たくさんあるドッグフードの中から、どれを選べばいいのかわからない方も多いのではないでしょうか?しかし、「これだけは気をつけてほしい!」という、最低限の条件があります。
わんちゃんの体質にも個体差はあるということをこれまでも書いてきましたが、それでも個体差に関係ない、基本的な条件・犬全体にいえることもあるわけです。
クリアしておきたいポイントがあるんです
今回は、健康なわんちゃん(療法食の必要のないわんちゃん)に与える、ドッグフードの選び方の基礎から、少し応用した内容まで、詳しくご紹介していきます。
なお、いろいろ書いてありますが、犬の個体差もありますし、愛犬の体質に合うものを教えてほしい・相談したいという方は、お気軽にお問い合わせくださいね!
ドッグフードの選び方〜基本編〜
まず、フード選びの大前提として、
- 原材料を必ずチェックすること
- カロリーをチェックすること
は習慣付けておきましょう。
この2つは私がフードをご提案する際にも、必ずチェックする内容でもあります。
原材料の細かいところまで見て判断するのは、なかなか大変な作業です。そのため、原材料の上位に入っているもの(3〜5位程度まで)がなんなのかを把握しておくいうだけでも構いません。
少なくとも、なにがメインに使用されているフードなのか(=主原料がなにか)ということは、把握しておきましょう。
フードの原材料をチェックする理由
原材料はフードに配合されている材料、つまり、愛犬の体を作る材料です。
どんなものを食べているのかを把握しているだけでも、愛犬の体質を知れる・愛犬の食物アレルギーを知れるメリットがあります。
たとえば、今チキン主原料のフードを食べている場合であれば、
ラムにしたらどうなるだろう?サーモンにしたら?
と、主原料が異なるフードに替える時、愛犬にどういった変化が出るのか知ることができますよね?
(我が家の話で恐縮ですが)以前、我が家の愛犬フク子はチキンのフードを食べていました。しかし、被毛ケアをしたくて、被毛ケアに良いサーモンのフードに替えたら、実際にふわふわの被毛になってきたんです。
このように、変化を見守っていられるだけでも、愛犬にフードがどんな効果をもたらしているのかがわかります。思う効果が得られなかったとしても、それも愛犬の体質の情報のひとつです。
他にも、
この食材が入っていると、どうもお腹を壊す…
などが把握できれば、愛犬の食物アレルギーや合わない食べ物がなんなのかを把握しやすくなってきます。
何を食べてどう変化したのか、フードの名前で覚えるのではなく、どんなものを食べてどうなったかの愛犬の知識を付けていきましょう。
逆に、「この食材を食べている分には、いつも不調もなくいい感じだな」という実感があれば、フードを替える場合にも、
この原材料なら、うちの子食べられそう!
という判断ができるようになりますよね!
一方、原材料を把握していない場合には、愛犬の変化にも気付くチャンスもなく、むやみやたらにフードを替えては、「合わない…でも何が悪いのかわからない…」「よくなったけど何が良かったのかわからない…」などの繰り返しになってしまうのです。
これではどんなフードを選んだらいいのか、わからなくなってしまうのも当然ではないでしょうか?
それに、原材料と愛犬の体質を意識した考え方をしていると、
あのフードいいよ!(理由は知らないけど)
というような、周りからの漠然としたフードの評判を鵜呑みにして振り回されることも、少なくなってくるのではないでしょうか?
フードが良いというよりも、そのフードがその子にあっているから、その方は漠然と「あのフード良いよ」と言っただけなんです(多分)。(相当勉強して知識があるなら別ですが)「うちの子には合っていた」ならわかりますが。その子に良いものがうちの子にも良いのかは未知なのです。
もちろん本当によくできた良いフードもありますが、愛犬に何がどう良いのかなんて簡単には言えることではありません。だからこそ、飼い主さんが愛犬の体質を見極めるためにも、こういった原材料の内容を把握しておくことは大事なんですよね♪
フードのカロリーをチェックする理由
愛犬のフードのカロリー(○kcal/100g)を確認しておくことで、体重管理もしやすくなります。「大体なんカロリーくらい」という大まかな情報だけでも構いません。大体350くらい、370くらいという具合にアバウトでOKです。
ちなみに、カロリーと聞くとダイエットをイメージしがちですか、決してそれだけではありません。
というのも、私の知る限り(昔の私もそうだったのですが…)、カロリー(フードの種類)を気にせずに、
うちの子のごはんは1日◯グラム!
と決めてる方って結構います。計量して与えているだけ良いのですけども。
中には「目分量(適当量)」「このカップで◯杯分」という具合に、愛犬が食べているグラム数(カロリー数)を把握していないケースもあるわけで。(私が前に飼っていた犬も、目分量でした)
飼ってきた中でわかる・飼い主さんだからこそわかる「与える量の感覚」もあると思いますし、これまでの実績で得た感覚も大事だとも思います。ただ、本来は食べるグラム数・量ではなく、愛犬に1日に必要な総カロリーにフォーカスする必要があるのです。
家庭によって全然違うんですよね
…考えてみてください。フードによってカロリーは異なります。ステーキ100gとサラダ100gではカロリーが違うわけで。
たとえば、今まで食べていたものが340kcal/100gで、次替えるフードが370kcal/100gだったとしたら、今回与えるフードの給餌量は、以前より量を減らさなければなりません。
しかし、「うちは◯グラム」と決めていて、これまでと同量を与えてしまうと、単純に摂取総カロリーが増えるのですから、愛犬が太りやすくなります。(逆もしかり。いつもと同量なのに痩せる…というケースも。。)
いつも通りの生活なのに!
他にも、食が細い子なら、少しの量でもカロリーを補えるように今より高カロリーのフードを与える、ダイエットをさせたいなら前のフードより、低カロリーのものにするだけで、同量食べても必然的に摂取カロリーが減って、痩せやすくなるわけです。
このように、カロリーを気にしておいてあげないというだけで、知らないところで愛犬に負担をかけることになってしまいます。(ちなみにパッケージにある給餌量目安は運動量や体質によって前後しますし…)
特に食べたがる子や、食事量に問題がない子にもかかわらず、飼い主さんが今回選んだフードが前のフードよりも高カロリーのものになっていたら、当然、いつもより量を減らしてあげないといけないわけです。
もっと前はくれてたじゃない!
