犬の良い飼い主とは?一番の理解者でありながらおごらない柔軟な思考

鳥飼の独り言

みなさん、「犬の良い飼い主」ってどんな人を思い浮かべますか?

  • 散歩にしっかり行ってあげている
  • 留守番時間を長くさせないようにしてあげている
  • ごはんに気を付けてあげる
  • 人間と共存するために、しつけルールに重きを置く

など、いろんな意見があると思います。愛犬のかわいがり方も、大事にする仕方も、なにがいいと思うのかは、各家庭・個人によって異なるものですし。

さらに、犬を飼っている方であれば、わが愛犬が一番かわいいと思うでしょうし(これは当たり前だと思います)、そんな愛しい存在にとって

良い飼い主でありたい

と思うと思います。実際にそうであるか否か・良い飼い主であるかの自信の有無に関係なく、そうありたい・そうしてあげられるといいなという思いだけでも良いので、そのように思う気持ちは誰しも少なからずあるのではないでしょうか?

しかし、犬を飼う上での、最低限のルール(各種予防接種を受ける、人に危害を加えない、虐待をしないなど)・動物愛護法などはあるにせよ、実際は「良い飼い主」の定義なんて、あるようでないものです。今回は、そんな壮大なテーマについて個人の考えをまとめてみました。

 

犬を飼う上で一番無駄なのものは「自負・自信とプライド」

はじめに簡潔にお伝えしますが、自分は(愛犬のみならず)犬のことを知っている・わかっていると思っている以上、飼い主としてはいいことではありません。(個人の意見です)犬を飼う上で一番いらないのは、そのプライドです。

むしろ、もっとできることがあるのかも?これで本当に合っているのだろうか?という、考えの余白を持っている人のほうがよっぽど良い飼い主かもしれません。

そもそも犬を飼うことに、人と張り合う必要はありません。ほかの人の犬の在り方・飼い方を強要するのも違います。自分のほうが犬の知識が多い、犬のこと知ってるというマウントに似たことを、心の中で思うのも、家庭内で言うのも自由ですが、外に出す必要はありません。

たまに人んちの犬に勝手にしつけしてくる人いるよね~

たとえ良心であっても、ほかの家庭の犬との関係に、第三者があれこれジャッジしたり、介入しようとしたりすることは、良いことだとは思いません。(※相手が助言を求め、相談してきたのであれば別です)各家庭によって、犬との関係のルールや考え方は異なります。

動物愛護にひっかかる行為でもなければ、だれも罰することができないのが日本の現状です。(愛護法違反でも、正しく対応・摘発できないことも多いかも…)良くも悪くも、よそはよそ、うちはうち。犬もその家庭に入れば、その家庭のルールのもとで暮らします。

動物虐待にあたる行為はあってはならないことですが、たとえそういった一発アウトな行為ではなくても、マイルドに愛犬を苦しめる飼い方をしている飼い主さんは、たくさんいるのではないでしょうか?それがまさに、自負やプライド、思い込みの強い飼い主さんです。

 

「愛犬の一番の理解者である」という誇りと過信による大きな代償

愛犬の一番の理解者が飼い主である必要はありますし、毎日一緒にいて、生活している飼い主さんが、日々、しっかり愛犬の観察・管理をしておくことは大事です。そのため、今回のテーマは言っていることと矛盾があるように感じる方もいるかもしれません。

しかし、間違えているかもしれない…知らないことがいっぱいあるのかもしれない…という目線を持っていることも極めて重要です。物事を多角的に見られているからこそ、こういった感覚が生まれます。

というのも、一番怖いのは、「自分は良い飼い主だ」「自分は愛犬を理解している」という自信やプライドが高い場合、見落としている事実の多さゆえの危険なことが多すぎるからです。そして、こういった自負は、多角的に考えていないからこそ生まれます。

犬はこうじゃないといけないという無意識の思い込みありませんか?

具体的にどういったことが、多角的に考えていないということなのか…。これは、実は本当に自問自答を冷静にできていないと、自覚できないのですが、

  • 犬種の特性でしばって考えている
  • この子はこういう子なのでという、含みを持たない思い込み
  • 犬はこうあるべき、良い子はこれができる子などの犬自体への決めつけ

などが該当します。

線引きがなかなか難しい面もあるのですが、犬種の特性として、知っておいたほうがいいこと・その子の特性やオリジナルとして考えて良いこと、犬の習性として知っておいたほうがいいこともある反面、そのせいと決めつけて愛犬のことを判断するのは極めて危険です。

