ドッグフードのパッケージに、たんぱく質量や脂質量、カロリーなどが記載された成分表(保証成分表記・保証分析値)があります。ここに書いてある数値は、愛犬の体作りに重要な意味をもつ数値なのですが、みなさんはドッグフードを選ぶ時に、しっかりチェックしているでしょうか?
記載があるのは知っていたとしても、何がどう良いのかもわからないという方も多いと思います。たんぱく質がなん%だの、脂質がなんパーだのと言われてもよくわからないので、成分表は特にあてにもしていないかもしれません。
少なからず以前の私も、よくわからないままドッグフードを選んでいました。
売ってるんだから問題ないでしょ?
くらいの感覚でしたし、みなさんも同じじゃないでしょうか?
しかし、ここに記載してある数値は、フード選びや愛犬の健康管理には欠かせない情報ばかりなんです!そこで今回は、犬の栄養学の基本として、どんな成分にどんな役割があるのかを紹介してます。今後のフード選びに活かしていただければ幸いです。
なお、いろいろ書いてありますが、愛犬のライフステージや運動量などによって、どういったフードがいいのかは異なります。そのため、愛犬の体質に合うものを教えてほしい・相談して決めたいという方は、お気軽にお問い合わせくださいね♪
犬が生きていくのに必要不可欠なものは「水」と「5大栄養素」
まず、一番基本の部分のお話なのですが、犬が生きていくのに必要なものとして、水と5つの栄養素(五大栄養素)があります。その5つとは、
- たんぱく質
- 脂質
- 炭水化物(糖質+食物繊維)
- ビタミン
- ミネラル
のことで、生きていく上で欠かせないエネルギー源です。これらをバランスよく・効率的に摂取する必要があります。
なお、水にはエネルギーはありませんし、栄養がとれるわけではありませんが、なければ生きていけません。
健康管理のために必要な栄養なんですね
でも、いくら5大栄養素・必要不可欠なものとはいえ、多かったらいいということでもなく、バランスが偏らないようにすることがポイントです。
この栄養素のバランスは、AAFCOが発表している基準に則っていれば問題ありません。AAFCOの栄養基準は、この後の話にも関係してくるので、以下、ご紹介しておきます。(数値は絶対的なものでではありませんので、前後はあってもかまいません。)
パピー・繁殖・泌乳期 | 成犬 | |
たんぱく質 | 22.5%以上 | 18.0%以上 |
脂質 | 8.5%以上 | 5.5%以上 |
繊維 | MAX4%(以下) | |
灰分 | *各成分によって異なる | |
水分 | ドライフードならMAX10%(以下) |
AAFCOではシニア犬という概念はありません
ちなみに、灰分(かいぶん)は、食品成分として含まれる鉱物質のことで、 カルシウム・鉄・ナトリウム、カリウムなどのことを指します。これは、各成分によって理想のバランスが異なるので、具体的な総パーセンテージは記載されていません。(これは追って詳しくご紹介します。)
なお、「ペットフードの表示に関する公正競争規約」にも記載されていますが、この成分の記載は、フードメーカー側に表記する義務があるので、必ずどこかに記載されているはずです。
では、ここから先は、この成分表の数字の謎や、見方についてご紹介していきます♪
粗たんぱく質・粗脂質・粗脂質の「粗」ってそもそもどういう意味?
