愛犬が草を食べたがる、あるいは、草を食べることに慣れてしまっているそこのあなた!それ、本当に慣れっこになっていて大丈夫なのでしょうか?というのも、私自身もかつてそうだったから。
実際は、犬が草を食べることにはさまざまな見解があり、ただ草が好きなだけ、本能という考えもありますが、中には愛犬の不調などのサインという見方もあります。

正解は犬のみぞ知る…
それを知らないで、犬が草を食べるのは普通のことだと、気にも留めていなかった自身の経験と反省の意味も込めて、今回はあえて「犬が草を食べること」だけにフォーカスした内容にしてみました。犬が草を食べることに慣れてしまっていた方の参考になれば幸いです。
なお、いろいろ書いてありますが、個体差もありますし、愛犬の体質に合うやり方は異なります。うちの子に合う方法を聞きたい・相談したいという方は、お気軽にお問い合わせくださいね!(症状によっては当サイトへの依頼より、動物病院へ行くことをおすすめすることもあります)
犬に草は食べさせないほうがいい?もし食べてしまったらどうする?
結論からお伝えしますと、犬が草を食べることは、当たり前にあることですので、食べたとしても過剰に心配する必要はありません。犬の正常な行動なので、草を食べるのが絶対にいけないというわけではないので、冷静に対処するようにしましょう。
また、基本的に、犬は食べても良い草か否かを区別しているともいわれています。ですので、たとえ雑草を食べてしまったとしても、焦って出させたり、かたくなに草を食べないようにしたりする必要はありません。
が!!絶対にダメというわけではないとはいえ、食べて良い・食べさせてということではなく、食べる以上、注意しないといけないことはあります。

どんなことに注意したらいいの?
あくまで一例ですが、どんな注意点があるのか、具体例を挙げてみましょう。
などがあり、簡単に言うと、食べてもいい草以外の危険なものを食べないようにということと、食べ過ぎていないか(セットでなにか愛犬に異常が出ていないか)ということです。
こういったことをひっくるめて考えると、「犬に草は食べさせないに越したことはない」という結論にいたるのでしょうが…。つまり、食べないに越したことはないですが、だからって、食べてしまったからといって騒ぐ必要もありません。

食べても大丈夫な草だけを食べるのはセーフ!
それに、最初にお伝えしたように、草を食べるのは犬の習性として仕方ない・当たり前のことということは覚えておいていただけると良いと思います。
絶対に全部吐き出させる・絶対に食べさせないようにするなどが正解というわけではありませんし、かといって、食べるのは当たり前だからと油断するのも違う…といった、余白を持った考え方をしておきましょう。
理由は追ってご説明しますが、愛犬が草を食べる理由や原因を、正しく判断できる知識を飼い主さんは持っておいたほうが良いと思います。
愛犬が草を食べる・食べたがる!胃腸のケアに良いことって本当?
「犬が草を食べるのは、胃腸に不調がある時・吐きたい時」なんて聞いたことがありませんか?その意味を、歪曲したり、簡略化したりした解釈をしている飼い主さんも多いもので…。草を食べる=胃腸に良いことと解釈してないでしょうか?
結論からお伝えしますが、頻繁に草を食べる(食べたがる)というのは、愛犬がなにか不調を抱えているサインかもしれないと認識する必要があります。
しかし、「犬が草を食べるのは胃腸のケアにいいこと」と勘違いしている方は多く、特に、草を食べていたとしても何事も起こらなかった場合は、愛犬の不調に気づくどころか、いつものことくらいにしか思っていないケースも少なくありません。

犬の習性ですので、草を食べること自体は仕方ないのです
たしかに、草を食べることで胃腸の不快感を軽減できるのは間違いではありません。でも、食べてすっきりできて、習性的に犬は多少の草を食べることはあるにせよ、飼い主さんには、愛犬が草を食べないといけない理由があったことにフォーカスをしてほしいのです。
草を食べたからって焦らなくていいですが、なぜ愛犬は草を食べなければならなかったのか?考えて、愛犬が草を食べなくてもいい生活ができるよう、考えるきっかけにしてください。
なお、草を食べた延長にある、もしくは草を食べるのとセットで起きがちな、嘔吐や下痢・軟便などについては、以下に別途細かく記載してありますので、気になる方はご確認ください。今回は「草を食べる」ことのみにフォーカスしたいので、説明は割愛します。
草を食べたがる時ってどんな時?どんな理由があるのでしょう?
犬が草を食べる・食べたがる理由はたくさんあります。というより、明確に理由が解明されているわけではないため、色んな見解があると言ったほうがいいかもしれませんが。一番はやはり、胃腸の調子が悪いことに起因しているといわれています。
まず、一覧でどんな時・どんな原因があるのかをまとめてご紹介してみましょう。愛犬をしっかり管理している方であれば、以下の一覧を見るだけで、思い当たることはあるかもしれません。
- 空腹(お腹が空いて草を食べたい)
- ビタミンや繊維が足りていない(栄養バランスの不安定さ)
- 食べ過ぎで胃が活発になり過ぎている
- 消化不良(異物誤飲や細菌、消化困難なサイズの食べ物)
- 胃酸過多(胃酸過多でアルカリ性の草を食べたい)
- 薬を飲んでいる時(胃の内側が薬で弱っている)
- ストレス
- 歯周病による腸内環境の乱れ

