愛犬がドッグフードを食べたがらない時、食欲がない時、病み上がりの時など、「ドッグフードをふやかして与えるといい」ということを聞いたことがありませんか?
私も、フード相談を受けた時の対策のひとつとして、そのようにお伝えするケースがありますが、

ふやかしても食べないんです

うちの子ふやかしたのは食べようとしないんです
という飼い主さんが多いように思いました。個人的には、「ほんとにそんな食べないものかなぁ…」と少し懐疑的に思っていたのですが、よくよく状況を聞いていくと、「ふやかす」という意味・やり方を間違えている飼い主さんが多いこと多いこと。
これは私も、ちゃんと細かく伝えないと、認識の違いがあるのかも?と反省した経験でもあるのですが、自分の考える「ふやかして与える」という感覚と、ほかの方の「ふやかして与える」の感覚って違うんですよね。
「ふやかす」といっても、具体的にどうふやかすのが良いのか?今回はそのポイント・コツや、ふやかすうえで注意したいことをまとめてご紹介します。

ふやかしフードに失敗してきた方も参考にしてくださいね
なお、いろいろ書いてありますが、犬には個体差もありますし、愛犬の体質に合わせて考えたいという場合には、当サイトでは各わんこの体質や生活に合わせた食事の提案・お手伝いが可能です。お気軽にお問い合わせください。※相談・サポートは有料です。
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ドッグフード(ドライフード)をふやかす方法・ふやかし方

みなさん、ドライフードをふやかすときって、どうやっていますか?もしかして、フードにお水をかけるだけで、ふやかそうとしていませんか?それ、時間もかかるし、時間をかけてもふやけない(ふやけていない)可能性があります。
結論からお伝えしますが、フードをふやかす時は、ボウルにフードを入れ
の、いずれかの方法がおすすめです。なお、レンチンの場合は、電子レンジ対応のボウルを使用すること。(プラスチック製はNG)また、フードがあつあつにならないように注意してください。
なお、ふやけ具合については、指でつまむと、ふやふやで粒がつぶれるくらいになるのが理想の状態です。

水かけるだけだと、待てど暮らせどふやけなかった…
与えているフードの大きさ(サイズ・厚み・密度)や原材料、製法などによって異なりますので、どちらのほうがいいとは断言はできません。しかし、個人的にはレンチンのほうが楽というのはあります。ただ、レンジは嫌って人もいるでしょうから、強制でもありません。
ふやかすというのは、フードに水分を含ませるという意味・行為なだけではなく、
- 柔らかくなって食べやすくなる
- 消化の負担が軽減できる
- 香りが立ちやすくなって食いつきがよくなる
- 水分をあまりとらない子にとっては水分摂取にもなる
などのメリットがあり、正しくふやかすことで、その効果が発揮できるのです。なお、ふやかす工程でもし、フードが吸いきらない水分が残った場合は、その水分は捨てないで愛犬に与えてくださいね。残っている水分にも栄養が染み出ているので。
そんなメリットが多い「ふやかし作戦」にもかかわらず、飼い主さんの間違ったやり方のせいで、「うちの子はダメだった・合わなかった」とあきらめるのはもったいない!今一度、正しいふやかし方をしているか見直してみてください。
ドッグフードはあたためると香りが立ちやすくなり食いつきUP効果も!

ドッグフード(ドライフード)はふつうに水だけでふやかすよりも、少し温めたほうが香りが立つようになります。一度、上記のやり方でレンチンしてみたらわかると思いますが、本当にニオイがアップするんです!
もし、ふやかす目的が食いつきアップの場合で(口腔内トラブルや、胃腸のケアは対象外)、レンチンは必要な栄養素が熱で壊れてしまう…など心配な場合は、沸騰しない程度のお湯をわかし、そこに湯銭の要領でステンレス製のボウルなどに入れたフードを温めます。
このやり方だと、フードそのものに水分をふくませるのではないためふやけることはありませんが、ただ香りは立ちやすくなるので、(脂質や油脂成分などがほのかにゆるむため)試してみる価値あり。そんな方法もあると知っているだけでも、困ったときに案外役に立つものですよ。
目的や症状によって、ドッグフードのふやかし度合を変えましょう!
ここで、「ふやかす」という認識についてまとめておきたいと思います。
というのも、症状や悩み、目的によっても、どのくらいの状態のふやかし加減がいいのかも違うからです。悩みに見合わないふやかし方では、悩みが解決するはずがありません。
それに、どのレベルの状態になったフードを「ふやかした」「ふやかす」と認識するのかは、みなさんそれぞれ違いますし、ザックリ「ふやかす」といっていますが、その感覚・受け取り方は各家庭によって異なります。

