愛犬の口臭や歯石・歯垢が気になる…スケーリング以外にできることはある?

ドッグフードの知識・選び方

愛犬の歯磨き(ブラッシング)に苦戦している飼い主さんは多いものです。たとえ歯磨きを毎日していたとしても、うまく磨けておらず、歯石が付いてしまっているケースも少なくありません。

今回は、愛犬のおくちのケアの重要性や、ケア方法・対策について考えていきます。

なお、いろいろ書いてありますが、犬の個体差もありますし、愛犬の体質に合うやり方を教えてほしい・相談したいという方は、お気軽にお問い合わせください。( 当サイトのアドバイスは有料です。無料で相談に回答するものではありません。)

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犬が嫌がるから…させてくれないから…と歯磨きをしないのはダメ

これまで、犬の歯磨きをしていない(実際は、やらないといけないとわかっているけど、できない)という飼い主さんを、数多く見てきました。しかし、本来歯磨きは「しない」という選択肢はなく、「する」の一択です。

にもかかわらず、歯磨きをしていないのには、

  • 口周りを触ると逃げて歯磨きをさせてくれない…
  • 吠えたり噛んだりして、嫌がってしまうので歯磨きができない…
  • 唸ったり吠えたりするので怖くてできない…
  • 嫌がることをして、愛犬にストレスをかけたくない…

などの理由が多く、中には、ただ忘れていた面倒くさいからという人もいます。

歯磨きしてないのに獣医から歯がキレイと褒められた!きっと歯が丈夫なんだ

という、とんちんかんな解釈をして、一切歯磨きをしていないという方もいました。食後に水を飲む・唾液の出がいい・健康的な腸の働きがあるなど、諸条件はあるにせよ…(なかなかのツワモノ…)

ただ、もしかしたら、ブラッシングをできていないことで、歯磨きをしてないという自覚があるなら、いいほうなのかもしれません。

というのも、

  • 歯磨きパウダーを食べているから大丈夫
  • 歯磨きガムを食べているから、歯磨きをしているのと同じ
  • ブラシはしなくても、歯磨きペーストを食べているから問題ない

なんて、間違った解釈をしている飼い主さんもいるから。

そういった類のアイテムを販売しているメーカーのサイトを見ていると、あたかもそれさえ与えていたらいい・ブラッシングは不要かのような書き方をしているものも多いです。

メーカーの売り文句は注意して見たほうがいいです

実際は、歯磨きパウダーや歯磨きふりかけ、歯磨きペースト、歯磨きガムなどを与えるだけでは歯磨きをしているとはいえません。1にも2にも、歯間や歯茎についた食べかすを取り、菌の繁殖を防ぐために歯を磨くことが大事です。パウダーなどはあくまで、補助アイテムにすぎません。

もう、できない・しないという選択肢はなく、するしかないので、できないならできるようにする必要があります。頻度は1日1回が理想です。

今は大丈夫だと思っていても、日々蓄積されていく歯石。それを防ぐためには、日々のケアしかありません。気づいた時には歯石が原因の病気に発展してしまいます。日々の歯磨きの怠りが原因で、愛犬を苦しめてしまわないよう、やるしかないのです。

 

 

歯磨きパウダーやなめるだけのペーストでは歯磨きにはならない!

歯磨きサプリだの歯磨きパウダー、歯磨きジェル、歯磨きウォーター、なめるだけのペーストなどのアイテムは、口臭程度であれば効果は期待できます。ただ、歯磨き(ブラッシング)そのものをしていない子にとっては、気休めの予防策だと思ってください。無駄とまではいいませんが…。

そもそもそういうアイテムは、原則「歯磨き・ブラッシングをする」前提になっています。ブラッシングをしたらなどの条件がありませんか?調べた限りでは、「歯垢除去作用※ブラッシング効果による」などの摘要があるアイテムが多かったです。

歯ブラシ要らずなどの表記があったとしても、備考欄の小さな文字や、薄い色で書かれた注意書きを確認してみてください。

よくもまあ、こんな人間の心理をついた商品が出回るもんだ

結局、その手のアイテムは、歯周病菌の繁殖の予防や口臭の軽減、整腸作用のあるアイテムが多く(腸内環境と口腔内の環境は密接に関係しているため)、直接歯石・歯垢にアプローチして分解・取る・落とすなどの効果が期待できるものではありません。あくまで悪化を防ぐものです。

その前に、歯石がつくメカニズムを知っていたら、こんなもので歯石が根本的に防げるわけがないと気づけます。

犬の歯石とは、歯垢(しこう)=食べかすや細菌のかたまりが、唾液中のミネラルによって固まったものです。歯石は歯に強く付着し、ブラッシングでは取れません。
その表面にさらに細菌が繁殖していくため、歯周病の温床となります。
犬の歯石は人よりも早く形成され、約3〜5日で歯垢が歯石に変化します。そのため、日々のケアを怠るとすぐに固まり、悪化してしまうのです。

引用元:はやし犬・猫病院

上記の獣医師の記事にもあるように、歯石は歯についたカスや細菌が石化して、歯に付着したものであって、歯垢が固まって歯石になる前に、原因となるものを落とすしかありません。(3~5日というのはあくまで目安。腸内環境や口腔内環境、食べているものによっても前後します。)

とにかく、付いたら取る、それしかない!

