうことがあります。フードの鮮度の意味でも、食べなかったら、速やかにさげてください。
ほかにも、食べない不安から、愛犬が食べたそうな素振り(食べる素振り)を見せたら、即座に食べ物を与える。…そんなことをしていないでしょうか?
食べない子が食べようとしているので、飼い主さんとしては嬉しさのあまり、
今がチャンス!!!
といわんばかりに、食べさせようとすることもあると思います。それも、愛犬からしたら、「食べたくなったらいつでも食べられる」という状況になってしまいますので、おすすめしません。
いつも量が足りていないかわいい愛犬が食べようとしているので、そうしたくなる気持ちもわかるのですが、これでは、「いつでも食べられるし今はいいや。僕が(私が)食べたい時に出してよ。その時食べるから」という愛犬の考えを助長してしまいます。
とっても乱暴な言い方に聞こえるかもしれませんが、獣医師でも「大丈夫、お腹が空いたら絶対食べるから、あえてほっといて」と指導する人も多く、(元も子もないことを言われているようで、不快になったらごめんなさいですが)犬って案外、食べなくても大丈夫なんです。
2,3日食べなくても平気な子もいます(※体型や持病の有無によります)
飼い主さんとしては、人間の尺度で、
と心配になると思いますが、その飼い主さんの心配は犬にも伝わり、一層食べなくなる可能性も…。よくいえば、わんちゃんが飼い主さんを信頼して、食べたい時は出してくれると思っているのでしょうが、悪く言えば、ただのわがままです。
なので、ここは心を鬼にして、どっしり構えてあげてください。飼い主さんがそこでやり過ぎたり、心配し過ぎたりするのではなく、2,3日くらい平気なんだとうろたえず、むしろ開き直って、愛犬を見守るのも必要なことです。
単純に少食でお腹がいっぱいだから食べないこともある!
補足までにご紹介しておきますが、超小型犬~小型犬の場合、少食でもともとそんなに量を食べようとしない子もいます。顎が小さいので、食べる行為ですぐに満腹感を感じやすい傾向になるためです。
その子の運動量(特に筋肉量)や年齢にもよりますが、
本当にお腹がいっぱいで食べたくないんだ
ということもあるので、そういった場合には焦る必要はありません。(※他に気になる症状がない場合です)
犬は元気にいつでもモリモリ食べる子ばかりというわけでもないのですよね。気持ちいいくらいにパクパク食べてくれたら、飼い主さんとしても気分が良いのですが、食べたがらないこともあるし、お腹いっぱいな時もある、そう知っているだけでも気持ちも楽になると思いますよ♪
原因に合わて考える!フードを食べない・残してしまう時の対処法
フードを食べない・残すなどの原因はひとつではありませんし、対処法も状況・原因に合わせて考えていかなければなりません。
食べない・残すというのは、健康にもかかわってくることですので心配ですが、まずは、原因を特定したうえで、その原因を取り除くことが重要です。
- 不調の心配がある場合には、獣医さんに相談
- ストレスから食べていない可能性があるのであれば、できる限り愛犬の不安やストレスの原因を減らす
- 術後などでは焦る必要はないので、愛犬の様子を見ながらケア
- フードの切り替え方が良くなかった場合は今一度、ブレンドしながらやり直してみる
など、できることはまだあるかもしれません。
その上で、プラスアルファとしてこれからできることもご紹介していきます。
犬が食べたくなるようなフードを選ぶ!愛犬の好みを知ることから♪
犬が好んで食べたくなるような工夫をされているフードを選べているでしょうか?
フードの選び方や、避けたいフードに関しては過去の記事でも触れてきましたので、ご参考にしていただければ幸いです。
先ほど触れたように、安かろう悪かろうということでもありませんし、高いからといえど良いフードとは限りませんし、ドッグフードのランキングや評価サイトで評判が良いからといって、良いフードというわけでもありません。
人気や評価は愛犬にも合うかは別問題
または、愛犬の好みを把握できているでしょうか?もともと愛犬は実はチキンのフードが好きなのに、サーモンが良いと聞いたからとサーモンを無理やり与えているなんてこと、あるかもしれません。
どうしてもサーモンの香りが苦手な子かもしれませんし、逆に、「ドッグフードはチキンでしょ!」とチキン一択で考えていた飼い主さんの愛犬が、実は魚系のフードの方が好きだったなんでこともあります。
愛犬の好み・体質に合わせて、しっかり合うフードを選ぶようにしてあげましょう!愛犬の体質に合うものを教えてほしい・相談したいという方は、お気軽にお問い合わせくださいね!
フードを食べてもらう・食べたくなる工夫をしてみましょう!
フードを食べないからフードを替える、フードだけじゃ食べないからトッピングアイテムを使う…ではなく、食べてくれる工夫を試してみましょう。
むろん、おやつなら食べるからと、おやつを多めに与えるなどもご法度です。一層食べなくなってしまう危険があります。食べるものだけを与えるというやり方はしないよう注意してくださいね。
フードそのものを食べるように仕向けるには、
などがあります。
ボウルを温める場合はステンレス製のものを使ってください
香りを立たせたり、形状を食べやすくすることで愛犬の興味をそそる工夫をしてみましょう!フードはそのままでもそれなりに香りはするのですが、温めたり砕いたり、ふやかしたりすることでもっと香りが立ちやすくなります。
それに、フードのサイズや見た目が嫌で食べようとしていない子もいるので、砕いたりふやかしたりするだけでも見た目に対する抵抗が減ることもありますので、やってみる価値はあるのではないでしょうか?
