ドッグフードをふやかすのはいつまで?パピー期まで?成犬には不向き?

ドッグフードの知識・選び方

パピーの頃は、ドッグフードをふやかして与えるようにブリーダーさんやペットショップから言われたことがある方は多いのではないでしょうか?ある程度の月齢になってから、ドライフードに切り替えていった方も多いと思います。

一部、そういった説明もしていない販売元・パピーに平気で硬いフードを与えている販売元もあるようですが…。(それはまた別の話なので、今回はカットします)

ただ、ドライフードをふやかして与えるのは、パピーの時だけなのでしょうか?実際、パピーにしか与えてはいけないと思っている方もいるようです。成犬には与えてはいけないのでしょうか。

ふやかしたフードはパピーフードじゃないの

そもそも、なぜパピーにはフードをふやかして与えるようにいわれるのか、正しく理解しているでしょうか?「そう言われたからやっているだけ」という方もいるかもしれませんが、実はフードをふやかすことについては、正しく理解しているほうが今後の愛犬のためにもなります。

そこで今回は、

  • ドッグフードふやかして与えることの意味
  • ドッグフードをふやかすメリットとデメリット
  • 成犬になってもふやかしていたら、いけないことはあるのか?

などにフォーカスしてみました。上手に愛犬と付き合っていけるよう、正しい知識をつけていきましょう!

なお、いろいろ書いてありますが、犬の個体差もありますし、愛犬の体質に合うものを教えてほしい・相談したいという方は、お気軽にお問い合わせくださいね!

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ドッグフードをふやかして与えるのはパピー期だけ?適正年齢とは?

まず、さきに結論からお伝えしますが、ふやかしたドッグフードを与える年齢には制限はありません。逆にいうと、パピーだろうが、成犬であろうが、シニア犬であろうが、どのライフステージのわんちゃんでも、ふやかして食べてOKです!

元気で食欲も旺盛なわんちゃんは、ドライフードもむしゃむしゃ食べているような印象がありますし、ふやかしたフードの見た目のイメージ的にも、

  • パピーが食べるもの
  • 不調がある時に食べるもの
  • シニアになって歯や胃腸が弱った子が食べるもの

という印象がある方も多いと思います。

たしかに、その認識も正解ですが、だからといって別に、不調もなくいたって元気な成犬が食べてもいいんですよ。

 

そもそもなぜパピーにドライフードをふやかして与える必要があるの?

そもそも、なぜパピーにふやかしたフードを与える必要があるのでしょう?その理由は、いくつかあります。やんわりとその方が良いというような理由ではなく、しかるべく理由があるのです。

たとえば…

  • 歯や歯茎がしっかりとしておらず、フードを噛む力がないから
  • 胃腸もまだまだ不安定で丈夫ではないので、消化の負担を軽減するため
  • 歯が生え変わる頃に硬いフードを食べていると、歯が折れてしまったり、歯茎の痛みの原因になってしまうため

などがあります。

もちろん、パピーのうちでも硬いふやかしてもいないフードをパクパク食べていて、何も問題がなかったという子もいますし、フードなんて噛むことなく、いつも丸飲みしているよというパピーもいることでしょう。

問題なかったのは、たまたまなだけかも…

でも、それで問題なかったのは、たまたまかもしれません。あるいは、その子が丈夫なだけだったのかもですし。なんの問題もなくそのまま成長できる子もいるのですが、なにかあってからではいけません。

たとえば、歯が折れてしまって永久歯の生え変わりに支障が出ることもあります(その場合は入院して抜歯することになります)し、歯が生え変わり出す4ヶ月頃からは、歯茎もムズムズして不快に感じる時期ですので、硬いものを食べると違和感があって食べたがらなくなることもあります。

消化器官も発達中の月齢で、まだ丈夫になっていない不安定な時期なので、硬いものを食べることで胃腸に負担がかかり、お腹を壊してしまう子もゼロではありません。謎の下痢が続いたり、便が硬かったり、ころころしていたりするのは、消火器の負担のせいの可能性があります。

硬いものを急いで食べたら、誤嚥の危険も…。

本当にさまざまな危険があるので、原則的には、乳歯が抜けて永久歯になってしっかり歯がすべて生えそろって安定する、おおよそ生後6ヶ月頃までは、硬いフードを与えるのは避けた方がよいでしょう。

しかし、乳歯が生えそろった生後3カ月あたり、ふやかしていなドライフードにしてもいいと伝えているサイトなどもあります。絶対的にダメということではないのですが、お伝えしたように、歯の生え変わり時期には食べ方が変わるので、注意してみておいてあげてください。

