そのフード・おやつ、本当に大丈夫?減量や脂質制限が必要な犬を飼う人の心得

ドッグフードの知識・選び方

ドッグフードさえ気を付けていたら大丈夫…運動さえしていたら大丈夫…必要量食べてないから、ちょっとくらいおやつをあげても大丈夫…と、愛犬の食生活をなんの確証もなく、闇雲にだましだまし過ごさせてしまっていないでしょうか?

犬の体は、飼い主さんが与えたものでできているため、もし、

  • 体重がオーバーしている(獣医から指摘された、獣医から言われている理想体重を超えている)
  • 血液検査の結果、肝機能やコレステロール、中性脂肪の数値に異常値がある、もしくは基準値ギリギリ

などの心配事があれば、それは、これまでの食生活を見直す必要があるというサイン。飼い主自身の、愛犬の健康管理を見直さなければなりません。(異常数値になる前に、管理しておけている状況がベストです。)

しかも、上記のような状態になるには、短期間の食生活の問題ではなく、これまでの飼い主さんの愛犬との生活(食事、運動)から起こることです。つまり、時間をかけてそうなったわけですし、逆にいうと、飼い主さんの管理次第でどうとでもなります。

これまでの食生活の結果です

特に、血液検査の結果や体重については、ここ数カ月の問題ではありませんので、飼い主さんが愛犬の食事を見直すべき結果だと言わざるを得ません。フードを替えるだけで対応できるわけでもなく、本当に愛犬を守りたいなら、飼い主さんがマインドを変える必要があります。

飼い主さんご自身が、かわいい愛犬の健康を害し、苦しめているなんて嫌じゃないですか?そこ、今回は、飼い主さんの対応・考えの誤りが原因で、愛犬を苦しめてしまわないよう、知っておいてほしいことについて考えます。

なお、いろいろ書いてありますが、個体差もありますし、体質に合うやり方を教えてほしい・相談したいという方は、お気軽にお問い合わせください!(※症状によっては、動物病院へ行くことをおすすめすることもあります)

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欲しがるから・可愛いから・ちょっとくらい…と食べ物を与えてない?

愛犬がかわいくて仕方ない!我が家のわんこが一番♪

みなさん、愛犬を大事に思っていらっしゃると思いますが、愛犬に対する「大好き!」「大事にする」という愛情表現には、色んなやり方があるのではないでしょうか。

運動量(散歩)や食べ物(なにを与えるか)、お出かけなどはもちろん、留守番させる時間(ひとりで待つ時間)など、ライフスタイル全体で、愛犬にどこまでやってあげたいか・やってあげられるかも、各ご家庭で違ってくることでしょう。

甘やかすだけが愛情ではないですもんね

特に当サイトでは、食に関することがテーマになっているのですが、愛犬のかわいさゆえに、間違えた愛情表現のおやつの使い方や、フードの与え方をしている方の多さに、正直なところ、心配になることがあります…。

別にその裁量はご家庭で決めたらいいのですが…間違えた食生活は命に関わることです。たとえば、

  • フードをあまり食べないから、その分おやつ与えてもいいよね
  • このこは◯◯が好きだから、いつもトッピングやおやつとして◯◯を与えているの
  • おいしそうに食べる顔を見てるのが幸せで、ついつい与えたくなっちゃって
  • このこが食べたがる・欲しがるから…
  • 少しならいいかと思って…
  • 毎日じゃないんだし、ちょっとだけだから大丈夫でしょ

…そんなこと思っていないでしょうか?この子がこうだからというのは、犬のせいにした言い訳なので、個人的には受け付けないセリフです。

というのも、これ、すべて、犬のせいではなく、飼い主さんが勝手にやっていることですし、すべて「だからって与えなくてもいいんじゃない?」という話。かわいさのあまり甘やかしてしまう、もしくは、自制できずに、あげてしまうのは誰ですか?決していいことではありません。

遺伝要因以外はすべて飼い主さん次第

人間の場合は自分の判断・責任で、食べる・食べないの選択はできますが、犬の体は100%飼い主さんが与える食べ物でできています。たとえ、飼い主さんの意図していない拾い食いや、犬友からもらう食べ物であっても、飼い主さんが、食べさせないようにするのは可能ですし。

愛犬に不調が出たとしても、それは長い時間をかけて蓄積された、飼い主さんが与えてきたもの・飼い主さんの対応の結果であって、これまでの食生活が反映されただけ。短期間では治りませんし、そうなった原因もここ数か月の問題ということでもありません。