否応なしに愛犬に与える量が減ってしまうわけですから、それを見て可哀想と思う人もいるのではないでしょうか?ダイエットでも、フードの給餌量を減らすのではなく、カロリーが低いフードにするだけでも効率的にダイエットできるわけで…。
どれくらいのカロリーのものを、なんグラム愛犬に与える必要があるのかを意識しておくことで、悩みに合わせてフードを決められるポイントになってくるので、参考にしてくださいね。(私も昔、これで失敗して想定外に愛犬の体重が落ちたことがありました…。)
ドッグフード選びでチェックしておきたい3つのポイント
フードを選ぶ時に、必ずクリアしておいてほしい条件が3つあります。
(これは先ほどお伝えした、「原材料」に関係するお話です。)
- 主原料がフレッシュミート(生肉・生魚)であること
- 小麦・とうもろこし(コーン)を使用していないこと
- 化学合成添加物が使用されていない(=無添加)であること
これらは、ライフステージ問わず、健康なわんちゃんであれば、基本的に外せない条件だと思ってください。
療法食の場合はこれに限りません
フードに使用されている原材料は、愛犬の体・健康に直結するものです。だからこそ、しっかり見極める目を持っている必要があります。
でも、なぜこの3つは必ず守って欲しいとお伝えしているのか?!しっかり学んでおきましょう。
主原料はミールやドライ肉などではなく「フレッシュミート」
フレッシュミートとは、生肉や生魚(鮮魚)のことを指します。
鶏肉、サーモン、まぐろ、鹿肉、ラム肉、馬肉、牛肉、白身魚…など、挙げればキリがないのですが、加工されていない、生の状態のお肉(魚)(=フレッシュミート)が主原料になっているものを選びましょう。
というのも、主原料に生のお肉や生のお魚などではなく、「ドライ◯◯肉」「乾燥◯◯肉」「◯◯ミート」といった「肉もどき」というか、
これは肉なの?
というものが使用されているフードが、たくさんあるのです!
私も昔は乾燥◯◯肉、◯◯ミートという言葉の意味をわかっていませんでしたが、フードの勉強をしてビックリしました…。なぜなら、乾燥肉やミールは残渣・可食部の切れっ端からできているんですもの。
見方(確認の仕方)を参考までにご紹介しますと…
いい例①
主原料が生肉
いい例②
主原料が生肉でミールも使用
一番目に肉・魚になっていればOK!
避けたい例①
主原料が乾燥肉(ドライ○○肉)
避けたい例②
主原料がミール
こういうの結構あるからしっかり確認してね!
詳細はこちらをご確認いただきたいのですが(メリットデメリットも記載してあります)、ミールやドライ◯◯肉(乾燥肉)って、肉であって肉ではありません。正確には元肉なだけ。犬が本来食べていたものではなく、人が加工して作った副産物です。
副産物がダメとはいいませんし、ミールやドライ肉にもメリットはあるのですが、主原料(メインとなる食材)がそういったものだと、風味も嗜好性も落ちるし、栄養価も崩れるし、理想的なフードとはいえません。
逆に、主原料がフレッシュミートであることで得られるメリットの方が、断然に多いんです!
などがあり、犬本来の食生活に近い食事ができます。
そもそも犬が食べてきたものだもの
ミールやドライ肉などの場合は、香りが足りなくなりやすく、香り付けに脂質を余分に追加していたり、加工過程で壊れた栄養素を補充したりと、なんだかんだ色んなものを配合するハメになるわけで…。
中には、フレッシュミートからミールにしている・ドライ肉にしているということを売り文句にしているフードもありますが、ミールやドライ肉の製造工程を考えると、フレッシュミートからミール加工していようが関係ありません。(むしろそのまま使って欲しいわけで。)
ミールやドライ肉は、悪いものとはいいませんが、せめて主原料は生肉のものだと嬉しいなぁと思います。見方の例で挙げたように、主原料が生肉で、その他にミールも配合ならOKですよ!
セットで覚えておきたいポイント!「良質なたんぱく質」とは?
良質なたんぱく質とは、体で生成することができない必須アミノ酸がバランスよく入っているたんぱく質のことです。(たんぱく質はアミノ酸でできています)
その前提で、必須アミノ酸のバランスがいい食材・良質なたんぱく質が摂取できる食材は、「アミノ酸スコア」でアミノ酸価が100(満点)に近い数値の食材のことを指します。
「アミノ酸スコア」の15ページ目以降、魚・肉が出てきますが、見事に100続きなのがわかります!ですので、主原料が肉や魚になっているものを選んでほしいのです♪
必須アミノ酸のバランスがいい、ミールや乾燥肉ではないもの(=フレッシュミート)で、犬の体作りの土台になる良質なたんぱく質を取る必要があります。
アレルギーの原因になりやすい小麦やコーン配合のものは避ける
小麦やコーン(トウモロコシ)が配合されているフードもたくさんあります。しかし、結論からお伝えしますと、小麦やコーンは犬が持ち合わせる消化酵素では分解しにくい成分を含んでおり、アレルギーの原因になりやすい食材です。
こちらの記事でも触れていますが、フードメーカーはその事実に触れることなく、
たんぱく質・ミネラルのバランスが良い
など、あたかも犬に良いものかのように記載しています。
たしかに、小麦やコーンはたんぱく質や糖・ミネラル分をバランスよく含んではいますが、犬に必要な必須アミノ酸が取れるわけでもありませんし、先ほどお伝えしたように、消化がうまくできない危険もあるわけですし。
メーカーの言い分、おそるべし…
とはいっても、たんぱく質はたんぱく質ですから、メーカーにとっては詳細の必須アミノ酸のバランスなんて関係ありません。
そもそも、AAFCOなどのフードの栄養価の規約にも、必須アミノ酸のバランスなどの制約はないので、別にメーカーも嘘ついているわけでもないですしね。
なぜ小麦やコーン・トウモロコシがよく配合されているの?
