ドッグフードの丸飲みって大丈夫?犬は噛んで食べないのが普通?

ドッグフードの知識・選び方

愛犬がドッグフードを噛んで食べない、丸飲みしているなんてことはありませんか?

フードにがっついて一気食い・早食いしているのを見ていると、「大丈夫なのだろうか?」と心配になることもあるでしょう。

犬がフードの丸飲みしてしまったり、噛まずに食べてしまったり、飲み込むほどに早食いしてしまったりするのって、実際のところどうなんでしょう?

ポリポリ噛む音が好き♪

人間は、「ちゃんと噛んでゆっくり食べなさい」と、当たり前のように言われてきましたもんね。だからこそ、愛犬が噛まないで食べたり、急いで早食いしている様子を見ると、消化や胃腸の負担は大丈夫なのか気になる飼い主さんもいると思います。

そこで今回は、

  • 犬はフードを噛まずに食べて大丈夫なのか?
  • フードを早食いしてしまう子の場合どうすべきか?
  • 落ち着いて食べるようにするにはどうしたらいいのか?

などについて、ご紹介していきます。短時間でぺろりと食べてしまう姿を、「満足そう」「フードを気に入っているのだろう」とほほえましく見ていていいのか、今一度正しい情報を頭にいれておきましょう。

なお、いろいろ書いてありますが、原因は個体差もあるため、愛犬に合うやり方を教えてほしい・相談したいという方は、お気軽にお問い合わせくださいね!

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ドッグフードを噛まないのは犬の習性・歯の構造的に当然のこと

犬は習性として、噛まないで食べるのが普通といわれています。人間のように歯で噛んで食べる噛み合わせになっているわけではなく、噛みちぎって食べる構造になっているのです。犬の歯を見てみると、尖った歯が並んでいるのがおわかりいただけるのではないでしょうか。

それに、野生の頃の名残りでもあるのですが、食事を敵に取られてしまう可能性もあることから、急いで食べる・早食いする習性もあります。

よく噛んで食べるように言われてきた人間にとっては、噛まずに食べている愛犬の姿を見ていると心配になってしまうかもしれません。しかし、それはいたって当たり前のことですので、特に心配する必要はありません。

 

噛まずに丸飲みしてしまっていても、消化はちゃんとできてるの?

いくら犬の習性や歯の構造的に噛まないのが普通といわれても、

  • 丸飲みしていて本当にちゃんと消化できるのか?
  • 胃腸に負担がかかってしまわないのか?

と、気になる人もいると思います。

しかし、ドッグフードはそもそも、丸飲みしてもしっかり消化酵素で分解できるように作られていますので、丸飲みすると消化できないということはありません。ご安心ください♪

それに、犬の場合、胃に食べ物が到達してから初めて消化がスタートしています。人間のように噛むことで発生する唾液(消化酵素・アミラーゼ)が消化を促すというわけではなく、胃に届くまでは消化には影響はないので、特に噛む必要もないのです。

消化器官に不調・病気がある子は獣医師に相談しましょう

ただし、心配不要なのは、あくまで健康的に消化活動ができている子の場合のお話。

  • 消化酵素の分泌にトラブルがある
  • お腹の調子が不安定になっている
  • 水をあまり飲まず、消化酵素が分泌しにくくなっている
  • シニア犬で消化器官が衰えている
  • パピーで消化器官が未発達

など、消化に心配がある子に関しては、獣医さんに相談しておくようにしましょう。(パピーにフードをふやかして与えるのも、歯や消化器官が未発達だからなんです)

 

逆にフードの粒をちゃんと噛んで食べる場合は良よくないの?

うちの子はしっかり噛んで食べるんです

犬がフードをポリポリ・カリカリ食べる音が好き♪

なんて方もいるのですが、それはもしかしたら、フードの粒のサイズが愛犬の口のサイズに合っていないからなのかもしれません。そのため、どうして嚙んで食べているのか・どんなものを嚙んで食べているのかも重要なポイントです。

というのも、嚙んで食べることにもメリットがあることがわかってきており、噛んで食べる(咀嚼をしっかりする)方が、

  • 脳が刺激される
  • 体温が上昇する
  • 歯茎の健康・顎の筋力の維持ができる
  • 噛むことによって満腹感が上がる
  • 消化時の胃腸への負担が軽減される

などの、有効な効果があるとされているのです。

この場合の噛むアイテムは、ガムやジャーキーなどがおすすめ♪ただし、硬すぎて歯や口が損傷してしまわないように注意してください。ガムも丸飲みしてしまうと危険ですので、しっかり見ておいてあげましょう。

詳しくはこちらをご参照ください

丸飲みするのが当たり前のことだとはいえ、フードのサイズが合っていないから仕方なく噛んでいるという理由でもない限り、嚙んで食べることが悪いというわけでもありません。

ただし、パピーなど、まだまだ消化器官が未発達の状態にある子や、シニア犬など、消化器に衰えが出始めるステージの子の場合は、丸飲みしてしまうことによって、フードを吐いてしまう可能性もあります。

丸飲みしたものを吐くこと自体はそんなに問題ではないのですが、吐くという行為自体が犬にとって負担になることがあるので、繰り返しているようであれば、対策を考えてあげる方がよいでしょう。

 

早食いしてしまう場合は要注意!早食いはデメリットがたくさん!

