落とし穴だらけ!ネット上の犬が食べても良い食材の記事を信頼しすぎないで!

ドッグフードの知識・選び方

犬関係のサイトでは、こぞって「犬に与えても良い野菜」「犬が食べても良いフルーツ」などの記事が掲載されていますが、それって本当に鵜呑みにしても良いのでしょうか?

①犬によくない成分が入っていないもので、②味付けをしていない、③茹でた野菜(蒸した野菜)やフルーツ(消化しやすいもの)であれば、与えても大丈夫というのは間違いありません。市販の添加物の多いおやつを与えるよりは、安全ですしね。

添加物やアレルゲンモリモリなおやつより全然いいけどね♪

しかし、正しく理解していないでやり過ぎてしまっている飼い主さんや、愛犬がその野菜やフルーツが好きだからとなんとなく与えて間違えた対応をしている飼い主さん、それを続けた結果、愛犬の健康被害を招いてしまっている飼い主さんをたくさん見てきました。

今回は、そういった犬サイトがやっていることに対して私が感じること、実際の数々の飼い主さんを見てきて感じたこと・注意してほしいと思うことをまとめてお伝えします。

なお、いろいろ書いてありますが、野菜やフルーツを与えることの是非は個体差もあるため、愛犬に合うやり方を教えてほしい・相談したいという方は、お気軽にお問い合わせください。

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野菜やフルーツは犬に害がないものであれば与えてもOK!でも…

結論からお伝えしますと、犬に有害な成分が入っていない野菜やフルーツであれば、犬に与えても問題はありません。食べさせることは可能です。が、「与えても良い」「犬も食べても大丈夫」というだけであって、率先して与えましょう・与えてくださいとは言っていません!

犬が食べても良い野菜やフルーツを紹介しているドッグサイトであっても、絶対に「与えた方がいい」「与えたい」「食べさせた方が良い」なんてことは書いていないと思います。確認する限り、そのような記載をしているサイトはほとんどありませんでした。

手作りフード系のサイトなどであれば、「こんな効果が期待できます」なんて記載や、「こういう成分が摂取できる」というメリットを紹介していることはあるかもしれません。しかし、決して与えた方が良いようなこと(与えるよう促すこと)は書いていないはずです。

でも、人間っていい情報ばかり見ちゃうからね

たしかに、人間も食べられる茹でたりふかしたりした野菜や、フルーツなどを与えると、愛犬もおいしそうに食べてくれて、飼い主としてもそんな嬉しそうな愛犬を見て嬉しい気持ちになると思います。自分の手から与えて、美味しそうに食べる姿は可愛くてたまらないですし。

犬は飼い主が食べ物を与えてあげないといけない生き物ですから、愛情ゆえに擬人化と言いましょうか、母性・父性とでも言いましょうか、そのような感覚で、食いつきもよく、人間と同じものを食べる姿を見ている時って、飼い主冥利につきる瞬間かもしれません。

ですが、犬は犬であって、母親が赤ちゃんなど我が子に食べ物を与えるような感覚になってしまうのは要注意です。また、野菜やフルーツを与えるのが習慣づけいてしまう・エスカレートしてしまうなどないよう、注意しなければなりません。

 

 

どんなことにもメリットがあれば、必ずデメリットもある。大事なのは後者

犬に与えて良いものかどうか、ではなく、うちの子には与えて良いのか?という視点が一番重要です。犬にこの成分が良いなど、うんちくは二の次で構いません。犬は食べても良いという、漠然とした回答に惑わされないでください。

インターネットの記事って、わかりやすく・読みやすくするために、結論から書かれているものが多いのですが、そこしか読まない人が多いのも事実です。それが誤解を招く原因でもあり…。記事の後半にデメリットなどが説明してあっても、読んでいないかもしれません。

個人的には、結論から先に伝えるにしても、諸条件があることや絶対良いということではない旨をしっかり記載しておいてほしいとは思います。特に大手・人気犬サイトには、

誤解を招きかねない表現の記事は出さないで欲しい…

と思うのですが…それは人のビジネスですし、自由なので口を挟めません。中身の薄い客寄せ記事をパッとだけ見て、間違えた認識をしてしまう飼い主さんが増えないことを願うばかりですが、それは個人の判断。ですので、こういったところで地道に啓発するしかありません。