でも、なぜそんな小麦やコーンが使用されているのでしょう?簡潔に答えをお伝えしますと、
安いからです。コスパが良いからといいますか…。
安い原材料でフードのかさ増しもできるのですから、メーカーとしては安くお客さんに提供できますよね?(そこそこのお値段のフードでも、ミネラル分の多さなどの正当な理由から、コーンなどを配合しているケースもありますが。)
安いフードのからくりです…
生のお肉やお魚をフードに配合すると、いうまでもなく値段は高くなりますが、小麦やコーンであればお肉ほど高額になることはほぼありません。メリットもありますし、食べてはいけないということでもないのですが…。
そのうえ、先ほどお伝えしたように、必須アミノ酸などの詳細を栄養価を考えなけなければ、表面上の栄養価・数値的な栄養価はAAFCO規定の栄養価(以下の成分)をクリアできるようには作られています。
AAFCO推奨・成犬 | AAFCO推奨・パピー | |
たんぱく質 | 18.0%以上 | 22.5%以上 |
脂質 | 5.5%以上 | 8.5%以上 |
粗繊維 | MAX4% | MAX4% |
灰分* | 設定無 | 設定無 |
水分 | 10%以下 | 10%以下 |
数字のからくりだね
ただし、これまでの解説からもわかるように、安いとはいえ、
- 本当に犬に必要な栄養成分が摂取できているのか?
- アレルギーは出ないのか?
- 健康な体作りに問題ないのか?
などを考えると、自ずと答えは出てくるのではないでしょうか?
ドラッグストアやスーパー、ホームセンターなどで購入できるようなフードは、この手のものが多く、万一の天災の時やいつものフードを入手できないような状況には、否応なしにこういったものを与えなければならない状況も出てくるかもしれません。そのため、
うちはずぇっっったいに与えません!
としてしまうと、緊急時に食べるものがなくなってしまいます。しかし、だからといって、率先して与える必要もないとは思います。
たとえ、今はアレルギー症状(お腹の不調、涙やけ、皮膚炎など)が出なかったとしても、キャパオーバーになって、ある日突然アレルギーを発症する可能性もありますし、良い筋肉となり、血、骨となり…という原材料ではない面もあるので、注意しておきましょう。
いずれにしても、犬にとってうまく消化できない食材であることは間違いありませんので。
保存料・香料・着色料などを使用していない「無添加」のもの
化学合成添加物が使用されていないものを選ぶようにしましょう。
とはいえ、化学合成添加物の概念にも、規定が曖昧な部分があったり、人によってどう感じるかは異なったりするため、絶対とは言いませんが。
たとえばですが、ある化学合成添加物に
- 1日〇グラムまでなら、健康に影響はない。
- 多く摂取をすると、発がんリスクが上がります。
という条件があったとします。
こういった添加物の議論・規定は、研究中・協議進行中でどっちつかずのものも多いのが現状です。今までダメと言っていたものが問題ないとなることもありますし、これまでOKだったものが突然使用禁止になることもありますし…。
さて、ではこういった条件下で、この表記を、
〇グラムまで大丈夫だったら、気にしない!
という人もいるでしょう。しかし一方では、
なんグラムだろうと与えたくない…
という人もいるのではないでしょうか?
そういう規定になんだから大丈夫、少しでも危険性があるなら嫌という人もいますよね。自分が食べるのは気にしないけど、愛犬のためとなると避けたいという意見もありますし、正解はありませんが…。そもそも、添加物論議そのものがどうでも良い人もいるでしょうし。
「ドッグフードに配合される程度の量なら問題ない」という理由から、化学合成添加物を使用しているドッグフードは多々ありますし、反面、懸念して一切使用していないドッグフードもあります。
だったら、使用してないものの方が良い!
今ここでお伝えしているのは、「安全で安心して与えられるか」というお話ですから、結論としては与えない方がいいと言わざるを得ません。人間にとっては少量はOKだとしても、犬の体格(人間よりも小さい体であること)を考えると、やはり影響を及ぼす危険もあるからです。
実際に化学合成添加物が原因でアレルギーが出る子もいますし、摂取し続けることで発がんリスクが上がるものもあります。
私の知り合いの15年フード業界にいた人もいっていました…(15年色んな犬を見てきた方が、肌で感じたご意見です。)
添加物の食べ物食べている子は、ガンになる子が多かった
…化学合成添加物って言葉のとおり、自然界には存在しないもの・人の手で合成して新しく生み出した物質のことで、なにが起こるか未知数なものであり、無害なことが確認されているものもありますが、研究中のもの・議論中のものもあるので、やはり100%安全とは言い切れません。
個人的に一番有り得ないのは、着色料と発色剤です。そもそも犬にとっては、食べ物の色は関係ありません!
人間からみたら、キレイな色をしたおやつやドッグフードって、見た目もよく美味しそうに思いますが、犬は匂いで食べ物を食べています。つまり、色なんてどうでも良いのに、色が可愛い・美味そうという理由で人間が勝手に着色しているだけなんです!
犬にとっては超余計なお世話!
あるいは、質の悪い原材料を使用しているのがバレないように、カモフラージュするために、色をつけたり発色剤で色を出して、粗悪な質であることを隠しているケースもありますし。
しかも、着色料や発色剤ってあまりいい成分ではありません。
天然由来のもので色付けしているケースもありますが、絶対に問題ないというわけではありません。日本で許可されているものが、海外では禁止されているなんてこともたくさんありますし。日本は世界的にも添加物大国ですし…。
「無添加」という言葉のからくりにも要注意!
無添加!と堂々記載してあるものであっても、原材料を確認してみると、「これで無添加っていえるんだ…」というものもたくさんあります。それでも、無添加って聞くと、良いもの・安全というイメージをお持ちの方もいるのではないでしょうか?