水?お湯?水分の量はどれくらい?
私もいろんな飼い主さんを見てきましたが、
- 水分多すぎじゃない?
- それでふやかしたっていうのかな?というくらいカチカチのまま
- フードに水をかけただけでは…?(これはふやかすとは言いません…)
というような、「どうやることをふやかす」「どんな状態になったフードのことをふやかした」と認識しているのかは、家庭によってまったく違うとを痛感しました。
せっかくふやかすのであれば、ちゃんと有効に使えるふやかしかたをするのが一番です。具体的にふやかすレベル・ふやかし具合とどんな効果があるのか、どんな子にいいのかについて考えてみましょう。
指でつまんだら、フードの粒がつぶれるくらいの柔らかさ

指でつまむと潰れるくらいのふやかし加減は、一番使い勝手が良い、完全にふやふやにふやけた状態です。
などに有効です。
元気な子であっても、消化器官を少し休ませてあげたいときなどにも与えられますので、完全にふやふやな状態までふやかすやり方はマスターしておいたほうが、この先も安心かもしれません。ただし、歯や歯茎につきやすいため、歯磨きには注意してあげましょう。
なお、このレベルまでふやかす際の注意点は、ふやかしてからなるべく早く食べきることです。水分を含んでいるものを外気に触れたまま放置しておくと、雑菌が繁殖してしまうので注意してください。
フードの粒の芯のほうは硬いが、粒の表面のほうは水分を吸っている
ある程度、フードを水分に浸していると、フードの表面だけが水分を含んでいるものの、指でつまむと芯のほうはまだ硬い状態になります。案外、この状態を「ふやかしたフード」「フードをふやかす」と認識している方も多いです。
しかしこの場合は、シニアなど歯や歯茎が弱い子や、歯の生え変わりで口の中に不快感がある子は食べないかもしれません。

硬さがあると食べられない状態の子もいるもんね
逆に言えば、この程度のふやけ具合であれば、
くらいであれば、効果は期待できます。
ただ、このレベルのふやけ具合でも、不調改善の効果が出るケースもありますので、ふやかす時間がない・そこまでべちゃべちゃのフードを食べさせたくないという場合には、この程度のふやか具合で様子を見るのもありです。
フードの粒が硬くて・大きくてふやけない・ふやかす時間がない場合

ぬるま湯でふやかすと時間がかかりますし、ぬるま湯ではうまくふやけないケースもあります。また、水につけた状態でずっと置いておくのも、衛生面が心配という方もいるでしょうし。水分は雑菌の繁殖の原因になりかねませんので、できれば時間をかけずにふやかすのが理想です。
はたまた、レンチンの場合うまくやらないと、熱くなりすぎても困る、栄養成分が過熱によって壊れてしまう…などを気にする方もいるかもしれません。できればサッと軽く水を含ませるだけでなんとかしたいという方もいると思います。
そこで、我が家でも愛用しているのですが、フードクラッシャーってご存知でしょうか?結構さまざまなお悩みを解決してくれる超優れものです!

ひとつ持っているだけで重宝します!
この「フードクラッシャー」とは、フード(ドライフード)や硬いおやつなどをを砕くアイテムなのですが、砕くことでどんな時に役に立つかといいますと…
など多岐にわたります。
メリットはたくさんあるとはいえ、デメリットもお伝えしておきますと、
- 少量ずつしか砕けない(たくさん砕くのは大変)
- ドッグフードを砕く時に、なかなか力が必要
- 砕けるときにガリガリと結構な音がする
- メンテナンスがめんどくさい
- そんなに成犬期までの世代には、使用する機会は少ない
ことです。