ただ、絶対的にいえるのは、乳歯すら生えそろっていない3ヶ月にも満たない子には、ドライのままのフードは与えないということです。危険なので、やめてあげましょう。

実際にそういうブリーダーさんもいます…。

もし、ブリーダーのもとやペットショップなどで、ふやかしてもいないドライフードを与えられていたとしても…たとえ、ふやかすような説明を受けていないくても、迎え入れてからはふやかして与えてあげるようにしましょう。

「迎え入れる前の飼われていた状況の、マネをしておけばとりあえず間違いない!」と思う方も多いと思います。でも、ブリーダーやペットショップの店員さんのいうことが絶対ではありません。

以下の記事にも記載してありますが、どの考えを取り入れるのかは、飼い主さん・そのご家庭の考え次第ですし、自由です。ただし、「ブリーダーがいってたから」「ペットショップで言われたから」というのではなく、理にかなった意見で、納得のいくものを選んでくださいね。

 

 

ドッグフード(ドライフード)をふやかして与えるメリットとは?

ドライフードをふやかして与えるのは、パピーにうれしいメリットがあるのはもちろんですが、ほかにも成犬にもうれしいメリットはたくさんあります。

あまりに多いので、箇条書きにしてご紹介してみましょう。

  • 消化器官の負担を軽減できる
  • 早食いをしてしまっても誤嚥のリスクが減る
  • ふやかすことにより、フードの粒のサイズを気にしないでいい
  • 香りが立ちやすくなり、食欲をそそることができる
  • 歯や歯茎、口腔内のトラブルがあっても食べやすい(噛む力が弱いなど)
  • 水分を取りたがらない子の場合、フードから水分を摂取させることができる
  • ふやかすことでフードが膨張して満腹感が増す

などがあります。

内容からもおわかりいただけると思いますが、別に、パピーじゃなくてもありがたいメリットがたくさんあるのがおわかりいただけるのではないでしょうか?

思った以上にたくさんのメリットがあります。

胃腸が丈夫になった成犬であっても、ふやかしたフードを食べることによって、胃腸を休ませる効果もありますので、健康で不調がない子であっても定期的にふやかしたフードを与えるのは大変いいことだと思います。

また、たまにふやかしたフードを与えることで、いつもと同じフードにも関わらず食感にも変化が出てて、食に対する興味をキープさせる効果も期待できるのです。水分を含ませることで、水分摂取をさせられますし、歯や歯茎の不調や口腔内のできものがある時にも、食べやすくなります。

それに、ふやかすことでこのように、フードの香りが立ちやすくなるので、食欲がない・食いつきが悪い時には、ふやかして与えてみるのもひとつです。このように、愛犬の食生活に上手に取り入れていけば、健康維持にも有効に働いてくれますよ。

 

 

ドッグフードをふやかして与えたほうが良い場合もある

ドライのままのフードを与えるよりも、ふやかして与えた方が良い子もいます。パピーはもちろんですが、ふやかしたフードのメリットを取り入れた方が良いケース・ふやかすことで不調が改善されるケースなどもあるのです。

具体的に、どんな子にふやかしてあたえるのが良いかといいますと…

パピー
  • 歯が生えそろっておらず、歯や歯茎の負担を軽減できる
  • 消火器がまだ未熟なので負担を軽減できる
お腹が不安定な子 消火器の負担を軽減できる
ダイエット中の子 ふやかして膨張することで、給餌量を減らしても満腹感が出る
シニア犬・老犬
  • 消火器が弱ってきている年代なので、消火器のケアに
  • 歯や歯茎、噛む力も弱っているので食べやすい
  • 水分摂取量が減るので、フードから摂取できる
  • 食欲が落ちてくるころなので、香りが立ちやすいふやかしたフードは最適
水をあまり飲まない子 フードを食べながら、水分を取らせることができる
食欲がない子 フードをふやかすことで香りが立ちやすくなり、食欲をそそる
早食い癖がある子 急いで食べても喉に詰まらせるリスクが軽減できる
病後や術後の子 いきなり硬いものを食べる体力がないので、食べやすくなる
超小型犬
  • 噛む力が弱く、咀嚼が多くなるとすぐにお腹がいっぱいになってしまう子にとっては食べやすい
  • 口が小さくフードの粒のサイズが合うものがなくても、ふやかしたらサイズに関係なく食べられる

などがあります。超小型犬の子で、粒のサイズが小さくないと食べられない子にとっては、ふやかすことで、食べられるフードの種類が増えるのは、ありがたい面もあるのでしょうか?

結構いろんなシーンでメリットがあるんだね!