遺伝的なこと・年齢的なことでもない限りは、その出てきてしまった不調は、生まれてこのかた、食べてきたもの・生活スタイルの集大成です。つまり、飼い主さんに与えられてきたものや運動量・生活スタイルによって出てきます。すべては飼い主さん次第なんです。

 

飼い主の対応に原因・問題があって起こってしまうトラブルや不調

犬の食事について、飼い主さんの対応が原因で起こるトラブルをいくつか挙げてみますと、

  1. 肥満・体重管理
  2. フードジプシー・フード難民
  3. 歯みがき不足
  4. 食事に関する知識が少ない、正しい知識を持っていない
  5. 合わないフードを与えてきた   など

があります。

一番わかりやすいのは肥満でしょうか。これはシンプルに与え過ぎ運動不足が考えられますし、飼い主さんが愛犬の体重管理をできていない証拠です。犬が食べたがるからついつい…そんな気持ちはあっても、自制しなければなりません。

また、知り合いからおやつをもらう場合であっても、与え過ぎなどの場合は、飼い主さんが愛犬の食べる量をセーブする工夫が必要です。アレルギーで食べられないなど、断ることも可能ではないでしょうか?

体重管理は100%飼い主さんの責任です(病気でもない限り)

そして、意外に思われるかもしれませんが、フードジプシー。これも飼い主さんに原因があることが多いです。心配なあまり、食べてもらおうと一生懸命になっている飼い主さんには申し訳ないのですが、食べるものを探すのではなく、食べない原因を考える必要があります。

にもかかわらず、フードを闇雲にとっかえひっかえしていては、フードジプシーが悪化するだけです。詳しくはこちらに記載してありますので、気になる方はご確認ください。

ほかには、歯のケア不足による口腔内トラブルから食べられなくなる(食べたいのに痛くて食べられない)、歯周病で菌から炎症して腫れ、腫瘍ができてしまうなどもあります。歯みがきに苦戦する飼い主さんは多いものですが、だからってやらないわけにはいきません。

人間も犬も歯は大事なんだよ

愛犬も嫌がるし、飼い主さんも歯みがきが上手にできなくてストレスになったり、時には噛まれたりすることもあるかもしれませんが、歯のケアに関しては後から後悔しても取り返しがつかない状況になってしまいます。

愛犬の健康は遺伝要素もあるのですが、しかし、日常生活に見直すべき点があるケースも多いものです。運動量は適正でしょうか?犬の口にしているものは本当に安全で、愛犬の体質やライフスタイルに見合っているでしょうか。歯のケアのほか、日々の管理に問題ありませんか?

すべての条件がそろっている必要があり、たとえ歯みがきができていても、食生活がよくないのもダメ、食事に気を付けていても運動が適正でないのもダメ、トータルでしっかり管理してあげることも愛情ではないでしょうか。

 

 

「この犬種ならではの特性だから」と決めつけず、あるがままを見てあげる

「〇〇犬はとにかく食いしん坊だから」「〇〇(犬種)特有のことだから」なんて話を耳にすることがあります。たしかに、犬種の特性・特有の性格やなりやすい病気などがあるのは、遺伝的な意味でも一理ありますし、間違いではありません。

しかし、「〇〇犬だから仕方ない」「〇〇犬の特性だからね」という犬種の特性だけで話を片付ける・犬種のせいにするのは危険です。その犬種特有のものという思い込みが、本当の原因を知る妨げになりますし、心配なことは獣医に聞いておいた方がよいでしょう。

それに、その犬種の特性のせいにする前に、ほかに問題がないのかも考えておいた方が、よりよい飼い方ができることもあるものです。犬種の特性ではなく、単なるその子の習性ということもありますしね。その子のせいではなく、飼い主のせいもありえるのですから。

 

 

血液検査で数値が悪い・獣医の触診で肥満を指摘された場合の注意点

愛犬の健康診断で血液検査を受けた時、以下の数値がよくないと言われたり、もしくは、獣医師から愛犬の体重について注意をされたり、獣医から指摘されていないにしても、体型が明らかにコロッとしている自覚があったりしないでしょうか?

  • 中性脂肪(TG、TRIG、トリグリセライド)
  • コレステロール値(CHOL、T-Cho)
  • 肝酵素(ALT/GPT、ALP/ALKP)

これらは、先天的な病気や不調が原因で数値に異常が出ることもあるのですが、飼い主さんの与える食べ物・愛犬の食事のバランスの悪さや、飼い方(運動不足など)が原因になっていることがほとんどです。

しかも、体重も血液検査の結果も、これまでの愛犬の食事の集大成とでもいいましょうか。昨日今日、ここ数カ月のことが原因になっているのではありません。これまで生きてきた中での食事、運動などの結果です。

ここ最近のことが原因ではありません!

