おすすめのドッグフードに関する記事はたくさんありますが、今回はその発想とは真逆の、ドッグフードや犬の栄養学に詳しい人は、こういうフードは選ばない!というポイントや、こういうフードは買わない方が良いというポイントをご紹介したいと思います!
とはいえ、特定の商品名を挙げて「このフードは買わない」と言うと、ただの悪口になってしまいますので(※実際おすすめしない・買わない方が良いというドッグフード名が知りたい方は、お問い合わせくだされば、別途お伝えします)、今回は、
こんなものが使用されているフードは注意
こういうのは与えたくない
というポイントと、その理由にフォーカスした内容にしました。(※なお、この内容は、獣医師から処方されるような、療法食は含まれません。療法食については、参考にしないでくださいね)
数多くあるフードの中から、一体どういうところを見て選べば良いのかわからないという方、なにをどう確認したらいいのかわからない方も多いと思います。そんな方に、参考にしていただけましたら幸いです!
なお、いろいろ書いてありますが、犬の個体差もありますし、愛犬の体質に合うものを教えてほしい・相談したいという方は、お気軽にお問い合わせくださいね!
犬の管理栄養士の私が「これは買わない」というドッグフードの条件
まず、ドッグフードを選ぶ時には、必ず原材料をチェックする習慣をつけてください。なにがどういいか、なには避けた方がいいのかを確認するには、原材料の確認はマストです!ランキング評価やクチコミを見る習慣は終わりにしましょう。
その上で、実際こういうのは避けた方がいい・こういうのは買わない方が良いという条件をご紹介していきます。
先にまとめてみますと、以下のようなドッグフードは私は買いません。
ドッグフードは犬の体を作る基礎です。与えるものが愛犬の健康を左右することもあります。
きっと皆さん、大事なわんちゃんに1日でも健康に・元気に長生きしてほしいと思っていらっしゃると思いますので、その思いを叶えるためにも、正しいフードの選び方をしっかり覚えておいてくださいね♪
ここからは、「なぜ私が買わないのか」「買わない方がいいドッグフードだと思うのか」の理由を解説していきます。
小麦やコーン(とうもろこし)が使用されているドッグフード
小麦(小麦粉、小麦ふすま)・トウモロコシ(コーン、コーンスターチ)などが使用されているフードは避けましょう。というのも、小麦・トウモロコシは犬が持ち合わせる消化酵素で分解しにくい食材だからです。アレルギーが出る可能性があります。
しかも、犬にとっての必要な栄養素は少なく、腹持ちもそんなによくありません。高GI値食材(=太りやすい食材)でもあり、肥満の原因になる可能性もあります。
メーカーのサイトなどでの説明では、「小麦・トウモロコシにはミネラルや炭水化物も豊富!」「犬は小麦・トウモロコシを食べてもいい」「コーンは皮がついていなければいい」なんて記載がありますが、はっきり言ってしまうと、本音は安価でフードのかさ増しができるからです。
炭水化物やミネラルはたしかに多いですが…
小麦・トウモロコシを使用した、安くてそれなりにAAFCOの基準をクリアしているフードもたくさんあります。ただ基準はクリアできていたとしても、栄養価の詳細を確認してみると、犬にいいとはいえません。つまり、結局はメーカーは、良いようにいって、安く売りたいだけです。
アレルギーに配慮した食材とは言えません。小麦・トウモロコシを食べてもアレルギーが出ない子もいますが、いずれにしても犬に良いもの・栄養価が高いものではないということは知っておいてほしいです。
おやつ程度の、メインでたくさん食べることのないレベルであればセーフとはいえ、率先して与える必要もなく、できれば避けておいた方がいいとは思います。与えるにしても、ずっと与えるのではなく、たまに与える程度にしておくのも良いですね。
化学合成添加物(保存料・香料・着色料)が使用されているドッグフード
化学合成添加物が使用されているフードは、原則おすすめしません。化学合成添加物とは、自然界にないもの・人が化学的に作り出した成分のことで、保存料・香料・着色料などのことを指し、す。
避けた方が良い理由は、化学合成添加物が体に合わず、アレルギーが出てしまう子もいますし、最悪の場合、腫瘍ができるリスク・発がんリスクが上がる可能性もあるからです。
これについては、どんなものが避けた方が良いものに該当するのかを、記載しておいた方が分かりやすいと思います。過去の記事から引用して今一度ご紹介しておきますので、以下を参照してください。
以下のようなものは、あまり食べさせない方が良いかな!