歯についた食べかすや細菌を取り除くには、結局、歯を磨く(ブラッシング)が一番。

歯磨きサプリだのパウダー、ジェル、ペースト、歯磨きウォーター、なめるだけのペーストなどは、ついた菌の繁殖を和らげるためのもので、歯についたものを溶かすわけでも、なかったことにするわけでもありません。

ほかの動物病院の獣医も、以下のように言っています。

サプリメントは歯石そのものを除去する作用はありませんが、

  • 歯垢の付着を抑える
  • 口腔内環境を整える
  • 細菌の増殖を抑える

といった予防効果があり、歯磨きと併用して使用すると有効です。

引用元:武蔵小山どうぶつ病院

 「歯磨きと併用することで有効」「サプリで歯垢を除去することはできない」と明記してあるとおり、歯自体を磨いたうえで、プラスアルファのアイテムとして、プラーク(歯垢:歯石の前段階)の石化予防のための使用であれば有効ということです。

歯を直接磨くことが大事

歯磨きシートで拭く・ブラッシングをするなど、まずは歯そのものを磨きましょう。歯磨きをしないで、歯磨き効果が得られるような便利なものがあって、それで歯がキレイになったら、世の中の犬、ほとんど歯周病にもなっていないのではないでしょうか。

それに、少なからず、現時点ではついてしまった歯垢を取るには、スケーリングで対処するしかありません。ちなみに、歯磨き関連アイテムを調べていたら、犬にとって有害なキシリトール配合のものまでありましたし、さらに、そのアイテムを推奨しているサイトまでありました。

キシリトール中毒は、摂取量にもよるとは言われていますが、そんな中毒を起こすリスクがあるものを、大事な愛犬の歯磨きのためだといって、毎日与えていたいですか?飼い主さんは、くれぐれもそんな情報に惑わされないでください。

 

 

ついてしまった歯石を取るには?スケーリング以外になにかある?

これまでのお話からもわかるように、すでについてしまっている歯石は、病院でのスケーリングでしか取ることはできません。

スケーリングは全身麻酔を使用し、レントゲンや拡大鏡を使用しながら、目視ではわからない歯周ポケットなどの歯周病菌や汚れも落としていきます。全身麻酔という手前、年齢をかさねている子や、健康に心配がある子の場合、簡単には受ける決断ができない方も多いです。

そのため、歯磨きできなきゃ、獣医にスケーリングをお願いしたらいいやなんて話ではありません。費用もかさむし、愛犬に全身麻酔の負担をかけることになりますからね。

毎日やっていればこんなことにならなかったのに…

なお、自宅でできる歯石取りアイテムもネットでは販売されていますが、歯や歯茎を傷つけてしまったり、その傷から菌が入ってしまったりしてしまう危険があるので、ホームケアでの対策はおすすめできません。

そんなもので対処ができるのであれば、そもそも歯石なんてついていないでしょうしね…。

歯石に気づいた時点・歯のケアに心配がある時点で、早めにかかりつけ獣医にご相談ください。対処が早いほど、麻酔量も施術時間も少なく済み、愛犬の体への負担も軽減できますよ。

 

 

歯石・歯磨きができないことで、愛犬の身に起こるトラブルとは?

以前の記事にも記載しましたが、このお話をする上で大事なことなので、今一度ご紹介しておきます。

歯磨き不足による、代表的な病気は歯周病です。一説では成犬の7~8割は歯周病になっているともいわれており、どんな犬種でも非常にかかりやすいものという認識でいたほうがよいでしょう。

毎日ちゃんと歯磨きをしている子であっても、いざ獣医が見たら、歯石が付いていて軽度な歯肉炎になっているケースは多いもの。毎日歯磨きをしていたとしても、磨ききれていないことが多々あります。それくらい、歯磨きって難しいのですよね…。

がんばってやってきたつもりなのに。。

そして、歯周病が進行していくと、ただただ歯石が蓄積していくだけではなく、

  • 口臭がひどくなる
  • 歯茎から出血がある
  • 歯肉が赤くなる、腫れる
  • 歯がぐらぐらする、抜ける
  • 菌が回って顔(目の下)が腫れる
  • 痛くて食べられなくなる、うまく食べられない、こぼす
  • 菌が血液に入って内臓疾患に発展する
  • 鼻周りのトラブル(くしゃみ、鼻水、膿、鼻血など)
  • マズルの骨がもろくなり、折れる

など、結果、体重が減ったり、たべたいのに食べられなくなったりと、命に係わるトラブルに発展してしまう危険があります。

たかが歯磨きですが、健康に暮らしていくには、食べられる健康ありきなんですね。今では、犬にも虫歯があります。「犬の歯にそんな心配しなくても大丈夫だ」なんて言ってられませんよね。

 

 

自宅での愛犬の歯磨きのポイント・コツをマスターしておこう!