たとえば、カラメル色素。
カラメル色素はちょっと特殊な添加物で、厚生省・農水省では「既存添加物」という位置付けの添加物です。といっても、既存添加物ってなに?って話なのでご紹介します。
少々お堅い話で恐縮です…
<指定添加物>
食品添加物は、化学的合成品や天然添加物など製造方法の違いに係わらず食品衛生法第12条に基づき、厚生労働大臣が安全性と有効性を確認して指定した添加物でなければ、使用することができません。指定添加物は、食品衛生法施行規則別表第1「指定添加物リスト」に収載されています。<既存添加物>
長年使用されていた実績があるものとして厚生労働大臣が認めたものを「既存添加物名簿」に収載し、引き続き使用することを認めています。 品名や基原、製法、本質などは、「既存添加物名簿収載品目リスト」に収載されています。 安全に問題のあるもの、使用実態のないものについては、名簿から消除されることがあります。
既存添加物には、長年使用してきた実績をもとに、不具合が出る可能性がない添加物という意味があります。つまり無添加と謳える物質です。
一方、摂取量の上限が決まっていて、一定量以上を摂取するとよくないとされる添加物であっても、使用が認められている添加物を「指定添加物」と呼ぶのですね。一定量まで大丈夫=表記指定はあるけど、とりあえず使ってもOKというニュアンスというか…。
でも、今までOKだったのが急にダメになることも…
そんな、カラメル色素も、実は賛否両論ありまして…。一部では発がん性リスクがあるとも言われている側面もあり、無添加を名乗るにはグレーゾーンなところもあるのです。
本当に「こんなものが入ってても無添加って言えるのね?!」と、目を疑うようなものもあります。これがまさにドッグフードの盲点といいますか…。ドッグフードって「雑貨」というポジションなので、人間の食べ物ほど厳しいルールもありませんし。
法の隙間をかいくぐって、無添加を売りにしているだけなんですよね…。言葉だけ・パッケージだけの無添加という言葉に惑わされないためにも、やはり原材料の確認はしておいて損はありません。
そもそも「化学合成添加物」と「天然由来の添加物」とは?
「添加物」という言葉には、
という、2つの意味(タイプ)があります。
大半のフードが、不足するビタミン・ミネラルを補うために、「添加物」を使用しているのですが、ここでいう添加物(ビタミン・ミネラル)はサプリメント的な意味合いのことで、食べ物から抽出されたもの。ですので「避けたい添加物」には該当しません。
フードの原材料に出てくる、ビタミン類やミネラル分は添加物は添加物ですが、天然由来添加物なので食べてもOKな成分ということです。(一部ビタミン・ミネラルの添加すらないフードもありますが、めちゃくちゃ栄養価低いです)
ちょいとややこしい話ですが頑張って!
ちなみに、ペットフードで無添加を名乗れるのは、化学合成添加物不使用の場合となっています。ですからは体に優しい天然由来の添加物はOK。
なのですが!天然=絶対安全とも言い切れない側面もあるんです。なぜなら、これまでOKとされていた天然由来のものが、急に使用禁止に一転したこともあるので…。
個人的にですが、原材料を見ていて、何これ?と思うカタカナ表記のものやアルファベット表記のものは、一度調べてみることをおすすめします。(が、それはとてつもなく面倒なことだと思いますので、困った時はご相談くださいね♪)
「避けたい添加物」一覧表!与えている食べ物の原材料を確認してみて!
化学合成添加物といっても、どんなもののことをいうのかわかりにくいこともあるので、一覧にしてまとめてみました。
フード・おやつ選びの参考にしてくださいね。
酸化防止剤 防腐剤 保存料 |
菌の繁殖や風味が飛ぶのを 防ぐためのもの |
エトキシキン 没食子酸プロピル BHA BHT エリソルビン酸ナトリウム 亜硫酸ナトリウム ソルビン酸カリウム pH調整剤 |
保湿剤 | 水分が飛ばないようにする 潤いを与えて密着性を上げる |
プロピレングリコール ソルビトール ※甘味料としても使用されることもある |
着色料 発色剤 |
フードに色をつける | 亜硝酸ナトリウム 二酸化チタン 黄色4号、黄色5号、黄色6号 赤色2号、赤色3号、赤色40号 赤色102号、赤色105号 青色2号、青色2号、青色102号 など |
香料 甘味料 その他 |
フードに香りをつける | グリシリジン・アンモニエート(甘味料) 合成調味料(香料) (由来のわからない)香料 |
凝固剤 ゲル化剤 |
フードを固める | カラギーナン キサンタンガム グァーガム |
人間の食べ物にも入っているんだけどね…
凝固剤などは、ウエットフードなどゆるくなりがちなものに配合されていることが多いですね。ご紹介した凝固剤は海藻由来(=天然由来)のものですが…実際はこれらも賛否あります。
たとえば、カラギーナン。これは発がんリスクが懸念されている添加物です。(最近では凝固剤の代わりに、寒天などを使用しているものもありますので、そういったものにしたほうが安心は安心だと思います)
これを書き始めると、とんでもない情報量になりますし、フードではなくただの添加物論議になるので、気になる方は、以下のサイトに詳細の解説がありましたので、ご確認ください♪
ドッグフードの選定に役立つ「プラスα」のポイント
先ほどお伝えした3つの条件をクリアしたら、次はフードの特性や、使用されている原材料、フードの製法なども見てみましょう。
プラスアルファなところからも、愛犬にどういいか、愛犬にはどういった要素が必要なのかを見極めて選んでいきます。
そのポイントを先にまとめてご紹介してみますと…
などがあります。
ドッグフードメーカーの公式サイトがあれば、こういった詳細の情報を開示していると思いますので、チェックしてみてくださいね。
では早速、それぞれの詳細を掘り下げてご紹介していきます!
人が食べられるクオリティーの原材料「ヒューマングレード」
最近では、ドッグフードに使用する食材がヒューマングレード(=人が食べられるクオリティーの品質)のものも増えています。
人間の食用の肉・魚です。中には野菜や果物もオーガニック・無農薬なんてものもありますし、生産者の情報が公開されているもの、農産物の産地や魚の水揚げ漁港を公開しているものも、飲食店で採用されているHACCP(ハサップ)対応(トレーサビリティ対応)のものもあります!