犬も人間も個体差はありますよ、そりゃ…

たとえば、日本人は勤勉で和を協調する人が多い…ように思っても、そうじゃない日本人だっていますし、いてもいいじゃないですか?アメリカ人は陽気で人懐っこい…ように思えても、アメリカ人だって内気な人がいたって当たり前です。

犬でいえば、ゴールデンは優しくて頭が良いとされていますが、優しくできない子は異常ですか?しつけが悪いんでしょうか?ビーグルはよく吠えるといいますが、吠えない子はおかしいの?どんな犬種だろうが、一般的にいわれる特徴・特性に当てはまらない子はいます。

○○犬はこうだから、こうしないといけない・○○犬はこうだとお考えのかた。…本当にそうでしょうか?そうとは限らないかもしれませんよ?きっと、そのように考えている限り、愛犬のありのままをみることはできません。

まずはその色メガネを外してみませんか?

なぜなら、こうだからこうしないと・こうだからこうという色メガネで見ている限り、そのように見てしまうからです。人間は思いたいように物事を見ます。(もはや禅みたいな話になっていますが…)

その思いに縛られている限り、大事なものを見落としてしまう危険もあるという、多角的な視線を持つ気もないのでしょうし、自分がその危険の渦中にいることさえ気づけなくなってしまうので、重々注意しなければなりません。

「愛犬のこと、こう思ってたけど、そんなことはないのかも…」ということは誰にでも起こりえます。最悪の事態になって気づいても手遅れです。犬は自分の心に気づかせてくれる存在ということを忘れず、驕らないようにしておきましょう。

 

 

「犬はこうあるべき」「こうしないと」の思い込みが原因のNG行為

よくあることなので、実例として挙げてみたいと思います。

NGな飼い主の対応 多角的な考え方
犬同士のお友達が多いほうが犬も楽しい ほかの子と遊ぶのが苦手な子だっています
愛犬が嫌がるから歯磨きはしない 嫌がらずに歯磨きできるようにする
ドッグランにたくさん行って走らせないと! かえってストレスになる子もいる…
ドッグカフェでたまにはご褒美を♪ 本当に犬の健康のために良いこと?
ふだん留守が多いから休日に遊んであげる 急にたくさん遊ばれても迷惑
寒い時は洋服を着させないとね! 免疫が落ちたり皮膚炎になったりもある
暑い日は冷たいものを食べて体を冷やそう 体が冷えるものを食べるとお腹を壊すことも…

よく見てみると、NGな飼い主の発想は、犬にとっていいというよりも、「飼い主さんがそうしたい」と思っているだけのことばかりです。犬は本当にそれを喜んでいるのか?ということよりも、飼い主さんがそうしたいだけではないでしょうか。

ぼくはそんなこと望んでいない!!

犬は友達が多いほうがいい、一緒におでかけして楽しめるようにしたいなどは、特にありがちなことです。しかし、それを楽しめない子にとっては、強要をされたらもはや地獄です。喜んでいるように見ているのは飼い主側だけで、実は犬は楽しくないかもしれませんよ?

「犬がしっぽを振っている=喜んでいる」というのは間違いではありませんが、しっぽの振り方によっては、警戒や威嚇といった真逆の意思を表しているときがあります。それを知らないで、喜んでいると勘違いしている方は実際多いもので…。

そのような場合には、もう少し犬について学ぶ必要があるかもしれません。そのサインにも気づかず、

うちの子○○が好きなの~

と本気で思っているケースも少なくありません。

逆もしかりで、愛犬が飼い主さんの思っているようにならないことについて、悩んでいる方も多いのではないでしょうか?うちの子はほかの子とうまく遊べない…ドッグランでお友達を上手に作れない…暑い日に体を冷やさせたいのに、冷たいものを摂取しようとしない…など…。

そんなふうに、犬はこうあるべき・こうしたほうがいい・これが当たり前…という無意識な思い込みや、自分の思う犬の有り様でないことに不安になっていないでしょうか?そう思うのは、愛犬のことを見ているのではなく、自分の感情だけで愛犬を評価しているからではないでしょうか。

 

 

犬に詳しいと自慢げに話す飼い主・それを鵜吞みにしてしまう飼い主

自身の犬の飼育経験から、学ぶことはたくさんあると思います。ただ、繰り返しですが、その経験はあくまで「その子の場合」の経験であって、どんな犬にも通用するとは限りません。

しかし、その個人の考え・経験を、あたかも自分は一番犬のことを知っているかのように、ほかの犬とも(犬の飼い主)に話す人もいますし、それを鵜呑みにしてしまう方もいます。犬の飼育経験が長い方と、犬をはじめて飼う方の会話には、特にこの現象は起きやすいかもしれません。

遠くの専門家よりも近くの友達…とでもいうのでしょうか。人に話すも、その話を鵜吞みにするも個人の自由ですが、そういった軽い判断が、愛犬を苦しめることもあることを知っておく必要はあります。

犬とも…マジで注意してください!

