みなさん、愛犬にごはんを与える回数や時間は決まっていますか?一般的には1日2回という解説をされていることが多い印象がありますが、中には1日1回という方もいますし、1日3回の方もいます。
何回与えるか、その家庭なりの理由がある方もいれば、なんとなくその回数与えている…という方もいるかもしれません。ただ、今回は、ふと耳にした言葉がきっかけで、この記事を書こうと思った次第です。

体質によっても理想の回数は異なります
給餌するタイミングや時間も、ご家庭によって千差万別ですので、今回の記事を機に、愛犬のフードを与える回数やタイミングを、今一度確認する機会にしていただければと思います♪
なお、いろいろ書いてありますが、犬の個体差もありますし、愛犬の体質に合うやり方を教えてほしい・相談したいという方は、お気軽にお問い合わせくださいね!
ごはんを与えるタイミングひとつで命にかかわることもある!
先に結論からお伝えしますが、愛犬に給餌するタイミングの理想は、お散歩の後や、この後しばらく運動をしないタイミングです。
逆に言うと、食べた後に運動させるのは、胃捻転の原因になるので避けた方が良いでしょう。特に大きな犬種は胃捻転を起こしやすいので注意が必要です。
食後は少なくとも1時間、理想としては2、3時間はゆっくりと過ごす方が良いとされています。食べる量や体質・食べ方によって差はありますが、食べた後は胃腸が消化活動を始めるタイミングですから、そんなタイミングに活発な運動をしてしまうと、胃腸に負担がかかってしまうのです。

フードの早食いや丸飲みをしてしまう子は特に注意!
フードをあまり噛まずに食べてしまう子や、一気に早食いしてしまう子の場合も注意しましょう。ゆっくり食べることで、胃腸の負担も軽減できます。愛犬の食べっぷり(食べ方)は、健康にも大いに関係しています。
最近では以下のような、早食い防止用のフードボウルなども販売されているのをご存知でしょうか?こういったアイテム使うことで、早食いを抑制できる子もいます。(それでも早食いしちゃう子はしちゃうのですが…)
ちなみに、もれなく我が家のビーグルも、早食い防止系のフードボウルでも、がっついちゃいますし…。
そういった場合は、
など工夫して、消化しやすい状態にしてあげるようにしましょう。
いずれにしても食後は、お散歩など激しい運動は避けるようにしてください。
食べてから散歩したほうが「拾い食い防止できる」って本当?
以前、ごはん食べてから散歩させたら、拾い食いしなくなったという飼い主さんに遭遇したことがあります。しかし、それは良い対策ではありません。さきほどお伝えしたように、胃捻転や胃腸の負担につながるからです。
たしかに、お腹がいっぱいの状態であれば、拾い食いをしにくくなるという理論は、理にかなっているようには思いますが…、胃捻転になって、愛犬に命にかかわるリスクを背負わせるのはどうでしょうか?
拾い食いをやめさせるには、日々のトレーニングが大事ですし、拾い食いは犬の本能でもありますので、空腹だから拾い食いをするという考えで、食べた後に散歩をするという対策はおすすめしません。

食いしん坊の子や興味が多い子は拾い食いしがちですよね…
少し話が逸れましたが、そのお話をされた方は過去に犬を飼っていたとのことで(すでにその子は虹の橋を渡っています)、当時のお話として話していらしたので、今更私がそのやり方に対してご本人に直接どうこう言うことはない…のですが…。
ただ、この考え・このやり方を鵜呑みにして、拾い食いに困っている方がマネしてしまっては良くないと思ったため、この記事を書くことにしました。この方は他の、拾い食いに悩む犬の飼い主さんに、同じようなアドバイスをしてしまうかもしれません。
お腹いっぱい=拾い食いしないという、間違った考えが派生してほしくないわけで…。犬を飼い慣れていない方が、犬を飼っていた先輩からそんな話を教わったら、「なるほど!」と納得してそのやり方を採用したら困ります。

人から聞いた話を鵜呑みにするのは危険です
あまりこういう話を書くのは本意ではないのですが、犬を飼った経験・実際に犬と一緒に暮らして得た知識も大事なのですが、犬によって体質も性格も異なるので、人から聞いた話を鵜吞みにするのはおすすめしません。経験だけの裏付けのない考えは、間違えていることも多々あります!
しっかり犬の生態について学んだ医師やトレーナー、ペットフーディストなどにも個人の考えはありますので、どの考えが自分に合うかというのを取捨選択していけば良いと思いますが、それでもやっぱりちゃんと学んだ人か否かは、意見・考えはまったく異なります。
ある程度の専門知識があった上で、個人の見解が分かれるのと、基本の知識がなく経験だけ発言するのとではわけが違うのです。ネットには、知識のない人が他の人の記事を見て、コピペしただけの記事もあります。できる限り正しい知識を採用していけると良いですね。
意外と油断している?!ドッグランでのお水の摂取量に注意!
運動量が多い子の場合、ドッグランなどでたくさん走って、たくさん水を飲んでまた、たくさん走って…と、

