偏食?好き嫌い?ひとつのドッグフードしか食べないのはよくないの?

ドッグフードの知識・選び方

偏ったものばかり食べていたら栄養バランスが崩れるので、いろんなものを食べた方が良いといいますよね。好きなものばかり食べていて、健康に問題がないのであれば、そんなうれしいことはありません。

しかし、人間と同じように、犬も偏った食生活(ひとつのドッグフードしか食べさせないなど)をしていると、よくないのでしょうか?

インターネットに寄せられている犬の困りごとや相談事を見ていると、実際に、

うちの犬、偏食でほかのフードを食べてくれない…

同じフードしか食べさせていないのってダメなの?

という質問や不安、の声を多々ありました。ただ、冷静に考えてみると、そもそも、犬が同じフードしか食べないのって、そんなに心配しないといけないことなのでしょうか?

今回は同じフードしか食べない、他のフードを与えようとしても残す、フードを替えたことがないなど、同じドッグフードしか食べない・与えないことの是非について考えてみます。

なお、犬の個体差もありますし、愛犬の体質に合わせて考えたい・相談したいという方は、お気軽にお問い合わせくださいね!

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ひとつの同じフードしか食べていなくても、問題ありません!

はじめに結論からお伝えしますと、犬はドッグフード(=総合栄養食と表記のあるもの)を食べてさえいれば、同じフードしか食べていなかろうが、問題ありません。

他のものも食べさせたいのに、このドッグフードしか食べなくて…偏食して困る…とお悩みの方は、別に悩む必要はないことで困っているだけの話。または、色んなフードを食べた方がいいのでは…と心配している方も心配無用です。

ただし、あくまでそれは、ちゃんと犬の総合栄養食を食べている場合の話であって、

  • おやつばかり食べてドッグフードを食べない
  • 手作りフードじゃないと食べない
  • 自分が好きなもの(ゆでたお肉や野菜、フルーツなど)以外食べようとしない

というような偏食はよくありません。好き嫌いから、そのフードしか食べないなどではなく、そもそも総合栄養食すらまともに食べていない場合は話は別です。

総合栄養食とはそれと水さえあれば健康に生きられる食べ物という意味

一般的に「ドッグフード」と呼ばれるものは、おそらく皆さん、犬がメインで食べるごはん・主食のことを意味していると思いますが、そもそもドッグフードとは、犬が口にするもの(食べるもの)全体のことを言います。

そしてさらに、そのドッグフードと呼ばれるものは、

  1. 総合栄養食(いわゆる、主食のこと)
  2. 間食(おやつ、トリーツ、スナックなど)
  3. その他の目的食(一般食、サプリメント、ふりかけ、療法食など)

の3つの種類に細分化でき、それぞれ与える目的・用途は違うものとして認識されているのです。気になる方は、ご自宅にあるフードやおやつのパッケージを確認してみてください。

きっと上記のような表記が確認できるはずです。(※一部、こういった表記のないものもあります。参考までにこういった感じです↓)

ちゃんと書いてあるね!

中でも、総合栄養食という表記になっているものは、先ほど少し触れたように、そのフードと水さえあれば、健康的に生きていけるだけの栄養が取れるものという意味です。

つまり、同じフードしか食べない・それしか食べないからダメというのは、まったくもってお門違いな心配であって、とりあえずそれさえ食べていれば大丈夫ということで、なにも心配する必要はないということになります。

詳しくは以下の記事に記載していますので、もっと知りたい方はチェックしてみてください。ご一読いただければ、より正しい知識がつくと思います。飼い主さんの無知ゆえに、無駄に犬の食に不安やストレスを感じないようにしておきましょう。

 

 

同じフードしか食べない・与えないとどうなる?デメリットはある?

先ほどお伝えしたように、ひとつのフードしか食べなかろうが、同じフードしか与えていなかろうが問題はないため、大きなデメリットはありません。そのせいで病気になるということもないですし。

ただし、「強いて言うなら、こういうのは気になるかな」ということはあります。あくまでプラスアルファで気にしておきたいくらいですよ。箇条書きにしてお伝えしますと、

  • 同じものを食べ続けることで、アレルギーが出る可能性もゼロではない
  • ほかのものを食べないことによって栄養バランスが偏る

この2つくらいです。(※健康な状態の犬の話です。すでになにか不調がある・病気などがある子は対象外とお考えください)

ぼくはなんでも食べちゃうけどね~

アレルギーのメカニズムについては、こちらの記事に詳しく記載してあるので、お読みいただきたいのですが、アレルギーには本当に個体差があって、絶対ということはありません。体質によってアレルギーが出る子も出ない子のいるので、もう、運とでもいいましょうか。

この記事での詳細な説明はカットしますが、同じものばかり食べていると、免疫が過剰反応してある日突然、食べられなくなる・食べても異常が出ることもありますし、こればっかりはわかりません。(アレルギー検査でアレルギーがわかる場合も、わからない場合もありますし…)

また、総合栄養食を食べていれば健康上問題はないとはいえ、ドッグフードにはチキン系、サーモン系などさまざまな主原料のものがあり、与えるフードによって栄養価は異なるわけです。食材によって栄養が違うわけですから、栄養が偏る傾向があるのも当たり前でもあり。

とはいえ、別に大きな問題でもデメリットでもありません

ただし、ちょっと考えておきたいのは、このフードしか食べてくれないという場合、(つまり、飼い主さんがほかのフードを与えていないのではなく、犬が好き嫌いをしている場合)について。その場合には、さらに、

  • 災害時などにほかのフードを食べてくれない
  • 成長段階や体調に合わせた栄養摂取ができない
  • 療法食を食べない(→病気の緩和が遅れる)