いうまでもなく、ヒューマングレードではないフードに比べると価格も高くなってしまいますし、中には
犬にそんな贅沢、やりすぎじゃない?
と感じる人もいるかもしれませんが、これは別に、贅沢のためというわけではありません。
というのも、世の中には質の悪い肉や魚、野菜などを使用したドッグフードがたくさん出回っているからです。以前紹介した記事にもある、可食部ではない残渣を使用したミールやドライ肉(乾燥肉)はもちろん、
- 肥育ホルモン剤を使用した肉・魚(これならまだいい方)
- 4Dミート
- 品質の落ちた、人間には食べらえないレベルの傷みかけの食材、売れ残り
などもあります。
日本が採用しているドッグフードのAAFCOの基準やペットフード公正取引協議会、ペットフード安全法では、農薬や添加物に関する規定はありますが、ドッグフードに使用する原材料(食材)の品質にまでの規定はありません。
ヨーロッパのFEDIAFはもう少し厳しいんだよ
もちろん、食材の品質がどうの・食材の調達先がどうの関係なく、問題なく食べられる子もいますし、特に不具合が出ることもない子もいますし、そもそもそこまで気にしないという人もいます。
ですので、ここでは、その良し悪しを問うつもりはありません。
ただ、なぜここでヒューマングレードのお話をしているのかというと、品質が良いことによって、犬に得られるメリットがたくさんあるからなんです。
- 消化しやすく、胃腸の調子が安定する
- 高い栄養価が摂取できる(効果的に栄養価が吸収できる)
- 食いつきが良くなる、食に興味を持っていられる
など、愛犬の健やかな生活に貢献してくれることばかりなんですよね。
質の良くないものだと、思った効果が得られないことも…
ひと昔前までは、犬のごはんは残飯なんてことも当たり前でしたが、それは残念ながら日本のペット文化が海外より遅れているからですし、今は欧米ではペットも家族でありパートナーという考えが定着しています。
やっぱり愛しい存在の愛犬には、1日でも長く健康に元気にいて欲しいという思いは、飼い主さんとしては誰しもあるのではないでしょうか?(虐待する人もいるようですが…)
だからと言って、必ずしもヒューマングレードでなければならないなんてことはありませんが、愛犬の血となり肉となるわけですから、質のいい原材料であることにこだわるのもありだと思いますよ♪
不要なオイル加工をしていない!ノンオイルコーティング
オイルコーティングに関しては、こちらの記事に記載してありますので、ご参照ください。発がんリスクやフードの劣化などに関するお話なので、ご一読いただけると嬉しいです。
ちなみに、サーモンオイルや鶏脂、○○油(米油、キャノーラ油など)の記載があるものすべてをオイルコーティングといっているサイトもありますが、何由来かしっかりわかっている油分・油脂であればそれは、コーティングではなく、配合です。
オイルコーティングとはあくまで、フードが形成され最終工程で余分にオイルを吹きかけて、フードの粒に後から油脂を含ませる工程のこと。誤った情報に惑わされないようにしてくださいね。
フードの製法!低温調理、高温調理など特長はさまざま!
フードの製法もさまざまあります。市販でよく見かけるフードの製法に関する詳細は、こちらに記載してありますのでご一読ください。
念のため今一度少しご紹介しておきますと、一般的なフードは高温高圧製法のものが多いです。高温で一気に食材を加熱して、高圧をかけてフードを整形していきます。短時間で大量生産できるので、この製法を採用しているメーカーも多いのでしょうね。
また、少数派ですが、低温低圧製法のフードもあります。これは高温製法の逆で、低温でゆっくり食材を加熱・加工する製法です。高温にしないため、熱に弱い栄養成分を壊さず、風味も飛ばさないようにできるメリットがあります。
開封した時の香りが本当に別格です!
時間がかかる製法ですから、フードの値段も高温製法のものに比べるとやや高めになってしまいますが、
- 食に興味を示さない子
- 好き嫌いが多い子
- フードをえり好みしてしまう子
- 食欲が低下気味な子
などでも、あまりの香りのよさに、思わずがっついて食べてしまうなんてこともあるんですよ♪
また、最近ではエアドライ製法やフリーズドライ製法で、ふやかして与えるものなども出てきています。エアドライブやフリーズドライは熱を最低限しか使わない製法ですから、鮮度の良い食材でしかできない製法です。
原材料の鮮度にこだわりがある方は、試してみてはいかがでしょうか?余計な熱加工などもしていない分、高栄養価ですしね♪ただし独自の加工技術や、その食材のよさゆえに、値段は高くなってしまうこともあります。
それだけのメリットもあります!
愛犬が不調な時やシニア犬などあまり量を食べられなくなってきている子などには、少量食べるだけでも栄養がしっかり取れたり、ふやかして与えるがゆえに香りが立ちやすく食欲をそそったり、食べやすかったりというメリットもあるんです。
常にそういった特殊製法のものを与える必要はありませんが、体調が悪い時のため、あるいは特別な日(お誕生日など)のために2、3持っておくのはありだと思いますよ♪
エアドライもフリーズドライも賞味期限はそこそこありますし、すぐに傷んでしまうようなものでもありませんし、かさばらず軽量なので、天災などを含めた万が一の時の備え・非常食にもおすすめです。
「アレルギー対策」のフード・「◯◯フリー」のフード
犬がアレルギーを発症しやすい食べ物があります。最初にお伝えしたような、小麦・トウモロコシ(コーン)の他にも、まだまだたくさんあるんです。
体質によってアレルギーが出ない子もいますが、敏感な子は注意しなければなりません。また、アレルギーはないと思っていても、フードを替えてしばらくしたらアレルギー症状(皮膚炎、お腹の不調、涙やけなど)が出ることもあります。
あるいは、フードを替えていないのに突然アレルギー症状が出るということも!人間の花粉症と同じく、特定のものを摂取し続けることで、その成分を受け入れるキャパがオーバーしてしまい、アレルギーが出てしまうケースです。
今まで大丈夫=今後も大丈夫というわけではないのだね
そんなこともあって、最近ではアレルギーに配慮したフードも多数出てきています。
- グルテンフリー(小麦不使用)
- グレインフリー
- 大豆フリー
- ポルトリー(家禽類)フリー
などもアレルギー対策には有効です。
または、追ってご紹介しますが、「単一たんぱく源」のフードもアレルギー対策には有効とされています。
と、ここで!!◯◯フリーなどアレルギー対策フードについて解説する前に、まず先に、犬にアレルギーが出やすいといわれている食材をご紹介しておこうと思います!その方が納得できると思いますので。
犬が「アレルギーを起こしやすい食べ物」ってどんなもの?