最初に「犬は他の敵に獲物を取られないようにするために、急いで食べ習性がある」とお伝えしましたが、いつも急いで早く食べている・丸飲みな上に早食いという状態になっている場合は注意が必要です。

早食いしてしまうことで起こりうるトラブルは、

  • 胃捻転のリスクが上がる、
  • 消化器への負担
  • 誤嚥による咳込みや喉の詰まりや嘔吐、窒息
  • パピー、シニア犬の場合は消化不良
  • 満腹感がなく食べ過ぎてしまう、肥満

などがあります。

胃捻転に関する懸念については、こちらの「愛犬のごはんはいつ与える?適切な給餌のタイミングや回数とは?」の記事でもご紹介していますが、一気に食べ物が胃に入ってくることによって、胃腸がよじれてしまう危険があるのです。

大型犬がなりやすい傾向があるため注意!

これ以外にも、早食い癖があると、フード以外のものも丸飲み・早食いしてしまう可能性もあります。最初にお伝えしたとおり、フードの粒であれば、胃に入ってしまえば消化しやすい状態にはなっているものの、おやつなどに関してはそうとは限りません。

硬めのおやつやガム、骨、体格に見合わない大きすぎる食べ物であれば、フードの時のようなスムーズな消化ができるかは、愛犬の年齢や胃腸の状態によって変わってきます。最悪の場合、消化できずにお腹を壊してしまうことも…。

早食いの原因がなんなのか…1日に必要な適性量に足りていないなんてことはないか?食事への異常な執着を見せることはないか?ごはん前の待てのコマンドが長すぎていないか?などもしっかりチェックしてみてください。

 

 

ただの早食いではない?唸るのはフードアグレッシブかも?!

  • 急いで食べる上に、唸りながら食べている
  • フードを食べている時に人が近づくと唸る、噛もうとする
  • ごはん中に手を出すと噛む・噛もうとする
  • 食事が終わってフードボウルを片付けようとすると唸る、噛む

など、威嚇する・攻撃的になるような場合は、フードアグレッシブ(フードアグレッション)の可能性があります。

空になったフードボウルなのに、なんで?

と思うかもしれませんが、それだけ食べ物に執着が強いということです。食べているものを取られまいとしての行為で、犬からしたらいたって普通の行動でもあるのですが、人に危害を加えてしまう可能性も否めません。

こういった愛犬の威嚇行動や食への執着が見られる場合には、少しずつ慣らしていくことから始めましょう。(※当サイトはしつけサイトではないため、フードアグレッシブの詳細・対処法までは責任が持てないので割愛します…。)

 

ドッグフードの早食いをさせないための対処法とは?

シニア犬やパピー、消化器にトラブルがない子の場合は、ドッグフードの丸飲みはそこまで気にする必要はありませんが、問題は早食いしてしまうことです。いったい、どのように対処すればよいのでしょう?

早食いしてしまうと、過剰に食べたがったり、おやつも嚙まずに食べて誤嚥をしてしまったり、悪化して誤嚥性肺炎になってしまう危険もあるので、そのままにしておくのではなく、なんとかゆっくり食べるようにさせたいものです。

元気にたくさん食べていればいいというわけではありません。ここでは簡単にできる、早食い対策についてご紹介していきます。飼い主さんが工夫してあげられることをやってあげるのも、愛情表現ではないでしょうか。

 

 

早食い防止の工夫がされているフードボウルを使用する!

一部、あんまり意味がないというケースもあるのですが、やってみて損はないのでご紹介しておきたいのが、早食いを防止できるように、食べにくい作りになっているフードボウルです。フードボウルにデコボコがあるため、簡単に犬ががっついて食べられない作りになっています。

食べづらそう…という飼い主さんもいらっしゃると思うのですが、だからといって、早食いのままにしておくのはおすすめできません。

ゆっくり食べて、胃に負担がかからないようにしてあげるのが目的ですから、ここは食べにくそうでも心を鬼にしてください。

デコボコのデザインは多種多様ありますよ♪

色んなデザイン・シリーズ展開があり、見てみるだけでも面白いと思います。

ここでのポイントは、あんまり簡単に食べられるような作りではないものを選ぶこと。デザインによっては、「これでは全然防止にならなくない?」というものもありますし、逆に、「ここまでしたらやり過ぎかも?」というものもあります。