先にお伝えしておきますが、このお話しはちょっとマニアックな内容なので、気にしない人はスルーして大丈夫です!ただ、詳しく知りたい方は、フードの知識として、「そういう意味なんだ」程度にお見知り置きいただけると良いかなと思います。
成分表を見ていると、
など、「粗(そ)◯◯」と表記されているものがあることにお気づきでしょうか?※繊維はもとから粗繊維という表記で統一されています。
「粗い(あらい)」と読めることから、雑?適当?というようなよくない印象を受け、
と連想する方もいるかもしれませんが、そういった悪い意味ではありませんのでご安心くださいね。ちなみに、実物の成分表をご参考までにご紹介しますと、こういったものがあります。
みなさんが愛犬に与えているフードにも、こういった表記がフードのパッケージのどこかに記載されていると思います。高たんぱく・低脂質などはここを見て判断していきましょう。
一度見てみてくださいね
少し話がそれましたが、粗○○と、粗のない成分表記の違いは、結論から先にお伝えしますと、成分の計測方法に違いがあります。
若干ややこしいんですが、粗たんぱく質は、純粋なたんぱく質以外に、アミノ酸やアミン類含んだ状態で計測した数値のことです。
たんぱく質はアミノ酸が集まってできていて、そのフードに含有されている純粋なたんぱく質の量(粗がつかない量)を測ろうとすると、
という、と複雑な測定方法をしなければなりません。
気が遠くなりそうだね
その工程を簡素にして、その他付随する物質も含めた状態で計測する方法があり、その簡素化バージョンで計算したものを粗〇〇を読んでいます。(=細分化して調べた内容ではないため、純粋な成分値とは若干の誤差があるということ)
ちなみに、その他の成分もたんぱく質の測定と同じく、細分化して測るのが工程を割愛した場合、
- 粗脂肪は脂肪に含まれているビタミンなども含めた脂肪量
- 粗繊維は水溶性の繊維を含めず、ケラチンなども含めた繊維量
- 粗灰分は燃やした後に残る灰(=ミネラル)と一緒に残った酸化物も含めた灰分量
として、粗〇〇の成分値として表記されるんですね!
シンプルにいうと、ざっくりと(=粗めに)計算して出した成分値ということで、
粗で書かれている場合は、その他も含めた大体の数値ね
という程度に考えておけばよいでしょう。いうまでもなく、AAFCOが定めている栄養バランス規約でも「粗」での表記は認められていますので、粗○○はダメな表記ということではありません。
なお、表示されている成分値は、最低でも〇%以上・最高でも〇%以下の含有が保証されているという意味があります。
わんちゃんによって、このパーセンテージの適性は異なるので、それを見極めてフードを選んであげられるとなおよしです。愛犬の体質に合うものを教えてほしい・相談して決めたいという方は、お気軽にお問い合わせくださいね♪
たんぱく質はどんな働きをする?不足・過多の場合どうなる?
5大栄養素のひとつでもあり、かつ、水分に次いで重要な役割を果たしている「たんぱく質」。筋肉の発育・維持、骨・血液・皮膚の生成、免疫・回復能力の源などの働きをしていて、生きる上では欠かせない栄養素です。
そもそもたんぱく質とは、20種類ものアミノ酸が集まってできている有機化合物のことを指します。そして、アミノ酸には
- 体内合成できるもの
- 体内生成ができない食事から摂取すべきアミノ酸(=必須アミノ酸)
があり、食べないと摂取できない必須アミノ酸は、人間の場合は9種類なのに対して、犬は10種類もあるんです!
しっかり食べて補わないとね!
しかも、犬は人間よりも多くたんぱく質を必要としていおり、目安までにですが、体重1kgに対して3.5gから4.5g(あるいは、1,000kcalあたり35g~45g)は摂取する必要があります。たとえば、4kgの運動が多めな成犬であれば、14g~18gほどは摂取していなければなりません。
とはいえ、たんぱく質には動物性たんぱく質と植物性たんぱく質があり、植物性たんぱく質は、動物性たんぱく質より消化収率がよくないものもあるので、動物性たんぱく質の主原料のものを選ぶようにしましょう。ご参考までに、どういったものがあるのかというと…
植物性たんぱく質 | 大豆、おから、ひよこ豆、小麦、米、オートミール |
動物性たんぱく質 | 鶏肉・牛肉などの肉類、サーモンなどの魚類、卵、チーズなどの乳製品 |
などがあります。
消化吸収が良いものを効率的に摂取しましょう♪
植物性たんぱく質を使用しているドッグフードもあり、動物性たんぱく質よりも食物繊維が豊富で脂質が低いことや、コスト的にも安く済む面もありますが、消化しにくくアレルギーが出てしまう子もいるので注意しなければなりません。
できれば、たんぱく質源になるものは、動物性たんぱく質の中でも、ミールやパウダーではなく、フレッシュミートで、かつ、良質なたんぱく質であることが理想的です。
たんぱく源は愛犬の体を作る基礎になる栄養素ですので、しっかりこだわってドッグフードを選ぶようにしましょう。
フードのたんぱく質の平均量とは?摂取に関して注意したいことはある?