防止剤 防腐剤 保存料 |
エトキシキン、没食子酸プロピル BHA、BHT エリソルビン酸ナトリウム 亜硫酸ナトリウム ソルビン酸カリウム pH調整剤 |
保湿剤 | プロピレングリコール ソルビトール ※甘味料としても使用されることもある |
着色料 発色剤 |
亜硝酸ナトリウム、二酸化チタン 黄色4号、黄色5号、黄色6号 赤色2号、赤色3号、赤色40号 赤色102号、赤色105号 青色2号、青色2号、青色102号 など |
香料 甘味料 その他 |
グリシリジン・アンモニエート(甘味料) 合成調味料(香料) (由来のわからない)香料 |
凝固剤 ゲル化剤 安定剤 |
カラギーナン キサンタンガム グァーガム |
凝固剤などはウェットフードなどに多いですね!
上記は化学合成添加物ですが、天然由来の添加物であっても合わない子もいますので、フードの原材料を見た時に、「なにこの成分?」というものがあれば、副作用などもネット検索してチェックしてみるといいかもしれません。
こういったものを使用していないフードはたくさんあります。結局高いフードにしろってこと?と思うかもしれませんが、高くても添加物を使用しているフードもありますので注意が必要です。
ただ、事実として、安いフードは添加物を使用しているものが多く、やっぱり安いには安いだけの理由もあるわけで…。質がよくないからこそ、添加物を使用しないということも考えておいた方が良いと思います。
得体の知れない動物性油脂・植物性油脂が配合されているドッグフード
なに由来なのかわからない「動物性油脂」や「植物性油脂」が、原材料に記載されているフードは避けましょう。詳しくはこちらの「オイルコーティングとは?」でもご紹介していますが、こういった油脂が悪とまでは言いませんが、率先して取る(与える)必要はありません。
ただし、動物性油脂や植物性油脂というのは、脂質の質としてはあまりいいものではないということは理解しておいてもらえると幸いです。なお、鶏脂やサーモン脂など、なに由来の油脂なのかわかっているものはOKです!
たまに、ちゃんとした脂質であるにも関わらず、「オイルコーティングだから良くない」と書いているサイトがありますが、それは誤報の可能性が…。ないがいいか悪いのか、見分けがわからない方はいつでもお気軽にお問い合わせくださいね。
ミール・乾燥肉・ドライ肉・○○肉パウダーが主原料になっているフード
「ミールはよくない」「ミールは危険」なんて言われることがありますが、先に完結な答えをお伝えしますと、ミールは危険というわけでも、よくないというわけでもありません。
ただし、ミール(パウダー・○○粉・乾燥○○肉・ドライ○○肉)が主原料になっているものは避けた方がいいと思います。主原料はあくまでフレッシュミート(生肉・生魚など加工していない状態の肉・魚)であることが最優先です。
中には、そこそこ値段の高いフードであっても、一切フレッシュミートが配合されておらず、ミールや乾燥肉だけしか使用されていないフードもあるので、そういったものは避けた方がよいでしょう。
そもそもミールってなに?