上記は犬のライフステージや、不調・改善したいことがある時の内容をメインにお伝えしていますが、これまでのお話にもあったように、たとえ不調が現時点はない子であっても、愛犬の胃腸を休ませる時間を作るために、意図的にふやかしたフードを与えたっていいんです♪

一説によると、消化の負担が少ない方が、長生きするなんて話があります。胃腸は食べるたびに働いている臓器ですから、時には負担の少ないものにしてあげることで、胃腸を労わる食事にしてあげるのだってありです♪

もふやかすのが面倒であれば、ウェットフードをたまに与えるのでも構いません。正しくふやかして与えれば、愛犬の健やかな生活に貢献してくれるので、ぜひ取り入れてみてくださいね。

 

 

ドッグフード(ドライフード)をふやかして与えるデメリットとは?

ものごとにはメリットがあればデメリットもあるもので、ドライフードをふやかして与えることにはデメリットもあります。メリットとデメリットを天秤にかけて、どちらを取るかの判断が重要ですので、デメリットについてもしっかり学んでおきましょう。

デメリットについても同じく、箇条書きでご説明してます。

  • ふやかす手間がめんどくさい
  • ふやかして時間が経ってしまうと菌が繁殖するリスクがある
  • ふやかし方を間違えるとフードの栄養を損ねてしまうことがある
  • ふやかしたフードを食べると、歯につきやすくより念入りな歯みがきが必要
  • 噛む力が弱くなってしまう、あごの発達が衰える

一番気になるのは菌の繁殖と栄養が壊れてしまうことです。

食事によって不調になるなんて嫌だもんね

水分を含んだフードは、雑菌が繁殖しやすくなってしまうので、長時間おいておくようなことはできません。フードボウル(愛犬の食器)も常に清潔にして、菌が繁殖しないうちに早めに食べきるようにしてください。

また、フードのふやかし方は追って詳しくご紹介しますが、少し温かいお湯でふやかすのが良いのですが、熱すぎるお湯をかけてしまうと、熱に弱い栄養成分が壊れてしまうことがあります。

熱いお湯の方が早くふやかせるのですが、栄養が落ちては元も子もありませんよね。そのため熱すぎないお湯で、20~30分ほどかけてふやかしていく必要があるのですが、食べる時間から逆算して、準備をしておかなければならないのは、正直いって、手間です…。

ふやけるまで愛犬は待ち続けないといけないのか…

お散歩に行く前にふやかしはじめて、帰ってきたらふやけている状態になっているのが一番効率は良いかなと思いますが、2,30分以上の散歩が必要な犬種もいますよね。散歩中にお友達にあって、思いのほか遅くなってしまったら…その時は菌の繁殖が心配です。

ご家族で協力してベストなタイミングで、愛犬に給餌できればいいのでしょうが…。ほかにも、柔らかいフードゆえに、歯に詰まりやすいので歯みがきはしっかりしていきたいところです。(ふやかしていなくても、1日1回の歯みがきが理想ですが)

また、若いうちからふやかしたフードばかり食べていたら、あごや歯茎の発達が進まなかったり、逆に衰えるのが早かったりする原因にもなりかねません。このように、無理してまで毎回ふやかして与える必要はないので、メリハリをつけて与えていけるといいですね。

 

 

ドッグフードをふやかして与えない方がいいのはどういうとき?

上記のデメリットから、ふやかしたフードを与えない方が良い子、あるいは、生活環境的に、負担にしかならないご家庭もあります。

どんな状況のわんちゃん・ご家庭にはおすすめしないのかといいますと…

  • すでに歯周病が進行している子
  • 忙しくてフードをふやかす時間の管理が難しいご家庭
  • 歯みがきをあまりしていないわんちゃん(できればした方がいいですが)

などでしょうか。

嫌がるから歯みがきはやらないというのはよくないですよ~。

実は、デメリットとはいっても、菌の繁殖をしないようにできて、歯をしっかり磨いて(これは本来しておくべきことなので、普通に歯みがきができているご家庭であれば、デメリットにはなりません)、正しくふやかせていたら、そんなにデメリットになるわけではないんです。

共働きやふやかす時間のコントロールができない生活リズムの方であれば、なかなか簡単にできることではありませんが…。

苦痛に感じてまですることでもないとは思いますので、無理する必要はありませんが、気を付ける点さえ守れば、そんなにデメリットになることではないとも思いますよ。

 

【結論・総括】ドライフードをふやかして与えることの是非とは?