一般的なドッグフードのたんぱく質含有量の平均値は、24%〜26%となっています。あくまでメ目安ですが、AAFCOの規定では、一番栄養素が必要になるパピーや繫殖期でも22.5%以上、成犬で18%となっているので、おおよそ問題なくクリアできているというわけですね!
運動量や体質によって、もっと多いたんぱく質のフードを与えてもいいでしょうし、運動量が減って太りやすくなってるシニア期などには、たんぱく質は20%~24%程度でも良いと思いますよ。
ただし、たんぱく質は、多ければいいという話ではありません!
高たんぱくって良いように思うけど違うんだね
特に、腎臓・肝臓・心臓がよくない子やシニア犬とっては、たんぱく質の過剰摂取は臓器に負担をかけてしまうだけです。
それに、運動量があまりない子が高たんぱくなフードを食べていても、筋肉に変換されなかったたんぱく質は、最終的に脂肪に変わり、太る原因になってしまいます。
相当な運動量がある若年層の成犬や、成長段階にあるパピーなどでもない限り、30%以上のたんぱく質量のフードは選ぶ必要はないと言われていますので、高たんぱくなフード=良いものという発想で買い与えるのは避けてください。
脂質はどんな働きをする?不足・過多の場合どうなる?
「脂質=太るもの」という感覚ってありませんか?たしかに、脂質の取り過ぎは肥満や膵臓の負担の原因になるので注意しなければなりません。
しかし、5大栄養素のひとつでもある脂肪は、
などの働きをしています。また、栄養以外では、フードの嗜好性を高めて食いつきをアップさせる、フード自体をなめらかな舌触りにするなどの役割もあるんですよ♪
逆に足りていないと、皮膚トラブルをはじめ、さまざまなトラブルの原因になるため、もし、愛犬に減量が必要になったとしても、脂質を減らし過ぎるようなことはないように注意してください。
減量=脂質を取らないと思いがちですが…
特に必須脂肪酸(オメガ3=α-リノレン酸・EPA・DHA、オメガ6=リノール酸、アラキドン酸)は、不飽和脂肪酸とも呼ばれ、体内生成できない栄養素で、抗アレルギー効果や健康な被毛の維持を促す成分です。
皮膚が弱く、カサカサになりがちだったり、フケが出やすくなったりしている子は、上記のような脂肪を取ることで、皮膚・血流が回復して、症状が改善することも期待できます。
皮膚ケア・被毛ケアが必要な子の場合は、オメガ3やオメガ6が多いフードを選ぶようにしましょう。
不飽和脂肪酸が多い食材って?
とはいえ、どんな食材に不飽和脂肪酸が多いのか知っておきたいところですよね!犬を太らせるだけではない、質のいい脂質(=不飽和脂肪酸が豊富)な食材には、以下のようなものがあります。
- ひまわり油、亜麻仁油、ごま油、えごま油
- チアシード、ごま
- 魚(サーモン、いわし、さばなど)、魚油
フードを選ぶ際に、原材料一覧を確認して、こういった食材が使用されていたら、
アレルギーがおさまって、皮膚や毛がきれいになりそう!