もう楽しくて仕方ない!
というような状況になることもあると思います。逆にあまりに楽しくて、お水を飲むのを忘れてしまうような子もいるかもしれません。飼い主さんとしても、たくさん遊んでくれる愛犬の姿を見て微笑ましく感じる人もいることでしょう。
あるいは、お水遊びが好きな犬種の場合、プールに入ったり、川遊びをしたり、海に入ったり、水遊びをしながらたくさんお水を飲むこともあるのではないでしょうか?
ただ、さじ加減は難しいのですが、やはり、ここでも、水をたくさん飲む+たくさん走るという組み合わせは注意が必要です。

水を飲まないのも困りますが…
夏など、水遊びが好きな子で、上手に水に浸かって(飲むわけではなく)クールダウンできる子もいるのですが、水をたくさん飲んでまた夢中で走り回るというのも、大型犬など胃捻転を起こしやすい子は、注視してあげてください。
もちろん、大型犬じゃなくても、シニア犬や繊細な子の場合は、こういった水のがぶ飲みの後の猛ダッシュというのは気にかけておいてほしいのですが…。
いずれにしても、胃に色んなものが入っている状態で、激しい運動をさせるのはあまりいいことではありません。夏などであれば、水をたくさん飲ませるのではなく氷を与えるなどをして、上手にクールダウンしながら、水分を取れるよう工夫してあげましょう。
犬の胃捻転の初期症状や飼い主さんが気をつけておくポイント
食事や水分のとり方が原因で、発症してしまいかねない胃捻転。飼い主さんはどういった点に気をつけておけばいいのでしょう?
これまでに解説したように、食後の激しい運動は避けるのは飼い主さんができる対策のひとつです。しかしそれだけが原因ではありません。これまでに少し触れたように、フードのドカ食いや早食い、丸飲みなどをさせないようにすることも重要です。
また、警戒心が強い子や臆病な子は、フードを周りに取られまいとして、急いで食べようとしてしまうこともありますし、長時間の飼い主さんの留守や、ペットホテル生活、騒音によるストレスが胃腸にきてしまう子もいます。

体質・食べ方・性格をしっかりみてあげてね。
性格も食べ方も体質も犬種もさまざまですから、愛犬の特性を見極めながら食事をさせるように気をつけておきましょう。
また、胃捻転の初期状態として、呼吸が荒くなる、オエっと吐こうとするなどの症状がみられることがあります。そのため、もし食後に運動をさせてしまったり、食事を急いで食べたりするような仕草があった時には、
などをしっかり確認してください。
いくら運動好きなわんちゃんでも、チアノーゼが出ていたら疲れている証拠です。しっかり休ませて様子を見るようにしましょう。
愛犬の食事の理想回数は?個体差があり、いろんな考えがある
犬のごはんは1日2回(朝・晩)という意見が多いと思います。たしかにそのペースで食べるのが、消化の負担なども少なく、サイクルも安定していて、正しいのですが、それが絶対ということではありません。体質・生活スタイル・ライフステージによっては3回でも良いのです♪
たとえば、胃腸が敏感な子の場合、少量ずつしか食べられないこともありますし、無理に食べることで吐き戻しや便の異常につながってしまうこともありますし、回数を増やすことで、食糞をしなくなる子もいます。
もともと持ち合わせている腸内フローラのバランスも個体差はありますし、1日○回が当然・絶対という概念に縛られないようにしましょう。その子の消化サイクル・体質に合わせて、最終的には1日に必要なカロリー数を摂取できていたらいいのですよ♪
食事の回数を減らすほうが、消化器の負担を軽減できるということもある
1日に何回もごはんを食べると、胃腸を休ませる時間が取れないので、小刻みに与えない方がいいという考え方もあります。
人間でも、ファスティング(断食)で胃腸を一時的に休ませるという考えがありますよね?それと同じく、胃腸の負担を減らすために、回数を減らすという考え方です。たしかに何度も食べることで、胃腸を常に動かしいている状態になりますものね。
ただ、逆に、空腹の時間が長くなることで、胃液を吐き出してしまうような子もいますし、食糞してしまう子もいるので、愛犬の体質を見ながら給餌回数を変えていくようにしましょう。
シニア犬・パピー・不調があるときには、量を食べられないこともある
成犬の場合は、これまでの給餌回数で特に何も問題がないのであれば、そのままのスタイルでもいいと思いますが、ライフステージ(パピーのやシニア)によって、食べる量や食べ方に変化がみられることもあります。
シニアの場合は歯や歯茎が弱くなってきていたり、運動量が減ってきてお腹が減りにくくなっていたり、消化器官が弱ってきていたり、さまざまな理由から食に変化が出てくることも…しかしたら本当にどこかに不調があるのかもしれませんし…。
シニア期になっても食欲が劣らない子もいるので、一概にはいえませんが、もし、世代と共に食欲が低下しているようであれば、食べる量を小分けにして与える・ふやかして与えるなども対応策のひとつです。無理やり1回のごはんで全部食べさせようとしなくてもかまいません。