愛犬のマズルの長さなどによっても、どんな形状になっているのがいいのかも異なりますので、食べられるけど、適度に食べづらいものを選んで、ゆっくり時間をかけて食べるように仕向けてみてくださいね。

 

ドッグフードをふやかして与える!ただし歯や口周りのケアは念入りに

フードを与える前に、ぬるま湯でふやかして与えるというのも、早食いした時のデメリットを抑制する効果が期待できます。人肌程度のぬるま湯で、時期にもよりますが15分~20分程度ふやかしたものを与えましょう。

ただし、ふやけるまで待たないといけないので、お散歩に行く前など、与えるタイミングを考えてふやかす段取りも工夫しておくとよいでしょう。

ただただふやけないからとい理由で、フードが目の前にあるのに…フードの香りがずーっとしているのに…お預け時間が長くなってしまっては、一層、愛犬の早食いを助長してしまう可能性があります。

手間ではあるけど、ふやかすくらいなら今すぐできるね!

ただし、フードをふやかすことで、歯にフードがつきやすくなってしまったり、犬種によっては口周りの毛や皮膚が汚れてしまったりすることもあることは頭に入れておいてください。

歯や歯茎に付着したフードをそのままにしておいたら、口腔トラブルに発展してしまう可能性もありますし、長毛種など毛が汚れているままになっていたら、口周りのよだれやけになってしまうことも…。

また、短頭種など口周りにシワがある子は、しわにフードが挟まって不衛生になってしまう危険も考えられます。いずれの場合であっても、歯や口周りに雑菌が繁殖しやすい環境になってしまいますので、しっかりケアをするようにしてください。

 

 

ドッグフードを替えて、粒のサイズが異なるものを試してみる

フードの粒のサイズや形状によって、食べ方が変わることはよくあります。

原則、早食いしてしまう子の場合は、フードの粒を小さ目のものにする方がいいかもしれません。消化しやすく、喉につっかえる心配も軽減できるからです。ただし!小さい粒になって、なおさら食べやすくなって、早食いに拍車がかかる子もいるので、注視しておくようにしましょう。

逆に、今までのフードの粒よりも少し大きな粒にすることで、

これは丸飲み・早食いしたら危険だ!

と愛犬が自ら判断して、食べるスピードを遅めたり、フードの粒を少し噛んで食べたりするようになることもあります。どちらが良いのかは、本当に個体差があるため、絶対にどちらとは断言できないのですが、粒のサイズや形状が違うものに替えてみるというのもひとつの策です!

それに、ドライフードの形状も本当に多種多様で、詳しくはこちらの記事にも記載していますが、今一度形状を確認してみますと、

①一番スタンダード
丸いコイン型
②ごろッとしたキューブ型
丸型
③低温低圧製法に多い
円柱型
④平たい卵型
ラグビーボール型
⑤真ん中に穴が開いている
ドーナツ型
⑥パリッと割れやすい
X型・クロス型
⑦そんなにたくさんはない
△型・ピラミッド型
⑧特殊形状
四角、花型、ハート型

こんなにもあるんですよね♪

形が違うだけで食べ方が変わることもあります!

我が家の愛犬も、色んな形状のフードを食べさせましたが、それぞれ違う食べ方をしています。

小さい粒の場合5mm~7mm程度のサイズでとっても平べったいものもありますし、大きな粒の場合12mm~15mm(もしくはそれ以上)のものもあり、それぞれで全然食べっぷりは違うものなんですよね!

ただし、フードジプシー・フード難民だったり、臆病な子だったりする場合は、フードの形状が違うだけで怖がって食べないこともあるので、切り替え方や与え方には注意してくださいね。

 

 

フードを与える回数を多くすることで空腹感を減らすことができる

フードを与える回数、時間をある程度決めている方も多いと思います。一般的には1日2回(もしくは1回)の方が多いように思いますが、フードを与える回数って、それだけが正解とは限りません。

以前記載していある、愛犬のごはんはいつ与える?適切な給餌のタイミングや回数とは?という記事にも詳しく解説してありますが、愛犬の消化活動の状態や食べ方によって、3回の方が良い子もいるんです。

給餌回数が少ないことで、お腹がとてもペコペコになっている状態であれば、そりゃあ…がっついて早食いもしてしまいます。

待ってましたー!ペコペコでやんす!

そのぺこぺこな空腹感がマックスになるのを避けるために、フードを与える回数を増やるというのもあり!