人間は物事も見たいように見てしまう生き物なので、メリットとして紹介されていることはしっかり見て、デメリットをしっかり確認していないことがあります。それが本当に厄介。うちの子には良いのか?というデメリットから目を通してみてください。

与えても良いかどうかしか考えず、与える量やデメリットを見落としていたり、栄養について不十分な理解で、ただ「与えてもいいから」という感覚で与えていると、思わぬ落とし穴にハマってしまうかもしれません。

 

 

1日に与えて良い量の「条件」を書いていないサイトは危険!要注意

ちゃんと犬の食生活を大事に考えているサイトであれば、犬が食べてもいい食材の説明とあわせて、

  • おやつとして与える場合は1日に必要なカロリーの10%までにとどめましょう
  • おやつで与える分のカロリー分は、フードを減らしましょう
  • 紹介する与えて良い数量は避妊・去勢済みの成犬の10%で算出(条件)
  • 茹でだ状態で○カロリー/100gの前提で算出
  • 運動量やライフステージによって与えてもいい量は異なります
  • 1日に必要なカロリー計算をして与える量を算出してください

など、与えても良いとしつつも、必ず与えるならこうしてくださいという、誤解を招かないような説明をしています。私が調べる限りでも、ちゃんとしたサイトは、トータルの摂取量、カロリーコントロールについても注意書きがありました。

与え過ぎる人が多いから。。

食べ物のことを考えている方が書いたからこそ、誤解の種にならないようしっかり書いているわけで、書いているのと書いていないのとでは大違い!

問題はこういった食べ物の概念を、まったく示していないケースです。

犬の栄養に疎いのか…あまりトータルの栄養は気にしてないのか…無責任な、食事の重要性をあまり考えていない残念なサイトもあります。誤解を招きそうな表現をしているサイトはあてにしないでください。

注意書きがあるのに見ていないのは個人責任ですが…

ここで、そのサイトさんの名前を出してしまうと、ただの悪口・ディスりになるので公開・公表はしませんが…。たとえば、

  • なんの条件の記載もない
  • おやつやトッピングで与える分、フードを減らすよう注釈がない
  • 運動量や避妊去勢手術の有無によってカロリー計算が異なる旨の記載がない
  • 小型犬なら○グラムまで与えても良いというような抽象的な記載
  • 与えることのデメリット、与えない方がいいケースの説明が不十分
  • 与えて良いということだけが最初の方に記載されていて、記事のおわりに与えない方が良い子もいるような記載がある

など…個人的にはそのような、内容の薄いサイトがはびこる限り、間違った認識の飼い主を増やしかねませんし、上記のようなサイトは誤解を生む種です。

執筆スキルの問題か、サイトのフローの問題か、ただの客寄せ記事で本気でやっていないのかはわかりませんが、飼い主の誤解を大いに招いてしまうような記事を拡散していることはよくないことだと思います。

人気サイトでも鵜呑みしないで欲しい…

良いサイトの例で触れたように、体重や骨格、運動量、体質、年齢、避妊去勢が済んでいるかなどの諸条件で与えていい量は異なります1日に摂取する必要があるカロリー数の正しい考え方を知っていたら、穴だらけな安易な解説はできないはずです…。

なんの条件の記載もなく、何キロの子はなんグラムまで食べて良いだの、人によって小型犬や中型犬・大型犬の定義(なんキロなら中型犬?など)が違うということも加味せず、あれ食べていいよ、これはこんな風に良いよと書いてあるサイトの情報は、鵜呑みにしないでください。

こういったサイトは、記事を量産して人気記事になることが目的なのかもしれません。あるいは、食事に重きを置いていないだけかもですが、飼い主さんが正しい情報を選べるだけの知識をつけていけるといいですね。

 

 

正しい栄養や成分の知識がないと、体に負担をかけるだけになるので注意!

食べ物・食事のことについて、「なんとなくは知っている、でも本当は詳しくは理解していない」ということって実は多いものです。

簡単に言うと、噂なども含め漠然としか理解していない状態のことで、どういったことがこれに該当するのか例を挙げますと、

  • 人から聞いてなんとなく知っているだけ
  • テレビ番組で「○○は体に良い!」というのを見ただけ(根拠は理解していない)
  • なんとなく常識のようになっていること(例:レモンはビタミンCが豊富など)
  • 漠然と響きがよくて、なんとなくよいと認識してしまっている

などがあるでしょうか。

以前ご紹介した記事で、「高たんぱくなフードは愛犬に負担をかける危険あり!働きを理解して与えよう」という記事をご紹介しましたが、なんとなく高たんぱくっていい響きに感じることってありませんか?