ミールについては、こちらの記事でもご紹介していますが、肉であって肉ではないものとでも言いましょうか…。肉や魚の残渣から脂を抜いた、たんぱく質の塊のことです。
今一度サラッとご紹介しますと、
- 肉や魚の残渣(人が食べない残りかす・捨てる部分)をじっくりゆっくり加熱して、
- 分離した油脂を濾して、
- 残ったこれ↓(たんぱく質の塊)を、
乾燥させたものが「乾燥○○肉・ドライ○○肉」、その乾燥したものを粉にしたのがミール・○○肉パウダーと言います。
上記の画像からもわかるように、肉ではあっても肉ではない別ものなのがおわかりいただけると思います。ミールってなんとなくお肉?と思っている人もいると思いますが、肉ではありません。
たんぱく質密度は上がり、脂質は下がるのがメリット
稀にヒューマングレードのお肉からミールにしているなんてものもありますが、それなら生肉のまま使ってくれた方がよっぽど犬には栄養の吸収もしやすいはずです。
ミールにするために熱でゆっくり加熱することで、脂質が抜け出し、たんぱく質のみが残りはしますが、熱処理をすることで壊れてしまう栄養成分もあります。そのデメリットを考えると、フレッシュミートで十分ですし、わざわざミールにする必要はありません。
ミールの説明に、「たんぱく質を効率よく取れる!」なんて記載がされていることもありますが、フレッシュミート主原料で、ミールのフードよりもよっぽど高たんぱくなフードもごまんとありますしね♪
フレッシュミートの方が愛犬の体には合うんですね
あくまで主原料は生肉・生魚(無加工のもの)が優先です。(アレルギー対策フードはこれに限りません。たんぱく源からアレルギーが出ると言われているため、意図的にミールを使用することがあります)
ただし、主原料が生肉で、その他の食材としてミールやドライ肉などが配合されているのであれば、フレッシュミートのサポート要素として配合されているだけなので、そこまで気にしなくても良いと思います。
主原料はそのフードの一番多く配合されているもの・主となるものです。嗜好性の高さ・栄養価の高さという意味でも生肉の方がおすすめですので、ミールや乾燥肉・ドライ肉が主原料になっているものや、フレッシュミートがまったく使用していないフードは選ばないようにしましょう。
好ましくない原材料・グレーゾーンの食材が配合されているドッグフード
犬にこれって大丈夫なの?という、グレーゾーンのものが配合されているフードも販売されています。
皆さん、犬はチョコレートはダメ、玉ねぎはダメなんて話は聞いたことがあると思います。データ・研究ありきで、犬が食べると体調を壊す食べ物・命にかかわる食べ物・病気になってしまう、犬が食べてはいけないとされている食べ物です。
その上でのお話なのですが、犬に良くないということがしっかり証明されているわけではないけど、そんなに率先して食べる必要はないかな?という、できれば避けておいた方が良いものを配合しているフードもたくさんあります。
長期的には食べない方が良いかも…
絶対だめとは言えないのですが、グレーゾーンで怪しい食べ物が原因で、食物アレルギーが出てしまったり、お腹を壊してしまったりすることもあるので注意が必要です。(問題なく食べられる子もいますが)
具体的にどんなものがあるのか、フードに配合されがちなものでご紹介してみますと…
ガーリックパウダー |
|
アボカド |
|
牛乳・ミルク | 大丈夫な子もいますが、牛乳の乳糖(ラクトース)を分解できず お腹を壊す子も…。アレルギーにも注意 |
柑橘類 | 大丈夫な子もいますが、食物繊維が多いのでお腹を壊す子もいます |
チーズ | チーズの種類にもよりますが、塩分過多や乳製品アレルギー、 高脂質など、注意しないといけない点が多い |
などがあります。
上記はあくまでフードに使用されがちなものの一部
ガーリック(にんにく)は生じゃなきゃ良いと言われてはいるものの、個人的には避けています。生にんにくじゃなかろうが、パウダーだろうが、にんにくを配合してないフードなんてたくさんありますし、にんにく以外でも滋養強壮に効果があるものなんてたくさんあるのですし。
アボカドも生で食べなければ良いなんて言われますが、高脂質でお腹を壊しやすいので、率先して与える必要はありません。(アボカドを売りにしているフードもありますが、個人的にはリスキーなので買いません)
因果関係がわかっていないにしても、そのような良くない報告が多数上がっているものを、愛犬に与える必要はないと思んです。そういったものが配合されていないフードもたくさんあるのですから、わざわざ疑わしいものに手を出す必要はないのではないでしょうか?
どうなるかわからない「謎のカタカナ成分」が入っているドッグフード
私が買わないフードとして、「よくわからない成分」が入っているフードがあります。これはさきほど触れていた、化学合成添加物に似た意味合いがありまして。
たとえば、メチルスルフォニルメタン(MSM)。(←某有名アフィリエイトフードに入ってます…)
効果と副作用が一か八かなところがあり、率先して与えないで良いのではないか?と個人的には思っています…。効果と副作用は以下のとおり。
効果が期待できること | 副作用症状 |
消化器・関節・皮膚の強化、抗炎症作用 | アレルギー、発疹、胃腸障害を引き起こす |
よく出るか悪く出るかわからない!!