歯磨きといっても、ただただ歯を磨いていたら(ブラッシングをしていたら)良いというわけではありません。歯磨きにはポイントがあります。

はじめに、そのポイントをお伝えしますと、

  • 無理に嫌がることをせず、毎日、少しずつ慣れさせていく。
  • 要注意したい歯のエリアを把握し、そこをしっかり磨けるように意識する

この2点のみです。

とにかく、根気よく、気長に愛犬が歯磨きに慣れるようにすることが大事で、はじめからブラシを使用して挫折している方が多いように思いますが、はじめからブラシを使って磨こうとする必要はありません。また、嫌がっていたとしても、とにかく「毎日」練習あるのみです。

嫌がらずにできるようにする工夫をしよう!

はじめからブラシを口に入れてゴシゴシしようとしたり、マズルを掴もうとしたりするのは、犬からしたら不快極まりないやり方なので、歯磨きをさせてくれない・嫌がるのも無理はありません。まず最初は飼い主さんがお口周りを触る・犬は触られる練習です。

5秒でも良いので、まずは触られることに慣れさせていきましょう。慣れてきたら10秒、15秒、30秒と触る時間を長くしていきます。お口周りを触られることに慣れてきたら、今度は歯に指をあてる練習です。同じく5秒、10秒と歯に指をあてる練習、奥歯も触る練習をしてみましょう。

それにも慣れたら、いよいよブラシです。これもブラシを歯にあてる練習からで構いません。無理にゴシゴシしようとしないで、ブラシに慣れていけたらOK!これも5秒、10秒とブラシをあてる時間を長くしていきましょう。

時間をかけて、慣れさせていくのみです

このようにして、「嫌がるからしない」ではなく、嫌がらないように、リラックスしながらできるよう、飼い主さんがトレーニングしていってあげるしかありません。まれに、元から口にブラシを入れても抵抗すらしない子もいますが(笑)そんな子は少ないです。

パピー期からこのトレーニングはしておいたほうが順応もしやすいので、愛犬が若いうちから歯磨きトレーニングはやっておくことをお勧めします。噛まれるのが怖い、うなるから、嫌がるから…ではなく、やるしかありません。

ただ、こういってしまうと、パピー期を越えている、ある程度の歳を重ねた犬を飼っている方から

ある程度の年齢だし、もう歯磨きなんてムリ

という声が出てきます。が…それは詭弁にすぎません。何歳だろうが、歯磨きトレーニングはできます。年齢的に無理というのは、本気ではやる気がない人から出る言い訳です。(厳しいこと言ってます)

シニア期~ハイシニア世代になると、嫌がる歯磨きを無理にさせることで、ストレスになる可能性もありますが、お伝えしているように、嫌がらないように慣れさせるのがトレーニングですから。とにかく、諦めずにやってみてください。

また、ブラシを口に入れて磨けるようになったら、犬の歯の歯垢が溜まりやすいポイントをしっておくと、効率のいい歯磨きをすることができます。以下の写真の赤い丸で囲った部分を確認してみてください。

一番おさえておきたいのが、奥のほうにある上の歯(上顎第4前臼歯:じょうがくだいよんぜんきゅうし)と、その歯の噛み合わせになっている下顎の歯(第1後臼歯:だいいちこうきゅうし)です。

ここの上下の歯は、ものを噛むときに一番使う大事な歯でもあり、その分、歯垢・歯石もたまりやすくなっています。この上下の歯は、必ず磨くようにしましょう。表からも裏からも磨くことをお勧めします。

次いで、犬歯も大きな歯で、上部(歯茎の付け根)に食べかすや菌が集まりやすい場所です。こちらも忘れずに磨くようにしてください。歯磨きは1日1回、万一、忘れていたとしても、プラークが石化する前、つまり、3日に1回はするようにしましょう。

 

 

まずは日々の歯磨きを練習から!できないではなく、「する」一択

繰り返しになりますが、結局、歯のケアの一番はブラッシングです。

そして、ブラッシングでは行き届かないところのケアのために、歯磨きシートや歯磨きクロスなどを使いましょう。それができている上での、プラスアルファのケアとしての、歯磨きサプリや歯磨きジェルなどであればありです。

くれぐれも、そういったアイテムを使っているから歯の健康は大丈夫だなんて思わないでください。そして、

嫌がるブラッシングをするほうが、犬にストレスを与える

など言い訳をする前に、まず嫌がらずにできるようにトレーニングをしてあげましょう。無理やりやろうとするのではなく、日々練習しかありません。日々の歯磨きの練習と、愛犬に麻酔をかけるという命をかけた対処と、どちらのほうが愛犬に負担がないか…。

それを放棄しておいて、できない・させてくれない・嫌がる・犬にストレスを与えるだけなどというのはどうでしょう?やらないといけないということを、本気で理解していたら、やらない選択肢はないはずです。どこかで、「やらなくてもいいや」という気持ちがあるのではないでしょうか。

大事な愛犬の生涯の健康のために、かいわいいからこそ、飼い主さんが頑張って、嫌がらずに歯磨きをできるようにゆっくりトレーニングを重ねてあげましょう。

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