犬がアレルギーを起こしやすいとされている原材料(抗原物質・アレルゲンの多い食材)を、一覧表にしてご紹介します。実は犬がアレルギーを発症しやすいものは、人間とほとんど同じなんですよ。
アレルギーには個体差があるため、「うちの子は平気」という場合もあるとは思います。しかし、先ほどお伝えしたように、長期的に摂取することで、突如アレルギー症状が出ることもあるので注意が必要です。
以下のような食材が使用されているドッグフードは、極力選ばないようにした方がよいでしょう。選んだとしても、長期的に与えない方が良いかもしれませんね。
こんなもの、与えていませんか?
穀物 |
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肉、魚 |
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乳製品 |
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卵 | 特に生卵の白身は与えてはいけません! 加熱していれば問題ないなんてことも言われますが、 ダメな子はダメなので要注意! |
フルーツ・野菜 |
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生涯これらが平気な子もいますよ♪
誤解のないようにお伝えしておきますが、鶏肉やイモ類は大丈夫な子も多いですし(ヒヤッとした方ごめんなさい)、上記のようなものでも、おやつなどの少量であれば問題ありません。
ただ、可哀想なことに鶏肉がダメな子も結構います。鶏肉がダメだとポルトリー(家禽類:七面鳥、ダックなどを含めた鳥全般)にアレルギーが出ることもあるため、ポルトリーフリーを売りにしているものもあるんですね。
チキン・鶏肉がダメとなると、必然的にフードの値段も上がる傾向があるので、飼い主さん泣かせではありますが…。こればっかりは仕方ないことですよね。。
かわいい愛犬のため頑張ります!
また、大豆フリーも大豆にアレルギー発症リスクがあるからなのですが、無論、ここに記載したもの以外でも、特定のものにアレルギー反応が出る子もいます。
食材ではないので、一覧表には記載していませんが、化学合成添加物もアレルギーを引き起こしやすいので避けておいた方がなおよしです。いずれにせよ、最初にお伝えしたように、小麦・コーン・化学合成添加物はできれば避けておいた方がよいでしょう。
なお、ここでご紹介したものは、玉ねぎやチョコレート、ぶどうのような、犬に絶対的にNGなものでもありませんので誤解なきよう。
グレインフリーフード(grain free:穀物不使用)
穀物にアレルギーが出てしまう子もいるため、グレイン(grain=穀物)フリーになっているフードも最近では多数出ています。少し高いのですが…。
穀物には、ミネラル・ビタミンが豊富なので、大麦・ひえ・きび・あわ・黒米・赤米などを配合しているフードもあるのですが、アレルギーが出ないとは言い切れません。
というのも、犬の体は、穀物(穀類)を消化するのに必要なアミラーゼ(消化酵素)をあまり持ち合わせていません。これは小麦・コーンのところでもご説明したことですが。
食べられる=大丈夫ということではないのね…
食べることはできても、消化がちゃんとできるのかは別のお話。苦手な子の場合、消化器官の負担となり、消化不良に繋がりアレルギーとして症状が出てしまいます。
お腹の調子が安定していないと、アレルギーが出ることもあるので、消化活動が順調におこなえているかどうかは重要なポイントです。
※ちなみに、グルテンフリーに関しては、「アレルギーの原因になりやすい小麦やコーン配合のものは避ける」の内容で網羅されているので、詳しい解説は割愛いたします。
「単一たんぱく源」とは?なぜアレルギー対策に良いの?
単一たんぱく源とは、ひとつのたんぱく源のみに絞ったもののことを言います。
といわれてもわかりにくいですよね。たとえば、
などです。
もっとイメージしやすいように、単一たんぱく源のフードの例をご紹介しておきますね!
単一たんぱく源の例①
鶏肉以外の肉・魚は不使用
単一たんぱく源の例②
サーモン以外の肉・魚は不使用
複数のお肉・お魚が入っているわけではないよね!
念のため、単一たんぱく源ではないフードはというと…
単一たんぱく源ではない例①
色んな動物のお肉を使用
単一たんぱく源ではない例②
色んな動物のお肉を使用
こんな感じです。主たんぱく源が1種類のみで、他の動物性のたんぱく質を含んでいないフードを指します。
そもそも、アレルギーは体に合わないたんぱく質に反応して起こると言われています。(もちろん、原因はたんぱく質だけではありませんが)主原料のお肉やお魚のたんぱく質が合わないことで、アレルギー症状が出てしまっている子は多いものです。
逆に言えば、たんぱく質を複数のお肉や魚から取っていれば、それだけアレルギーが出る可能性も上がるということ。アレルギー体質な子の場合は、配合されている原材料が多ければ多いだけ、そのリスクも上がります。
なるほど、シンプルな方がいいんだね
アレルギー対策で大事なことは、愛犬にアレルギーが出るものを与えないこと。アレルギー症状が出ると、どうしてもなににアレルギーが出ているのか知りたくなると思います。もちろん、わかるに越したことはありません。
でも、アレルゲン(アレルギーが出るもの)の特定が難しいケースもあります。その場合は、アレルゲンを特定することにフォーカスするのではなく、アレルギーが出ないものを与えるようにするだけでOKなのです。
だからこそ、動物病院でも、主原料のたんぱく質を置き換えてアレルゲン(アレルギーの原因となっているもの)を特定する除去食検査があるのです。
ちなみに除去食検査とは…?