合う子であれば、アレルギー症状を防げる(=抗炎症作用)効果や、皮膚も関節も消化器も安定する効果が期待できるのですが、合わない子の場合は、メリットと真逆な症状が出てしまう物質だということがわかっているのです。
実際に、厚生労働省のサイトでも注意喚起の記載があります。気になる方は以下リンクをご参照ください。
メチルスルフォニルメタン/厚生労働省『「統合医療」に係る 情報発信等推進事業』
これでお腹痛くなった子のお話、案外聞きます…
副作用の心配はないという意見もありますので、この一か八かをどう受け取るかは飼い主さん次第です。しかし不安であれば、このようなものが使用されていないフードもたくさんありますので、わざわざMSMが入っているフード選ぶ必要はないと思います。
どうしても与えたいのであれば、MSMのサプリメントもあるので、フードをいきなり替えるのではなく、サプリで愛犬にどう出るのか様子を見てからにするといいでしょう。
高タンパクすぎるフードは、犬によってはトラブルのもと!成分に注意!
昨今、高たんぱくなドッグフード(目安として30%以上のもの)がたくさん販売されていますが、高たんぱくなフードは、食べる子をかなり選ぶので、簡単に手を出さない方がいいと思いますよ。
高たんぱくのフードは、パピーでこれから体を大きくしていく必要がある子や、相当な運動量がある犬には良いのですが、ここでいう「相当な運動量」とは、
など、それだけの運動量があり、それなりにカロリーを消費して、筋力をつけないといけない子のお話です。(ノーズワークなどは、10分するだけで30分歩いたくらいの体力を使うなんていわれています)
恐らく、日本ではそこまで散歩・運動させているご家庭は少ないように思います。そこまで運動が必要な犬種よりも、小型犬など比較的、日本では運動が必要ない犬種の方が人気ですし。(もちろん、実際にそういった生活をしている人もいます♪)
そんなに走り回れるスポットも少ないですしね
運動量があまりない子にとっては、高たんぱくなものを食べたところで、筋肉に変換されずに余ったたんぱく質は、結果脂肪に変わり太ってしまうんです…。
それだけではなく、高たんぱくなフードはシニア期になってくると、心臓に負担をかけてしまうこともありますし、そもそもシニア期の時点で成犬期よりも新陳代謝も必然的に落ちてきている時期ですから、やっぱり太る原因になってしまいます。
適度な運動量のわんちゃんであれば、たんぱく質は25%前後で十分です。高たんぱく=良いんだろうと「なんとなく」思って、安易に手を出すのはおすすめしません。
○○犬用という特定の犬種・特定の飼い方の犬用フードを買う必要はない
チワワ用、トイプードル用、柴犬用、運動が少ない室内犬用どといった、特定の犬種用・飼い方用となっているドッグフードを買う必要はありません。(パピー用は除く)というのも、ストレートに言ってしまいますが…そういった類のフードで、大していいフードをお見かけしたことがありません。。
フードのパッケージに自分の飼っている犬と同じ犬種の子が印字されていると、思わず手を伸ばしたくなる気持ちはわかります。それに実際に、犬種それぞれの特性による心配事があるのは事実です。
長毛種やカールした毛の犬種であれば被毛ケアが良い、小型犬であれば関節ケアが良い、被毛が薄い肌が弱い犬種であれば皮膚ケアが良いなど。それをわかった上で、トータル栄養価や原材料などを確認してみても、
他のフードの方がよっぽど良いな…
というものばかりです…。「日本で暮らすわんちゃんに適した」「お腹の弱い子に適した」「毛艶ケア用」などの表記も、どんな生活をしている子なのか、どういった原因からそういった症状が出ているのかは。愛犬の体質によって違いますもの。
犬種や特性にフォーカスしているからこそ、パッケージの文言に得してしまうものがあるかもしれませんが、しっかり原材料を確認してから買ってください。これまでご紹介した内容にかかる部分があれば買わないようにしましょう。
もしかしたら私の勉強不足で、○○犬用というフードでも素晴らしいものがあるのかもしれませんが、何種類ものドッグフードを見てきた限りでは、ろくなものがありません…。
マストではないけど気をつけたい!努力目標的なポイントとは?