よさそうでも、必ずメリットがあればデメリットもありますよ

筋肉にはたんぱく質が必要とか、たんぱく質は三大栄養素にもなる重要なものとかはみなさん、漠然と知っていると思います。それでも、必ずデメリットもあるので、高たんぱくということだけを見て選ぶのは大きな間違いです。

こういった間違いって、ほーーーんとにみんなしがちなので、冷静に判断できるようになっていくことも大事ではないかと思います。根拠やメカニズムを理解しないで、漠然と良いと思っている思い込みが1番危険です。

ほかにも、ごぼうは繊維が多くてお通じをよくするなんて聞きませんか?確かにそれは事実ですが、もっと掘り下げると、食物繊維には水溶性と不溶性がありそれぞれの強みは異なります。また、繊維が多すぎても胃腸を傷つけるだけですし、繊維が有効に働くには有用菌も重要です。

繊維を取れば必ずしもお腹が安定するわけではないんだね。

有用菌とは腸で働く善玉菌(乳酸菌など)のことで、そういったものが胃腸に定着していなかったり、足りていなかったりする場合には、いくら繊維を取ったところで、有効に働くわけもなく、お腹がゆるくなるだけという知識まで持ち合わせていないと、意味がありません。

そのせいで間違った対応をしてしまう飼い主さんも大変多く、そしてそういった正しいことまで紹介していない犬サイトも多すぎます。また、これまでの経験や知識を疑うことも大事な作業です。

自分の知っている情報って、本当に正しいのか?インターネット記事の特に中身の薄いもので紹介されている情報は本当に正しいのか?うちの子には合うのか?そういったことを見極めるのが飼い主さの役目です。情報に振り回されず、正しく理解を深めてください。

 

 

犬に与える野菜やフルーツ・穀物で特に注意が必要な食べ物とは?

結論からお伝えしますと、犬には糖質が多い野菜やフルーツ、穀物は、あまりおやつやトッピングアイテムとして、たくさんは与えない方がいいです。(少量ならOK)

糖質と聞くと砂糖と思う方は多いでしょう。そう、もちろん、砂糖が多いものは避けた方がいいです。しかし、実は砂糖以外にも糖質を多く含む食べものはたくさんあります!糖質が多いもので犬に与えがちなものとは…

  • サツマイモ
  • バナナ
  • かぼちゃ
  • スイカ
  • りんご
  • じゃがいも
  • 白米(米粉使用のビスケットなども含む)
  • 小麦製品(ビスケットなど)

などでしょうか。

犬にとって、糖はドッグフードから摂取する分量で十分です。ちなみに糖は炭水化物に含まれる栄養成分で、食物繊維+糖質のこと。

つまり、炭水化物が多い食べ物、中でも糖質が多いものは犬にはたくさん与えるべきではありません。もちろん、茹で野菜やフルーツ以外でも、糖分を含むものはたくさんは与えないようにしましょう。あまった糖質は脂肪にしかなりません

小麦じゃないから大丈夫…ちょっとだから大丈夫…うちの子、これ好きだから…かわいいから…犬が食べてもいいから…ではなくて、今のわが愛犬にとっては食べさせて良いのか?それを見極められる飼い主さんでいてください。

 

犬の体重・運動・体質・体調に合わせて正しく知識を使おう!

説明が明確にされていても、結局、飼い主さんがしっかり読んでいなければ意味がないのですが、でも、やはり、発信する側・サイト運営側にも無責任な情報を公開・発信していることがあるという目線を飼い主さんが持っているのも大事です。

また、なにより一番大事なのは、飼い主さんが「良いと聞いたらやってみる」ことではなく、愛犬に合うかをしっかり判断できるようになること。

  • 食べても良い=食べた方が良いということではないこと
  • 与える量についてはトータルの栄養バランス・カロリーありきで考える必要があること
  • メリットがあればデメリットがあること
  • ネットにある情報や、人から聞いた情報は本当に正しいのか?
  • カロリーが低くても、糖質が高いものは要注意

など、あらゆる角度から、情報を見極めて、「ネットで調べたらこう書いてた」なんて判断だけで犬を苦しめることのないように、注意していきましょう。

なお、与えても良いものだから・うちの犬はこれが好きなんだと与え過ぎてしまわないように十分お気を付けくださいね。

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