フードに問題がなさそうなのであれば、とにかく今あるものを食べるように工夫する。ひたすら替えて合うものを見つけるよりはいい手段だと思いますよ♪
たくさん食べられない子の場合は、フードの回数や量・与え方に工夫を!
少ししか食べてくれない・量を食べようとしない場合には、フードを与える回数や量を調整して与えてみるのもあり!シニア期にこのような症状が出たら、こういった対処がいいかもしれませんね。
たとえば、1日に100gを食べないといけない子で、1回50gを1日2回給餌していたとします。でも毎回食べずに残しているのであれば、この際、25gを4回与えるサイクルに替えてみましょう。もちろん、30g、30g、40gの3回などでも構いません。
消化がうまくいっていないことが理由で、お腹が空かず食べないこともあり、一気に50gは食べられないから残しているだけなのかもしれません。サイクルを少し替えてみるだけでも食べ方が変わる可能性もあります。
消化スピードやサイクルも個体差があるんですね
実際に、お腹を壊しがちだった子が、1回の量を減らし、回数を増やしたことで安定するようになった子もいますし、試す価値はあるのではないでしょうか?
おやつは食べるのにフードを食べてくれなくて、体重が増えないようであれば、おやつ代わりにフードを使って、遊びながらひと粒ずつでも良いので食べさせてみるのもいいと思います。
たとえば、
- 知育玩具にフードを入れて遊ばせてみる
- フードをお部屋に隠して、見つけさせる遊びをする(宝探しごっこをさせてみる)
- コミュニケーションをしながらご褒美にフードの粒を与える(食べた時に褒める)
などの工夫をしてみてはいかがでしょう?
フードを食べることを遊びの一環・楽しいもの、いいことがあるものという印象を与えていきます。褒める時、遊ぶ時に上手にフードを使って、楽しく食べるように工夫してみましょう。
食いつきが良くなる工夫をされた製法で服られているフードを与えてみる
フードの製法や原材料によって食いつきが変わることはよくある話です。
以前書いた「知ってて損はない!ドッグフード用語や基礎知識」にもご紹介していますが、以下引用しますと
ドッグフードの製法もたくさんあります。一般的なフードは大体、高温製法ですが、他にも、低温製法、フリーズドライなどもあり、それぞれ特徴(メリット・デメリット)があるものです。
とあるように、高温製法・低温製法・フリーズドライとある中で、嗜好性がいいのは低温製法やフリーズドライといえます。
フードの香りが立ちやすいんだ!
なので、量をあまり食べようとしない子でも、あまりの香りの良さに思わず食べてしまうのとがあるんですね!
先ほどご紹介した、K9 Naturalもフリーズドライなので、かなり食いつきはアップすると思います。カロリーも少量食べるだけで取れるので、食べなくて困っている・少量しか食べないけど体重を増やしたいという方にはうってつけのフードではないでしょうか?
なお、低温製法のフード以外にも、独自の方法で香りを残す製法をしているアーテミス(ARTEMIS)は我が家の愛犬もめちゃくちゃ喜んで食べていますよ♪製法ひとつで食いつきって変わるものです。
一番大事なのは、心配だからといってあれこれやり過ぎないこと!
さきほどもお伝えしましたが、病気の有無、元の体型、何歳か(ライフステージ)などによって前後はあるとはいえ、2日程度食べなくても、水さえとっていれば、実は案外大丈夫なものです。それに健康でなんのトラブルもない子でも食べないことはあります。なので、安心してください!
※現在の骨格、年齢、肉付きによって何日食べなくても平気かは異なりますので、心配な方はかかりつけの獣医さんに聞いてみてくださいね。
もし、ここで、
などがある場合には、フードの問題やただただ食べないというだけではなく、獣医の手も必要になります。
本当にお腹が空いてないから食べないだけなんだね
いつでも食べられると思っている子や、飼い主さんがそういった、いつでも食べられる環境を作ってしまっている場合は、犬が本能的に「食べたい!」「食べられる時に食べておかないと!」と思う状況を作りましょう。
それには、本当に飼い主さんが心を鬼にしないといけないこともあるでしょう。食べないことばかりに目が行って、気が気じゃなくなって、おやつだけでも…食べられるものだけでも食べてくれ…と何とかしたくなるかもしれません。でもそれはこらえて!
愛犬を信じて、見守るのも対処法のひとつです。飼い主さんが動揺せず、「これはわがままだからグッと我慢…」と、ただただ何もせず、食べないなら下げる、おやつも与えないなど、徹底して淡々と対処するようにしましょう。
ドッグフードは愛犬の健康の土台!しっかり見極めてあげましょう♪
いろいろご紹介してきましたが、フードを食べない・残す原因には他にも、お腹が空かないだけ(いつもより運動がたりない)、本当に大したことのない、ただの一時的なお腹の不調なだけなども考えられます。
これまでまったく問題なく食べていた子が、唐突に残したり食べなかったりすれば、やはり体調不良の可能性も否めません。しかし、徐々に食べなくなっている・フードを替えた途端食べなくなっているなどであれば、
なども考えられます。
そもそもフードを与え過ぎていないでしょうか?運動量は足りているでしょうか?いつかは食べるだろうと、一度出したフードをそのまま置きっぱなしにしていないかなど、注意すべきポイントはたくさんありますので、できることから試していってみましょう。
犬の個体差も考慮しながら話して決めたいという方は、いつでもお気軽にお問い合わせください。
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