これまでは避けてほしい内容をご紹介しましたが、ここからは、絶対とは言わないけど、できれば避ける方が良いかなという「努力目標」的な、フード選びのポイントをご紹介していきます。
努力目標とは言っていますが、私がご紹介・ご提案するフードは以下に該当するようなものは、なるべく避けていますし、あまり勧めることもありません。値段の制限から、致し方ない時であっても、気をつけたい点がある旨はお伝えするようにしています。
この辺りから少しマニアックなお話になってきますが、このポイントがわかれば、フード選びに困らずに済む知識でもあり、私のサービスが不要になるかもしれません(笑)そのくらいのコアな内容をご紹介していきます。
「加水分解たんぱく質」が入っているドッグフードは極力避ける
ドッグフードの原材料を見ていると、たまに見かける「加水分解たんぱく質」という言葉。いったいなにを意味するのかご存知でしょうか?以下のように、「たんぱく加水分解」という表記になることもあります。(以下は実際に販売されている、某有名フードです)
加水分解とは、塩酸や酵素(麹など)を使ってたんぱく質を分解して、そのたんぱく質の分子をアミノ酸レベルまで細かくする方法のこと。(たんぱく質はそもそもアミノ酸の塊です)
複数のアミノ酸が集結してできているたんぱく質を、それぞれのアミノ酸に分解することで、消化しやすくなること・アレルゲンが分解されることなどがメリットと言われています。(アレルギーはたんぱく質が原因で起こるとされているため、分子が小さくなるとリスクが下がる)
厳密にいえば、添加物のくくりには入りません
これだけ聞くと、メリットのように思うかもしれませんが、問題はその加水分解の製造工程で、発がん物質でもある「クロロプロパノール類」が発生することです。日本では容認されていますが、加水分解を禁止している国もあるほどで…。日本は海外に比べて規制が弱いんです…。
昨今の研究では少量であれば影響は与えないなどともいわれていますが、人間よりも小さな体の犬に、そもそも自然界になかった加工をしたものを与えるのは心配な面もあります。まして、100%絶対にリスクがないとも言い切れません。
こういった論議は、今までよかったのにある日急に研究結果が一転して、使用しない方がいいとなることもありますし…。それにアミノ酸を最小の分子に分解したことで、また別のリスクが生まれる可能性もゼロではありません。
なにが原料かわからない加水分解たんぱく質は避けよう!
なお、アレルギーがひどいわんちゃんの場合には、動物病院からアレルギーを緩和する目的の療法食を指定されることがあるのですが、中には加水分解たんぱく質が使用されているものもあると思います。その場合は、しっかり獣医師の指示に従って与えるようにしてください。
「加水分解たんぱく質」とインターネットサイトで調べると、メリットばかり書いていて、デメリットに一切触れていない記事があふれています。アレルギー対策になるという側面もありますが、そう良いことばかりではないということも知っておいた方がようでしょう。
加水分解たんぱく質を使用しておらず、アレルギー対策できるフードもたくさんありますので、相当な理由がないのであれば、できれば避ける方が良いかなというのが私の見解です。
原材料の品質!ヒューマングレードもしくは、それに等しい品質のもの
ヒューマングレードと言われる、人が口にできるレベルの質の原材料を使用しているフードを選ぶようにしましょう。ただし、ヒューマングレードという法的な規定・明確な基準などはなく、曖昧な部分もあるので見極めが必要です。
あくまで、ヒューマングレードであるか否かは、メーカーが勝手に決めていることでもあるので、言ったもん勝ちとでもいいましょうか…。ですので、本当に質がいいのかを確認するようにするとなおよしです。
たとえば、トレーサビリティ(HACCAPやISO22000)が整備されている、産地や仕入れ先の農家さんの情報などを公開しているなどであれば、嘘をつけませんので、それなりのしっかりした、正真正銘のヒューマングレードだからこそできることだと思います。
本物のヒューマングレードだね!