たとえば、今まで1日トータル100g・50gを2回与えていたのであれば、30g、30g、40gにわけて3回にしてみる、25gを4回にしてみるなどでも構いません。そうすることで一定の量がお腹に溜まっている状態になり、空腹感を軽減することができます。

もし、現時点で1日1回でがっついて食べて、早食いの丸飲みをしているようであれば、2回に変えてあげてもいいかもしれませんね。消化スピードは愛犬の体質や食べているものによっても異なりますので、回数を変えるだけで効果を得られることもありますよ♪

 

回数は変えずに、分量をこちらで調整しながら与える「わんこそば」方式もあり

給餌量を与えるのではなく、わんこそばのように、食べたら追加する、また食べたら追加するという対処法もあり!

たとえば、1食30g食べている子だとしたら、30gをフードボウルに入れて、一気に食べさせるのではなく、10g与えて、食べきったらまた10g追加…という感じに、徐々に食べさせるのです。

これだけでも30g一気に早食いするのではなく、小分けにして食べることができますよね。手間にかんじるかもしれませんが、これであれば回数を増やすよりも楽にできるのではないでしょうか?

 

食事する環境を変えてみる!多頭飼いの場合は食事場所を分ける

多頭飼いの場合は否応なしに、フードの争奪戦になることもあるでしょう。他の子に取られまいとして、急いで食べるのは本能として当然のことです。食いしん坊な子もマイペースな子も、フードを取られても怒らない子もいますし…。

あるいは、1匹しか飼っていなくても小さなお子さんがいるご家庭は、子どもに取られまいとして早食いしてしまう子もいますし、なにかしら犬にとって早く食べないといけない理由があるケースも。飼い主さんに食べている姿を見つめられていると、気にして急いで食べる子もいますしね。

そんな場合には、食べる環境を変えるというのも有効です。クレートやケージで安心できる子の場合は、そこで食べさせてみるの良いと思います。安心させてあげるのがポイントです♪

こんな環境じゃゆっくり食べてらんないぜ!

多頭飼いであれば、それぞれ別の場所で食べさせるようにする、愛犬にとってなにか嫌な思い出がある部屋でいつもごはんを食べている可能性があるのであれば、違う部屋で食べさせてみるなどしてみてはいかがでしょうか?

フードアグレッシブを治そうと、食事中にフードを取り上げるトレーニングをしたことがある人もいるかもしれませんが、愛犬にとってはそれがトラウマで、早く食べないと取られしまう!と感じているのかもしれません。

ごはんを食べている場所が騒音が聞こえる部屋だったら、誰かが来る前に食べないと!と思っているのかもしれませんし、その子じゃないとわからない焦って食べる理由があるのでしょう。心配かもしれませんが、ごはんを食べている時は見て見ぬふりをしてあげるのもいいですね♪

 

嗅覚ハウンド系の犬種の場合は「宝探しゲーム」をして与えるのもあり!

嗅覚の優れた犬種を飼ってる方の場合は、フードを部屋のそこかしこに分散してばらまいて、愛犬自ら探させる「宝探しゲーム」をさせながら、時間をかけて食べさせてみるのもありです♪

もちろん、蒔いたフードを全部愛犬が回収してくれないと、見つけられなかったフードが置きっぱなしになる危険もあるのですが…。

ただ、このやり方であれば、ノーズワークとして愛犬の好奇心も刺激されますので、運動にもなります。嗅覚をつかった遊びは集中力がいるため、散歩レベルの疲れを感じさせることもできますしね♪

 

【注意!】ゆっくり食べれるからといって手から食べさせるのはNG

手で与えれば、ゆっくりこちらのペースで食べる量を調整できるし良いんじゃない?と考える方もいるかもしれませんが、手からフードを与えるのは、相当な理由がない場合にはあまりおすすめできません。

というのも、手から与えてばかりいると、今度は飼い主さんの手からじゃないと食べない子になってしまう危険があるからです。トレーニングのひとつとして、手から食べさせるという方法もありますが、ある程度の成犬の場合には、率先して取り入れる必要はない場合もあります。

そのため、適量は手からあげたとしても、後は愛犬自らが食べられる環境にしてください。手から与えてゆっくり食べさせる方法は、犬を選ぶやり方だと思っておいた方がよいでしょう。

 

ドッグフードの早食いの原因になっていることを解消してあげよう♪

原則、犬は丸飲みしてしまう生き物ですし、早食いをする習性もあるのですが、早食いによって起こりうる危険を考えて、

ゆっくり食べていいんだよ

ということを、愛犬が理解できるようになっていると良いと思います。

実際に、早食い癖ゆえに、生の野菜を丸飲みしてしまって大変な経験をしてしまった子、ガムを丸飲みしてしまった子なんかのお話も聞くことがあるものです…。病院に通って大変だったらしく…。

飲み込んでしまって焦る前に、

  • 落ち着いて食べていいんだということをわかってもらう
  • 落ち着いて食べられるようにして工夫してあげる

こともできます。

心配な方は、ここでご紹介した対処法を試してみてくださいね♪

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