一定の期間、過去に食べたことがない成分の動物病院専用療法食とお水だけの生活をおくり、症状の改善があるか確認します。
症状の改善誤に今まで食べていたフードに替えて、症状が再発した時は診断が確定されます。
簡単にいうと、消去法的にアレルギーが出る可能性があるたんぱく源(肉・魚)を抜いて、他の物に差し替えていくことで、何に反応が出ているのかを特定していきます。
単一たんぱく源にすることで、愛犬が確実に食べられるたんぱく源のみにしぼれますので、アレルギーリスクを抑えることができるわけです。
色んな食材にアレルギーが出る子はこういった、シンプルな原材料(たんぱく源)のフードにすることで対応もできますので、参考にしてみてくださいね。
プロバイオティクスの有無・プレバイオテイクスとのバランス
うんちの状態も、愛犬の体調を知れるバロメーターです。お腹の調子を整えるためのプロバイオティクス(乳酸菌など)の配合の有無もフード選びのポイントといえます。
先ほどアレルギーのところでも少し触れましたが、消化がうまくおこなわれていないと、免疫が反応してアレルギー症状が出てしまうことがあり、お通じが不安定になるということは、なんらかの不具合が起きた証拠です。
もちろん、お腹の調子が悪くなるのはアレルギー症状だけが原因ではないので、決めつけてはいけませんが。
うんちの回数・状態も重要なシグナルなんだね
アレルギーではない理由でお腹を壊している場合は、
- 冷えてしまった
- たまたま何か悪いものを口にしてしまった
- 寄生虫などの原因
- なんらかの病気が潜んでいる
なども考えられます。本当に一時的な不調の場合もありますが、血便などの場合はアレルギーではない可能性もあるますので、ただちに動物病院に連れて行ってあげるようにしてくださいね。(※一時的な要因で血便になるケースもあります)
ただし!ここからが重要なお話です。
「プロバイオティクスが入っていればOK」というわけではありません!
オリゴ糖や乳酸菌、ビフィズス菌、発酵菌などが入っていればなんでもOKというわけでもありません。
まず、プロバイオティクスの定義を、引用してご紹介します。
「プロバイオティクス」とは
最初に一般的となったプロバイオティクスの定義は、英国のフラー博士が1989年に発表した「腸内フローラのバランスを改善することにより、人に有益な作用をもたらす生きた微生物(有用菌)」というものです。後に、プロバイオティクスの作用をより広範囲にとらえた「十分量を摂取したときに宿主(ヒト)に有益な作用をもたらす生きた微生物」が国連の食料農業機関(FAO)と世界保健機関(WHO)による2002年の合同会議で採択され、現在ではこの定義が主流になっています。
引用元:ヤクルト中央研究所
腸内フローラを整えるとかってよく聞くよね♪
でも、このプロバイオティクスは、先ほどご紹介した乳製品由来のものが使用されることも多いのが難点…。。乳製品が合わない子は、こういった乳製品由来のものが入っているだけでも、アレルギー症状が出てしまうこともあるので注意が必要です。
乳酸菌と聞くと乳製品をイメージしてしまいますが、乳製品にアレルギーが出ることを加味した上で、乳製品ではないものから抽出した乳酸菌を配合しているフードもあります。
あるいは、犬の体内に元から存在している(人間の体内にも存在している)
- ラクトバチルスアシドフィルス菌、ラクトバチルスロイテリ(乳酸菌)
- ビフィドバクテリウムアニマリス、ビフィドバクテリウムラクティス(ビフィズス菌)
などを使用しているものもありますので、乳製品にアレルギーが出る子にはおすすめですよ♪
体内に元からある成分なら安心!
また、オリゴ糖に関しても、牛乳に含まれる乳糖(ラクトース)などの可能性も否めません。
しかし、チコリ根、ゴボウ、アスパラガス、トマト、バナナなども新鮮なものであれば、天然のフラクトオリゴ糖が含まれていますので、なに由来かわからない「オリゴ糖」としか書かれていないものを与えるよりも、こういった食材が使用されているものを選ぶだけでもいいと思います!
アレルギーが出やすい子は特に、原材料の一覧をくまなくチェックして、こういった点にも気をつけておくようにしてくださいね。
「プロバイオティクス」と「プレバイオテイクス」のバランスが重要
プロバイオティクス・乳酸菌・ビフィズス菌・オリゴ糖などのお話は、人間でいう「腸活」にあたるお話です。
そこで思い出してみて欲しいのですが、トクホ商品やこういったプロバイオティクス製品には必ず、「摂取しすぎるとお腹がゆるくなることがあります」という注意書きがありませんか?
急に特定の整腸作用があるものを多く摂取してしまうと、体が慣れておらず、作用に対応しきれずに、お腹が緩くなってしまうということもあるからです。しかし、それ以外にも原因がありまして…。
よかれと思ってやったことでお腹壊したら本末転倒ですよね…
実は、プロバイオティクスはプレバイオテイクス(=食物繊維など)とのバランスが大事なんです!ちなみに、プレバイオティクスとは…
プレバイオティクス(prebiotics)は難消化性のオリゴ糖や食物繊維など、食べても胃や小腸で分解・吸収されずに大腸に到達し、大腸に生息する微生物の餌になる食品成分のこと。腸内菌叢(フローラ)に働きかけて腸内環境を整える整腸効果、食後の血糖値や血中中性脂肪の上昇抑制、肥満対策などの機能を発揮する。
引用元:日経バイオテク
とあり、簡単にいうと、プレバイオティクスは、プロバイオティクスのエサになる成分のことを指します。
で??つまりどういうこと?