とはいえ、ヒューマングレードという言葉が曖昧な部分もあることから、メーカー自身もあえてヒューマングレードという言い方をしないケースもあるんですよね。
「品質には自信があり、人が食べれるレベルのものですが、ヒューマングレードであるということを推していません」というような説明書きがあって。(どっちやねんみたいな)その場合は、ほぼ、ヒューマングレードと同等という判断で良いと思います。
原材料の調達先・調達方法などを一切書いていないのは、少し気になる部分です。原材料がそれなりのクオリティーのものであることを確認してから、購入するようにしましょう。粗悪な質の原材料でできたフードは、犬が効率よく吸収できませんし、そもそもの栄養価も低いので。
並行輸入品よりは公式・正規代理店のドッグフードを選ぶようにする
並行輸入のフードを買うよりも、できれば正規品代理店から購入しましょう。
インターネットショッピングなので、フードを購入しようと思ったときに、「並行輸入品」と記載されているものがあるのをご存知でしょうか?
簡単にいえば、正規代理店を通さずに、海外から安く仕入れたものを転売している・せどりですね。正規ルートではないため、日本での本来の購入価格よりも安く買える傾向があります。
正規店じゃないってことは保証もないってことか
並行輸入であっても問題ないケースもあるのですが、言うまでもなく、メーカーの保証は受けられませんし、万一なにかあってもメーカーに相談することもできません。ひどい場合、偽物・賞味期限切れ、変色したフードなどが届く危険もあります。
そのため、もし並行輸入のフードを買うのであれば、販売実績がしっかりあって、信用できる販売元から購入するようにしましょう。
また、フリマサイトなどで、転売禁止のフードにもかかわらず、転売されていることも…。開封してしまっているなどの理由から、安く販売されているケースもありますが、中には高額で転売されているケースもあるので注意してください。
グレインフリー、もしくは穀物がたくさん使用されていないものを選ぶ
穀物については賛否ありますし、穀物を食べることで得られるメリットもあるのでマストではありませんが、あまりにたくさん穀物が使用されているフードはおすすめしません。
穀物にはミネラル・食物繊維・ビタミンなども豊富ではあるのですが、フードの灰分が高くなりすぎてお腹を壊してしまう子もいます。実際に、灰分が高いフードでお腹を壊しているわんちゃんのご相談を、これまでにも何回か受けている次第です。
消化しにくい成分も多いため、お腹の調子が不安定になってしまうのでしょう。とはいえ、お伝えしているように、絶対にグレインフリー(穀物不使用)である必要はありません。
小麦がダメな子は大麦もダメなケースがあります
2,3種類程度の穀物(米や黒米、ひえなど)であれば良いと思います。しかし、小麦がダメな子の場合は、化学構成が似ている大麦もダメなことが多いので、念のため大麦も避けておいた方がいいかもしれませんね。
ちなにみ、我が愛犬も穀物が苦手で、以前オートミールが入っているフードを食べて、お腹を壊しました…。アレルギーが多い子(心配な子)や、お腹が弱い子の場合は注意しておきましょう。
もちろん、アレルギーがなく、お腹も不安定になることがないような子であれば、グレインフリーを選ぶ必要はないと思います。愛犬の体質を見極めて与えるようにしておきたいところですね。
使用されているフード原材料(食材)の種類が多すぎるものは要注意
よく、「○種類もの食材を配合!」というような、たくさんの素材(ハーブや穀物も含め)を使用して作られたフードがありますが、個人的にはあまりおすすめしません。
ここでいう素材とは、ビタミン・ミネラルなどは除く、肉・魚・野菜・フルーツ・ハーブ・穀物などのこと。野菜やフルーツなどバランスよく配合されているのは良いことでもあるのですが、これまで見てきた中でも、ハーブや穀物が多いフードが合わない子も多くて…。
のお話しを聞いていると、共通しているのが、たくさんの食材が使用されているフードを食べている傾向が多いと感じました。
なにかしら嫌な理由があるのかも?