逆に、遠くの専門家でもある獣医と相性が合わないケースや、獣医でも病気を見落とされたなんて話もあって…。ですので、セカンドオピニオンや、飼い主さんの知識も必要です。とはいえやはり、飼い主の独自の思い込みで、判断・決めつけて考えるのはおすすめしません。

犬を飼っている人同士の会話でも「そうとは限らないよね?」「それは違う…」と言いたくなる情報も飛び交っています。同犬種のオフ会などは、誤認識の拡散会のようなものです。犬種オフ会や犬友がダメとかではなく、あてにしていい話とそうでない話を見分けてください。

クチコミやレビュー、宣伝のために良いように書かれた記事など、情報が多すぎる中で、それらを疑いもせず信じてませんか?情報に振り回されていては、自分の知識にはなりませんし、それでわかった気になるほど危険なことはありません。

 

 

飼い主の思い込みは愛犬を一番苦しめる「間違った愛情表現」です

人間も何年も何十年も一緒にいようが、生活を共にしていようが、相手のすべてを理解することなんて不可能です。まして犬は、話して感情を伝えることもできません。なにが正解かは、その子のみぞ知る…。だから、ネットでいくら調べても正解なんて見当たらないのです。

さらに、犬の習性として痛みなどの弱みを隠そうとすることもあるので、注意深く見ていたとしても、100%理解することは不可能です。もちろん、痛みは一切隠さないでアピールする子もいるでしょうが。(※100%犬としての生態上、立証されていることは除く)

愛情表現なんて、家庭によって違うのは当たり前ですし、まして、その愛情表現を愛犬も喜んでいるのかはわかりませんよね?犬にサングラスを付けさせている飼い主さん。紫外線から目を守るための愛情と思っていたとしても、犬からしたらただの有難迷惑かもしれませんよ?

ほんとは嫌だけどじっとしてるだけなの…

なのに、自分は一番愛犬のことをわかっている、犬のことを理解しているという自信があるのは、もはや、自分の間違いに気づく余地がないということではないでしょうか。

それもこれも、情報が多すぎる世の中で、人間が自分から学ぶことをせず、インスタントにネットで調べて、解決するツールを使用しているからなのかもしれません。それでわかった気になっているだけってことはありませんか?

逆に、いろーーーんなことを学んで、いろんなケースがある、いろんな子がいる、いろんな対処法や原因があるということなど、犬に関する情報の引き出しをたくさん持っておいて、知っている情報に磨きをかけて、その中で愛犬を見てあげられることが一番の愛情じゃないでしょうか。

 

 

「自信」と「驕り(おごり)」は表裏一体!似て非なるもの

基本的には、愛犬を一生涯面倒をみる覚悟があって、ちゃんと犬との信頼ができていて、ちゃんと食べられていて、犬としても必要な運動もできていて、必要な時に適宜病院に行けていたら、それでとりあえずはOK、最低限はクリアだと思います。

中にはそれすらできていない飼い主もいるのかもしれません。でも、もちろん、それだけが良い飼い主ということではない面はあって…たとえば、

  • 信頼関係があったとしても、栄養価の低いドッグフードしか与えていない
  • 良いフードを食べているけど、留守番が多すぎてひとりの時間が長すぎる
  • なにかあったら病院にいくようにはしていても、信頼関係はできていない
  • 関係はよくても、犬の車の乗せ方散歩のマナーがなっていない

など、すべての条件がパーフェクト・100点ではない人もいます。犬と本人はよくても、周りへの配慮がない飼い主も多いものです…。そんな人を、良い飼い主と言っていいのかは、どうなんでしょうか?

従順性の高い性格の子は、本能を抑えているだけかも…

ふだん8時間も9時間もひとりで留守番をしているわんこの場合、飼い主の休みに思いっきり遊ばせてあげていたとしても、犬からしたらいい迷惑と思っていることだってあります。それで穴埋めをしていると思っているのは飼い主さんだけです。

結局は、犬としての本能を満たし、その子のありのままを満たしてあげられて、変な知識・思い込みなどの色メガネを外して、その子に合う生活を送らせてあげられるようにすることが良い飼い主ということなのではないでしょうか。

自分の間違えた愛情を、愛犬に押し付けていませんか?その愛情はまちがっていないでしょうか。すべての正解を知るのは愛犬です。情報に振り回されているなら、犬から冷静にものごとをみて判断する心を教えてもらってください。犬はそういう大事なことを教えてくれる存在です。

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