肥満や、上記のような数値が高値の場合は、原則、これまでの食事で脂肪を多く取り過ぎていたことに起因しています。実際に治療方針として、食事でコントロールすること獣医も多く、脂質を抑えるように指摘されるのではないでしょうか。(獣医の方針によることもあると思います)

一度や二度、脂質が多いものを食べたからって、こういった数値が高くなることはあまりありません。食生活の蓄積です。合っていないフードを与えている、与え過ぎなども原因になります。愛犬が好きだから…良かれと思って…それで取り返しのつかない状況になりかねません。

高たんぱく過ぎるフードを与えていると、消費されなかったたんぱく質はカロリーオーバーになり、体内に脂肪として蓄積されたり、腸内環境を悪くしたり、結石の原因になったりすることもあります。愛犬に合うフード・給餌量・おやつ(おやつ量)を正しく把握できているでしょうか?

 

 

飼い主さんの間違った知識や思い込みから愛犬を苦しめていることも

愛犬がこれ好きだから、ついつい与えちゃう

うちのこ、これが好物なの~よく食べるのよー

…と、愛犬がよく食べるものを与えている方は多いと思います。

あるいは、市販のおやつは心配だからと、「犬が食べてもいい」野菜やフルーツ、茹でたお肉などを良かれと思って与えている方もいるかもしれません。しかも、食べてもいいかどうかはネットで調べただけだったり、なんとなく巷で有名になっている栄養成分を知ってるだけだったり…。

ごめんなさいですが、それ、ほんとに危険です。犬が食べても大丈夫・食べて良いとなっていても、注意しておきたい脂質やカロリー、炭水化物(特に糖分)について説明しているサイトさんは本当に少ないので。特に、

  • サツマイモ
  • バナナ
  • かぼちゃ
  • スイカ
  • りんご
  • じゃがいも
  • 白米(米粉使用のビスケットなども含む)
  • 小麦製品

などは、糖質が非常に多く、メリットもあるにはあるにせよ、肥満気味のわんこや中性脂肪、コレステロール、肝機能などに要注意な数値があるわんこにとっては、デメリットの方が大きくなることがあります。

さつまいもはお腹の調子を改善すると思ってた…

たしかに、サツマイモは食物繊維が多く、整腸作用があるなんていわれますし、それはそうではあるのですが、ただし、糖質も非常に高いので、肥満や高脂血症、コレステロール、肝機能への負担なども大きく関係してくるのです。

ですので、良いと言われるものを与えていたら良いということではありません。食物繊維が豊富な食べ物であっても、体内の有用菌(食物繊維のエサになる乳酸菌)のバランスがよくないとお腹を壊す危険があります。

このように、なんとなく・漠然とした「〇〇はいいんだ」というような、愛犬に本当にいいのかわからないものや、詳しい知識もない状態で、よさそうだからと愛犬に食べさせる、もしくは、好物だからと与える、犬が食べて良いからと与えるのは、個人的にはおすすめはしません。

 

 

フードを替えたら終わりではない!大事なのは飼い主のマインド

人間は自分の食べ物は自分でコントロールできます。しかし、犬は飼い主さんに与えられるものがすべてです。

愛犬にダイエットが必要な時、あるいは獣医からなんらかの指摘を受けた時…とりあえず、まずみなさんは主食であるドッグフード(総合栄養食)を替えるとう方は多いと思います。もしかしたら、獣医から指定の療法食を出されるかもしれません。

しかし、フードを替えたら良いというわけではなく、一番変わるべきは飼い主さんです。

目先のことだけ替えたってダメ

ドッグフードを替えて、目先のトラブルは解決できたとしても、今後、飼い主さんが考えや愛犬とのライフスタイルを考え、改めなければ、いずれまた、なんらかのトラブルが起きてしまうかもしれません。

どれだけちゃんとやっていても、なにかある時にはあるのかもしれませんが、その原因が飼い主である自分にあったなんて嫌じゃないですか?

繰り返しになりますが、愛犬の体は飼い主さんが与えるものでできていて、それがすべてです。愛犬との健やかな日々を1日でも多く・長くしたいのであれば、愛犬が口にするものや運動、ライフスタイルを見直してみましょう。

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