などのデメリットは出てくるかもしれません。

災害などで、いつものフードが用意できない時が出てくる可能性もありますよね?そうなった場合、本当にお腹が空いたら、背に腹は代えられないと、犬もなんでも食べてくれるかもしれませんが、それでも突然新しいものを食べると、お腹を壊すかもしれません。

不慣れな食べ物はあんまり食べたくない…

色んな食べ物を日ごろから食べていないので、いつもと違うものを食べて胃腸がびっくりしてしまうからです。

体調や成長に合わせてフードを替えた方がいいタイミングにも関わらず、フードを替えられなかったり、獣医から療法食を与えるよう指示があっても食べられなかったりとなると、かえって健康を害してしまう可能性があります。

フードひとつで困った症状が改善されることもありますので、そういった選択肢がないのは、他のフードを食べないことのデメリットといえるでしょう。いろんなフードを食べられるようにしておくと、安心は安心ですね。

 

 

ドッグフードをあれこれ替えない方が良い子もいるのでご注意を!

これまでは、「ひとつのフードしか食べていないことはよくないのか?」ということにフォーカスしていましたが、逆に、あまりフードを替えない方が良い子もいます。それは、アレルギー体質の子や不調、病気などがある子などです。

飼い主さんが、愛犬に色んなものを食べてほしい・食べさせてあげたいと思っていたとしても、それをすることで不調が出てしまう子もいます。愛犬の体質次第ですが、飼い主さんが望んでも、それが必ずしも愛犬に良いとは限らないことも考慮しておきましょう。

たとえば、犬用の薬膳フード。個人的には薬膳の考えは好きですし、理にかなっている内容があるのでまったくもってアンチ薬膳などでもないですが、とはいっても、どんなわんちゃんにも薬膳がいいとは一切思っていません。

結局それも体質次第なんです。

薬膳は穀物を使用するものが多いのですが、残念ながら、穀物にアレルギーが出やすい子もいます。そんな子にとっては、飼い主さんが良かれと思ってだとしても、薬膳系のドッグフードに替えたことによって、愛犬がアレルギーに苦しむことだってあり得る話です。

または、敏感な体質の子にとっては、色んな食べ物を食べることで、不調が治らない可能性もあります。フードを替えるって、めちゃめちゃセンシティブなことなんですよね。犬にとっては一大事でもあって。

それにフードの切り替え方を間違えて、超グルメ犬に仕立て上げてしまった飼い主さんを私は何度も見てきました。良かれと思ってやったことであっても、愛犬の体質を知って、正しい知識をもって対処しないと、ただ犬を苦しめることになってしまうので注意してください。

 

 

複数のフードを食べる・フードローテーションのメリットとは?

フードローテーションとは、愛犬に与えるフードをひとつに絞らず、2数種以上のフードを一定期間ごとに切り替えて与えていくことをいいます。切り替える期間もフードの数も特に決まりはありません

ただし、切り替えていくスパンはショートスパンではなく、2,3か月程度の一定のサイクルで切り替えていくとよいでしょう。ローテーションするフードの数・種類も決まりはないとはいえ、2、3種類程度フードでローテーションしている飼い主さんが多いようですね。

この、一定期間ごとにフードを替える、フードローテーションをするメリットは、以下のようなものがあります。

  • いろんなものをバランスよく食べられる
  • 色んなものを食べることで消化器官が丈夫になる
  • フードに飽きることがなくなり、食に興味を持っていられる
  • 好き嫌いをしないで食べるようになる
  • 食物アレルギーリスクを軽減できる

もちろん、メリットがあれば、反面、デメリットもありますし、愛犬の体質によっては、フードローテーションをすることに、もはやデメリットしかない子もいるので、メリットだけを鵜呑みにして採用するのは避けましょう。

あるいは、愛犬に負担になることもあれば、飼い主さんの負担になることもあります。アレルギー体質のわんちゃんであれば、ローテーションに採用するフードを探すだけでもひと苦労という飼い主さんもいるでしょうから、そういったストレスをかかえてまでする必要はありません。

なお、フードローテーションの詳細については、以下の記事にありますので、ここではこのくらいにして割愛いたしますが、気になる方はチェックしてみてくださいね。

 

 

ドッグフードは愛犬の体質やコンディションに合わせて考えよう!

「ほかのフードも食べさせたいのに、うちの愛犬はこれ以外食べようとしない!」というお悩みは、実はそんなに悩まなくてもいい悩みだということがおわかりいただけたでしょうか?むしろ悩み必要はありません。

はたまた、ちまたでよく聞く、フードローテーションも、絶対にしないといけないというわけでもないことがお判りいただけたと思います。合わない子にはローテーションをする方がよっぽど危険ですしね。

愛犬のためにフードローテーションをしたいと思っても、できないからといって、愛犬がわがままをしている・偏食と決めつけるのは少し違うかな?と思います。

わがままで困った子だなんて思わないで!

それは人間の感覚で犬を見ているにすぎません。犬は人間とは違うので、人間の常識を犬に置き換えて、うちの子はダメ・わがままで困るという考え方はナンセンス。

個人的にはフードローテーションはした方が良いと考えていますが、フードローテーションをしていなかったことが原因で、病気になることはありません。(ちゃんとフード選びをしていたらですが)何より大事なのは愛犬の体質を正しく理解すること。

そして、飼い主さんが正しい知識をつけてることです。根拠のない、人から聞いた話を鵜呑みにして「いいこと」と思い込んでいないでしょうか?間違えた認識から、無駄に悩んでいる飼い主さんやそれに付き合わされるわんちゃんが少しでも減りますように☆

 

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