時間があるときに、まとめてクラッシュしておくといいかも!
また、サイズはそんなに大きなものでもありませんので(1リットルのペットボトルのひと回り小さいくらい、500mlのペットボトルよりは大きいくさい)、場所とるわけではありませんが、一時的にふやかしたフードを与えたい場合であれば、登場する機会が少ないかもしれません。
しかし、持っているだけで、愛犬に不調があるときや、ゆくゆく愛犬が年齢をかさねた時には活躍すると思いますので、個人的にはかなり重宝するアイテムだと思っています。ちなみに、電動タイプのクラッシャーも出ていますので、手動が面倒な方は電動もおすすめです。
ふやかしやすくなる上に、香りもたちやすくなり、さらに消化の負担も軽減できる。それであれば、フードクラッシャーを使うことに対するデメリットは、音がすること・手間が増えること(音に敏感なわんちゃんは怖がるかも?)以外はメリットしかない一品です!
フリーズドライフード・すでに砕いているフードを有効活用しよう!

ふやかして食べる用の「フリーズドライフード」や、砕けた状態になっているフードも最近では増えてきました。特に、ニュージーランド産のフードは、最近はフリーズドライが増えてきている印象です。
また、香りが立ちやすくなる・硬いドライフードが苦手な子用に、ふやかす前提になっているフードもたくさんあります。
そのため、ふやかすのが手間・時間がない・クラッシャーもめんどくさい・買いたくない・ものを増やしたくないという方にはぜひ、そういったアイテムを使ってみましょう!

どんなものがあるか、ざっと紹介しておきますね
| K9 Natural | トライプ配合のためニオイが気になるかも? |
| Woof(ワフ) | トライプ配合のわりに、嫌なにおいを感じません |
| Bailey+Co(ベイリーコー) | 比較的新しいフード。ポップなパッケージ。 |
| Instinct(インスティンクト) | サプリもある◎上手に使い分けましょう! |
| Soulmate(ソウルメイト) | パッケージがかわいい!少量でも高栄養価。 |
| SundayPets(サンデーペッツ) | シンプルな原材料で、食べやすいです |
| PETBAKERY(ペットベーカリー) | アレルゲンを排除したフードです。 |
| Addiction(アディクション・低温乾燥) | Raw Alternativeというシリーズ。 低温乾燥で、ぽろぽろとほぐれているのが特徴です。 |
上記に紹介したドッグフードは、それのみで与えることもできますし、トッピングとして与えることもできます。
なお、実食している記事がありますので、気になる方はチェックしてみてください↓↓
一時的に柔らかいものを食べさせたい時は、ウェットフードを活用

ウェットフードは困ったときの救世主として、重宝するアイテムです。(かといって、あまりに頼りすぎになるのも注意が必要ですが)
長期的に与えるというよりも、本当に困ったときや一時的なつなぎとして与える程度に…という感覚で給餌するのであれば、全然問題ありません。(※ウェットフードしか食べられないシニアや、ウェットフードタイプの療法食を除く)
ふだん問題なくドライフードを食べられる子で、ただ、今は一時的に不調の回復のために柔らかいものを食べさせたい…という使い方であれば、とてもいい与え方だと思います!

ただし…注意点もあるんです。。。
しかし、好き嫌いをしていて、ドライフードを嫌がる(というだけで食べない)など、選り好みをしている場合は注意してください。
ウェットフードは香りが立ちやすいので(ドライフードよりも断然、食欲をそそります)、好き嫌いをしてウェットしか嫌としてしまう子の場合は、どんどんエスカレートして、一切ドライフードを食べようとしなくなる危険があります。
食べようとしないでいたら(いやいやをしていたら)、もっと良いものが出てくると犬も学び、フードジプシー・選り好み・好き嫌いが悪化させてしまうだけなのです。そうなると療法食すら食べてくれなることも…。十分注意して、ウェットフードは上手に使うようにしましょう。
ドッグフードをふやかして与えるメリットを最大限に活かそう!
ドッグフードをふやかして与えるのは、メリットもたくさんあります。
もちろん、歯磨きをしっかりしてあげる必要があったり、マズル周り被毛が長い長毛種の子や、敏感肌の子の場合には、ふやかしたフードを食べることで、毎回口周りに毛や皮膚にフードがついて汚れて、キレイに拭かないと
ということだったり、わんちゃんの特徴によってはデメリットになることもあるかもしれません。
しかし、背に腹は代えられないような、どうしても食べてくれない時、食べたそうなのに食べられない時などについては、ふやかして与えたほうがいいこともあります。そういった選択肢を正しく判断できる飼い主さんでいましょうね!








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