心当たりがあるかも…
もちろん、どれが原因か断言できるものではありませんし、上記以外の理由がある可能性もあります。
食べ過ぎもダメ、足りなくても胃酸が胃を傷つけてダメとなかなか難しいものですが、必要なカロリーを把握して、食べる量をしっかり管理できていれば、防ぐこともできる可能性もあるので、ごはんの適正量は飼い主さんが把握・管理しておくようにしましょう。
牛皮や硬いジャーキーなども消化の負担になっていて、日々胃腸に負担をかけていることもありますし、拾い食いなどで消化ができないものを食べて、胃が気持ち悪くなることもありますし、強い薬だと胃腸の働きを鈍らせて、胃腸を弱らせてしまうこともあります。

バランスが難しいのね…。
ほかにも、高たんぱく・高脂質のものを食べる習慣があったり、繊維が多いもののたくさん食べたりも、消化に時間がかかり胃腸に負担がかかるので、与え過ぎには注意が必要です。繊維が多いとお通じがよくなるなんて言いますが、多すぎると胃に傷がつく原因になります。
あるいは、犬が食べても良いフルーツや野菜だからといって、大量に与えていたり、大きいサイズのまま与えていたり、嚙んでいるから大丈夫だろうと、そんなに小さく刻まないで与えたりしている場合でも、やはり消化の際に胃が活発に働いて、胃酸過多になることも…。
「うちの子、〇〇(野菜など)が好きで生で食べてる!」なんて方も多いのではないでしょうか?トマトやきゅうり、大根など、生で食べた方が良いものもあるにはありますが、そういったものでない限りは、必ず茹でて、刻んで胃に優しい状態にして与えるようにしましょう。
いつもと変わらないのに、草を食べるのは、草が好きってことなの?
ストレスになるような原因に心当たりもないし、変なものも食べていない…。いつもとなにも変わらないのに、突然草を食べたがる犬も多いもので、飼い主さんからしたら理解できないこともあることでしょう。
また、そういったなにも変わっていない状況なのに草を食べているからこそ、

このこ、草が好きなのかしら
と思うこともあると思います。そりゃ、いつもとなにも変わっていないのですから、心当たりがないし、草を食べたからって不調が出ているわけでもないのであれば、いつものことくらいで終わる方も多いことでしょう。
それに、昨今、犬が草を食べることに対する研究で、お腹の不調は関係ないのでは?という意見も挙がっていますし、草を食べる理由は犬のみぞ知ることであり、お伝えしたように、正常な行動でもあるわけです。
ただ、草が好きで食べている・なんとなく草を食べるということもあるとはいえ、そうとも限らない、つまり、草を食べている=胃腸が気持ち悪いサインという可能性も大いにあるので、軽く考えないで、どういった時に食べているのかは観察してみましょう。

わかる範囲でいいので記録を残してみよう
たとえば、草を食べたとて、なにごともなかったとしても、
- 気になる症状まではないけど、定期的に草を食べている
- 毎回ではないけど、下痢をすることがある
- 草を食べてからうんちとして出てくるのに、どのくらいの時間がかかっているのか
- うんちの状態に変化が起きていないか
- うんちは変化はなくても、おならをよくする
- 吐きたそうにそわそわすることがある
- 気温差があった?天気は?などの条件の変化
などなどなど。
その時だけ食べて、ケロっと普通に戻っていたとしても、前後にあったことを思い出してメモや日記にしていくと、なにか見えてくることもあるかもしれません。実際に我が家もやっていて、傾向がわかってきたこともあります。
また、草を食べたときは、少し胃腸のケアを意識した生活にしてあげるなど、飼い主さんもできることはたくさんあるので、愛犬を知る機会として、観察してみるとよいでしょう。
犬が草を食べる・食べたがるのは不調のサインの可能性がある!
犬が草を食べるのは習性として仕方がないことであり、かつ、食べたとしても何か不調があるわけでもないこともありますが、しかし、草を食べることが、愛犬からの不調のサインであることもあるという考えも持っておいてください。
当たり前のように草を食べていて、いつも特にほかのトラブルが起きるわけじゃなかったとしても、決して、
- 食べてもなにもないから、まあいいや
- 草を食べるのはいつものことだし
- 草が好きな子なんだろう
というように、軽視しないでいるようにしてください。ここで、慎重になって損をすることはありません。

毎日、愛犬を知るチャンスがいっぱい
お伝えしたように、メモや愛犬日記をつけていみたら、何か見えてくることがあることもありますし、お腹を壊しやすい子や下痢をしがちな子、吐きたがることがある子の場合は、特に、草を食べることと連動している可能性はあります。
たとえ、草を食べてすぐにお腹のトラブルが起きていなかったとしても、もしかしたら、草を食べるサイクルとお腹の不調・愛犬の体質に、なにかの関係性があることに気付けるかもしれません。
「うちの子はよく草を食べるから、お腹のケアや食べ方に注意をしておかないといけない子なのかもしれない」という視点を持っているだけでも、今後の愛犬との関係性・食事についての考え方のヒントになるはずですよ♪
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