たくさんの食材を使用しているフードの良い面は、さまざまな食材から栄養をバランスよく取れることです。ただし、反面、万一食物アレルギーが出た時に、一体なにに反応が出ているのか確認するのが大変難しくなってしまいます。
犬って本能的に食べてはいけないものを判断することもあるのですが、不調は出ていなくても食いつきがよくない場合には、その子にとってなにかしら食べたくない要素があるのかもしれませんし、犬なりに「これは自分は食べない方がいい」と判断しているのかも…。
いくら丈夫でアレルギーが出にくい子であっても、それだけ原材料がたくさん入っていたら、いつなににアレルギーが出るかわかりません。無論、アレルギー体質の子には、不向きなフードですので避けるようにしましょう。
マグロ・カツオが主原料or多く配合されているフードは水銀が心配…
マグロやカツオは魚の中でも水銀含有量が高い魚に該当するので、個人的に愛犬にはあまり与えていません。そして、相談いただく方にも、あまりおすすめやご紹介もしないです。(おやつなどの軽い量なら全然いいと思いますよ♪)
マグロもかつおも、不飽和脂肪酸が多く、たんぱく質や鉄分が多いなどの良い面もありますが、個人的に小さな体のわんちゃんに、水銀を取らせるというのに抵抗があります。
これは本当に好みや考え方によって違ってくると思いますので、あくまで「個人の意見」ですが、いくら1日◯グラムまでなら問題ないと言われていようが、とんでもない量を毎日与えるわけでもないから大丈夫と言われようが、
でもね、水銀じゃないですか。。
って気持ちは否めません。愛犬の体の土台にもなるドッグフード。しかも主原料ともなると、率先して与える気にはなれなくて…。これは人によって考えは違うと思います。「そんなの気にしてたら食べるもんなくなるわ…」という人もいるかも知れません。
でも…考えてみてください。そんな水銀を摂取するリスクのないフードなんてたくさんありますよね。アレルギーなど致し方なく魚のフードを選ぶなら別ですが、同じ魚系のフードだとしても、マグロやカツオにこだわらなくても良いと思うんです。
犬という、人間よりも体格の小さい生き物(犬種にもよりますが…)に、あまり変な成分は摂取させたくない、体に負担がないか心配…という考えの方には、個人的にはおすすめはしません。
ドッグフードの評価サイト・ランキングサイトの情報を鵜呑みにしない!
自分の愛犬が食べているフードが、一般的にどんな評価をされているものなのか、心配になる気持ちもわかります。それに、そのフードにどんな効果があるのかも知りたいですよね。
さらに、ランキングサイトなどで上位にランクインしていたり、評価が高いものを与えられたりしていたら、安心感もあるかもしれません。
ですが、ドッグフードのランキングや評価・評判、ランクだけで愛犬に合うものにたどり着くのは至難の業です。
ネットの情報には嘘や情報操作もあります
もちろん、評価やランキング通りに愛犬に期待する効果が得られる可能性はゼロではありません。しかし、だからといって、本当に愛犬に合うかどうかわからない情報や、犬の知識のない人が書いた無責任な記事があるのは事実です。
そのサイトの情報を書いている人は、あなたの愛犬のなにをわかっている人なのでしょう?どんなランキングサイトを見ても必ず上位にランキングされていて、評価が高いフードもあると思います。断言しますが、そんな都合のいい・どの子にも合うフードなんてありません!
インターネットの情報ではなく、愛犬の体質をしっかり見てあげてください。犬の栄養学をわかってもいない人が書いたアフィリエイト目的の情報や記事、あなたのわんちゃんのことをわかっていない人の意見に振り回されないように注意してくださいね。
アレルギーや不調がある子は要注意!しっかり見極めて選ぼう!
今回は、避けたいものを詳しくご紹介してきました。裏を返せば、おすすめな選び方とほぼ同じになってしまうのですが、おすすめのドッグフードの選び方には記載されていない、細かい情報もお伝えできているのではないかと思います。
など、見ておきたポイントがたくさんあるのがおわかりいただけたでしょうか?
とはいえ、
これらをクリアしていて、愛犬に合うフードって結局どれ?
という方もいると思います。
そんな方はお気軽にお問い合わせください!ご相談・お問い合わせは無料ですし、簡単にアドバイスできることであれば料金はいただきません!
愛犬の健やかな食生活のためにできること、一緒に考えます♪
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