こうやって比べてみると、適切にふやかす状態を作れそうであれば、月に1回や2回でもいいので、ふやかしたフードを与えることはメリットの方が多いようには思います。個人的にも、定期的にドライフードをふやかして与えるのは、ありです!

なんとなく、

  • ふやかすのはめんどくさい
  • ふやかしたフードはパピーのもの

というイメージがあるかもしれませんが、月に1,2回くらいであればそんなに大変な手間ではないと思いますので、試してみる価値はあると思います♪

 

知っておいて損はない!ドライフードのふやかし方をご紹介!

それではさっこく、ここからは、ドライフードのふやかし方をご紹介します。愛犬に与えているドライフード(サイズ・形・製法・水分含有量など)によって、ふやけるまでに必要な時間も異なってきますが、ふやかし方のコツはあります。

また、どんな状態になれば「ふやけた状態」といえるのか、どうやれば効率よくふやけるのか、わかっていないと上手にふやかせませんもんね。

まず、ふやけた状態のフードとは、指でつまんだらフードの形がつぶれる状態くらいが理想的です。この時、多少、中心部が硬いくらいであれば問題ありません。べちゃくちゃなのが嫌な子もいますし、多少硬さが残っていても、その方が食べやすい子もいますし。

慣れないうちはふやけるまでの時間を計っておくといいですね!

ただし、摘まんでみて、全然かちかちなのであれば、もう少しふやかすようにしたいところですが、フードのタイプ(製法・形状など)によっては、時間をかけても、指でつぶせるほどにまでならないものもあるので、時間をかけ過ぎないようにしましょう。

そして、実際にふやかすにはどうしたらいいかです。ふやかし方は

  1. ぬるま湯を使ってふやかす方法(時間に余裕のある方)
  2. 電子レンジを使ってふやかす方法(あまり時間をかけたくない方)

の2つありますので、状況に応じて変えて試してみてください。

どちらの場合も最初は実験感覚で試してみて!

いずれの方法を採用するにしても、最初はうまくできずに苦戦することもあるかもしれません。でも、何度かやっているうちにコツがわかってくると思いますので、しばらくは練習するつもで試してみてくださいね。

では、まずは、ぬるま湯を使う場合からご紹介していきます。

 

30~40度のぬるま湯で15~30分ほどかけてふやかしていく!

30~40℃のぬるま湯を、フードが浸る程度に入れて、15分~30分かけてふやかしていきます。この時、熱すぎるお湯だと栄養価が壊れてしまいますし、冷たいお水だとあまりふやけない状態になってしまうので注意しましょう。また、水を入れすぎるとお腹が緩くなることもあります。

ふやけるまでにかかる時間は、フードの形やもともとの製法、サイズなどによっても異なりますので、逐一、指で確認しながら、どのくらいのふやけ具合になっているのかを確認しておくと良いですね。お好みのふやけ具合になるまで待っみましょう。

ただし、ふやけるのを待つのは、せいぜい30分までと考えてください。それ以上、水分を含めたままフードを置いておくと、菌の繁殖が心配になりますので。 なお、フードが吸いきらずに残った水分も、捨てないで愛犬に与えてくださいね。残っている水分にも栄養が染み出ているので。

 

500Wに電子レンジで20~30秒ほど温めて5分ほど蒸らしてふやかす!

耐熱容器にフードを入れて、フードが浸る程度の水を入れて(水でかまいません)、ラップをかけます。500Wで20秒から30秒温めるのですが、使用している電子レンジによって、温める強さは若干異なりますので、心配な方は20秒から試してみましょう。

なによりも熱くなり過ぎないようにはしてください。また、ぬるま湯の時と同じく、水を入れすぎるとお腹が緩くなることもあります。温度と水の量には注意してください。

チンして、ほんのりラップが曇るほどになったら、ラップをしたまま5分ほど放置して、フードの温度が下がれば完成です。これも同じく、水が残っていたとしても、捨てないで愛犬に与えてくださいね。残っている水分にも栄養が染み出ていますので。

 

愛犬の体調や飼い方・環境にあわせて上手にふやかして与えよう!

ドッグフードをふやかすのはパピーのうちだけ、歯がそろうまでと思い込んでいる飼い主さんも多いですし、そもそもフードをふやかすことを知らない方、ふやかしていないブリーダーさんなどもいます。

ただ、ドライフードをふやかして与えることのメリットとデメリットを正しく理解して、上手に取り入れていけば、プラスになることは大変多いものです。

ずっとそのやり方を採用する必要もありませんが、ときにはふやかして与えてみたり、好き嫌いをしない子であれば、ウェットフードを与えてみたりしても良いと思います♪状況・環境に合わせてやってみてくださいね。

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