つまり、この理論を逆に考えれば、プレバイオティクスとプロバイオティクスのバランスがよくないと、整腸作用が正しく発揮されないということなんです。
たとえば、プレバイオティクス(フードの成分の粗繊維量)が少ないフードを食べている場合、一生懸命、乳酸菌などを摂取したところで、腸内環境は整いません。むしろ、軟便になってしまうだけなんです。
条件が揃ってこそ、最大に整腸作用が発揮されるので、多くあげたらいいというわけでもありません。しっかりプレバイオティクスとのバランスを意識して摂取させるようにしてくださいね。
グルコサミン・コンドロイチンなどの「関節ケア成分」の有無
関節ケアと聞くと、シニア犬が一番に思い浮かぶと思いますが、他にもパテラ(脱臼)になりやすい犬種、ヘルニアになりやすい犬種もいます。
そういった子には、関節ケアに良い成分が入っているフードを選ぶのがおすすめです。ただし、関節ケア成分のグルコサミン・コンドロイチンなどが入っているフードはあるにはありますが、そんなにたくさんあるわけでもありません。
そのため、もし、良いなと思うフードがあっても、関節ケアに心配があるような場合には、サプリメントなどを適宜利用してみるのもいいですね♪
侮れない要素!「粒のサイズや形状」で食いつきが変わることも
ドッグフードの粒は、サイズも形状も本当にピンキリです。大型犬向きの12~16mm程度の大粒のものもあれば、5~8mm程度の小粒タイプのものもありますしね。愛犬の口のサイズに合わせた粒のサイズのものを選ぶようにしましょう。
早食いしてしまう子は大粒にしたらしっかり噛むようになることもありますし、逆にどんなサイズでも丸飲みしてしまうような子は、消化しやすさを考えて小さ目のサイズを選ぶのもアリ。シニア犬や小型犬は大きすぎると、噛めなくて食べないなんてこともありますしね…。
粒のサイズが合っていなくて消化がうまくいかないケースも…。これも、わんちゃんの好みや性格によるので一概には断言できませんが。
粒のサイズが嫌で食べようとしない子もいます…
また、形状も本当にさまざまなので、まず、どんな形状があるのかご紹介してみます。
①一番スタンダード 丸いコイン型 |
②ごろッとしたキューブ型 丸型 |
③低温低圧製法に多い 円柱型 |
④平たい卵型 ラグビーボール型 |
⑤真ん中に穴の開いている ドーナツ型 |
⑥パリッと割れやすい X型・クロス型 |
⑦そんなにたくさんはない △型・ピラミッド型 |
⑧特殊形状 四角、花型、ハート型 |
こんなにもあるんですね!
臆病な子の場合、見慣れない形のフードになるだけで食べない子もいますし、形が変わるだけでこれま噛まずに飲み込んでいたような子が、急に噛んで食べるようになることもあります。
形によっては食べにくくて、ボロボロをこぼしてしまうこともありますし、たかがフードの粒の形なんですが、案外侮れないものなのです。
また、ふやかして与えている人の場合は、円柱型やドーナツ型の方がふやかしやすいですしね。しっかり噛むことで歯や歯茎の健康維持になることもあるので、ちゃんと噛んで食べられる子には咀嚼しやすいものを与えるようにしましょう。
ライフステージ・生活スタイルに合うものを与える!
パピーや繫殖期(妊娠中や授乳期の母犬)は一番栄養が必要な時です。ですので、一般的な成犬用フードでは栄養が足りなくなってしまうことがあります。逆に、シニアにパピー用のフードは、一般的な成犬には栄養過多になってしまい、太ったり不調が起きたりする原因にもなりかねません。
そのため、ライフステージに見合ったフードを選ぶというのも重要なポイントです。
昨今は、パピー用・成犬用・シニア用など、原材料の配合を変えて成分をライフステージに合うように調整しているものもあります。また、オールステージフードなんかもありますが、個人的にはあまりおすすめしていません。
ライフステージが変われば代謝も当然変わるもんね…
また、成犬といっても運動量やその子の性格によっても、必要な成分は異なります。運動が多い子もいれば、室内犬で大人しく日々を過ごしている子もいるでしょう。
しかし、実際には
- 高たんぱくのもの
- 低脂質・低カロリーを売りにしたもの
- 体重管理用(ダイエットフード)
など、さまざまな異なる特性を持つものがあります。
特に必要なたんぱく質量・脂質量などは、その子の生活スタイルが非常に密に関係しているので、実際にはパピー用、シニア用など以上に、どのくらいの成分のものを選ぶかが一番の肝になってくるものです。
でも、そんなのどうやってわかるの?
たんぱく質量が何パーセントのものが、自身の愛犬に良いのかまでわかるようになるのは、簡単なことではありません。しかも、他の人のわんちゃんがどんな生活をしていて、どんなフードを食べているのかまでわからないので、比較しようもないでしょうし…。
よかれと思って高たんぱくのフードを与えていたとしても、運動量がそれなりになければただただ太る原因にもなってしまいかねません。これまで愛犬に与えてきたフードの感覚で決めるも良いですが、それが本当にあっているのかもわからないですもんね…。
自身の愛犬に合うものがどんなものがあるのかを知りたい方は、お気楽にご相談いただければと思います。そのために私がいるといっても過言ではありません♪
おわりに
自分で言っておいてなんなんですが…あれはダメ、これはダメと気にし過ぎたら、食べられるものがなくなってしまうのでは…という意見もあると思います。
ここでご紹介したことすべてを守ろうとしたら、消去法的に「高いものだけになってしまうじゃないか…」となってしまうことでしょう。ですので、こだわり過ぎる必要はないとは思います。
ただ、できれば避けたいもの・体質的に避けた方が良いものはありますし、愛犬の体質にもよるので、絶対的な正解はありません。
全部絶対にクリアしようとする必要もありませんし♪
ですので、飼い主さんの好みと愛犬の体質次第でもある話なのですが…。
しかし、いずれにしても、いかに飼い主さんが愛犬の体質を理解するかがポイントでもありますし、いくら気をつけていても、時には動物病院で獣医師の力・お薬なども必要になることもあるでしょう。
それでも、食べ物次第で解決できることもたくさんあります。自分が与えたもので、大事な愛犬に不調が出てしまったり、病気になってしまったりしても後の祭りです。そうならないために、取り入れられる部分は参考にしてもらえたらと思います♪
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