パピーのうちもフードの回数多いよね?
同じく、一般的にはパピーの場合は3回にわけてフードを与えるようになど、成犬よりも比較的、給餌回数を多くすることが推奨されていることがあります。
パピーの場合はまだ胃腸も歯も含め、体が未発達だからです。特に歯の生え変わるタイミングには、食べると口が痛く感じたり、歯茎がムズムズして口を開けたがらなかったりもしますしね。
パピーのうちはフードをお湯でふやかして与えてと言われるのはまだ、成長しきっていない歯や歯茎に負担を与えないためです。回数を小分けにしてといわれるのも、胃腸が発達途中で丈夫になっていないためです。世代に合わせた給餌回数があるので、注意してくださいね。
いつでも食べられるように、与えたフードを置きっぱなしにするのはNG!
食べ残してしまった場合やフードを食べたがらない場合でも、そのフードを置きっぱなしにしないようにしましょう。
手間だとは思いますが、残した分は、一度片付ける(愛犬の目の前から取り除く)ようにしてください。ものによっては心苦しいですが、食べ残しは廃棄してください。その上でしばらく時間をおいて、食べてくれるかを確認するようにしましょう。
食べないからといって、置きっぱなしにしておくことで、フードの鮮度・質も落ちてしまいます。一度口をつけておたフードだど、唾液に菌が繁殖してしまうこともありますし、一番気を付けておきたいのは、置きっぱなしにすることで、愛犬が、

いつでも食べられるからいいや
と学習してしまい、余計に食に興味を示さなくなってしまう危険があるのです。
食べる量が減ったり、しばらく様子を見ていても食べなかったりしたら、心配にもなってしまうでしょうし、「おいて置いたら、食べたくなったらいつでも食べられるし」と考えがちですが、これではフードジプシーや、食べない習慣を助長してしまいかねません。
なお、食べないからといって、ころころフードを替えたり、トッピングを増やしたりということNG。

いやいやをしていたら、もっと美味しいものが出てくるぞ♪
と学んでしまうからです。
本当に食欲がなくて食べないこともありますし、ただただ本当にそのフードが好きじゃないから食べない(フードを切り替えた時)など、食べない原因として考えられるものは多数あります。
食べてくれないのは本当に心配になりますが、原因を確認するためにも、しばらくしてもフードを食べないのであれば引き上げるというのも対策のひとつです。「食べないからいつでも食べられるように」という対策はしないようにしましょう。
ドッグフードを与える時間は固定しない!同じ時間に与えるのはNG
愛犬のトレーニングなどの際にもみなさんも聞いたことがあるかもしれませんが、いつも同じ時間にごはんを与える習慣をつけてしまうのはよくないといわれています。なぜなら、
など、トラブルに発展してしまうこともあるからです。ただ、だからといって、時間を変え過ぎるのも、安定しない食事サイクルが原因でお腹に負担がかかってしまうこともあります。

早くごはんをくれたまえ!!
そのため、時間を固定する必要はありませんし、少しずつ時間をずらして与えてあげるのもいいかもしれませんね。ある程度の目安の時間帯は決めてしまってもかまいませんし。
というのも、夏の暑い日にはお散歩の時間帯も変わってくると思います。特に昨今、猛暑日が多く、犬の散歩の時間帯も冬と比べたらまったく違う時間帯になりませんか?冬も日が落ちるのが早いので、早い時間に散歩に行くこともあるでしょう。
散歩の時間が変わるという条件と、ごはんは散歩の後・運動後が理想的という条件を考慮するとと、なおさら固定した時間に与えられなくなってくると思います。

季節に合わせた散歩を犬も好むんだよ~
とはいえ、仕事などで、散歩の時間帯が必然的に固定される人もいるかもしれません。あるいは、どうしても仕事が多忙で、愛犬のご飯の時間をまったく固定できない人もいるでしょう。
固定はしていなかったにしても、どうしても大幅に給餌の時間が遅れそう…という場合には、時間になったら自動でフードが出てくる「自動給餌機」も販売されているので、上手に生活に取り入れるようにしておくと良いですね♪
おわりに
フードを回数は理想はあくまで理想であって、その子の体質によっては、1日3回にわけたって良いので、かたにハマっていないからと言って心配する必要はありません。
また、与える時間はいかなる理由があっても、原則はその後運動をしない予定であることは守るようにしましょう。うちの子は丈夫だし大丈夫だろう…という油断から、愛犬が胃捻転を起こしてしまったり、消化不良を起こしてしまっては元も子もないことになってしまいます。
飼い主さんの対応で防げるようなことは、なるべく対処してあげられるよう、正しい知識をつけて、愛犬と幸せな時間を過ごせるようにしていきましょう♪
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