と思ってよいでしょう。(※上記に挙げた食材にアレルギーがなければですが。上記で挙げた食材は、アレルギーリスクは低いものばかりなので、そんなにアレルギーとして該当する子はいないと思います。)
なお、不飽和脂肪酸以外にも、飽和脂肪酸もあります。飽和脂肪酸はコレステロールを増やしてしまうため、取り過ぎるとあまりよくない脂質です。いくら脂肪分が多い食材であっても、飽和脂肪酸ではなく、体に負担をかけにくい不飽和脂肪酸が多い方を選ぶようにしましょう。
サラダ油(パーム油)、バター、植物性油脂・動物性油脂(いわゆる、オイルコーティング)といった飽和脂肪酸の多い原材料が配合されていて、脂質を補えているようなフードは避けた方がよいでしょう。
フードの脂質の平均量とは?摂取に関して注意したいことはある?
一般的なフードの脂質平均は12%〜14%と考えてよいでしょう。あくまでおおよその話に過ぎませんが、脂質が12%以下のフードは、比較的脂質が低めのフードといえます。
とはいえ、AAFCOが推奨している脂肪量は、パピーで8.5%以上、成犬で5.5%以上となっているため、平均的に脂肪の配合は各メーカーで多めになっているということです。ものによっては20%近いもの(主に海外産のもの)もありますし。
ただし、脂質が高いものは運動量の少ない子や、室内飼いの子にはおすすめしません。いくら質のいい、体内で有効に働く脂質でも、多すぎるとその嗜好性ゆえに食べ過ぎてしまったり、膵臓に負担がかかったり、、アレルギーを引き起こしてしまったり…という原因になってしまいます。
いずれにしても過剰摂取はよくないんだね
もし、愛犬にダイエットが必要な場合には、脂質が10%前後のものを選ぶようにしていればいいでしょう。運動量や皮膚の状態などによってはこれに限りませんが、いくら痩せないといけない場合であってっも、AAFCOが推奨する数値以下のものはおすすめしません。
不健康な痩せ方をするか、脂質不足でフケやカイカイ、毛艶の低下などのトラブルが起こる可能性があります。必須脂肪酸には抗アレルギー作用や皮膚の健康維持の効果が期待できるとはお伝えしていますが、お薬ではないので、即効性があるというわけではありません。
長期的に摂取することで、健康な関節や皮膚・被毛の維持に貢献するものなので、日々の食事から摂取できている状態が望ましいのです。効果がすぐに出る子もいますが、途端によくなるという話ではないことは頭の片隅に置いておいてくださいね。
粗繊維はどんな働きをする?不足・過多の場合どうなる?
勘違いしやすいので、先にお伝えしておきたいのですが、粗繊維=食物繊維ではありません。
粗〇〇のところでも少し触れましたが、粗繊維は不溶性の水に溶けない繊維であり、動物・ヒトが持ち合わせる消化酵素では分解できない成分のことを言います。つまり、簡潔にいうと、消化されずに、そのまま便に出てくるということです。
一方で、食物繊維には、
- 水溶性食物繊維(水に溶けるもの)
- 不溶性食物繊維(水に溶けないもの)
の2種類あり、5大栄養素(たんぱく質・脂質・炭水化物・ビタミン・ミネラル)の炭水化物にも該当し、食物繊維単体でいえば、5大栄養素に次いで6番目に必要とも言われているほど、非常に大事な働きをしています。
水溶性食物繊維も不溶性食物繊維も大事な働きをしているんだ
まず、前提としては、水溶性・不溶性問わず、繊維には体内に栄養として取り込まれるものはありません。しかし、直接体内に吸収はされないとはいえ、水溶性食物繊維も不溶性食物繊維も体内でいい仕事をしてくれるんです!
水溶性 |
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不溶性 |
|
どちらも、ビフィズス菌のエサになって整腸作用があるんだね!
体内に栄養として吸収されないからこそ、満腹感も得られます。その上、腸内のお掃除もできるという優れもの!ダイエットフードなどに繊維量が多いのは、お腹もいっぱいになるし、食べたものを排出させる作用があるからなんですね。
余談ですが、よくお腹のトラブルが起きる子にはオリゴ糖が良いなんて聞きませんか?実は、オリゴ糖も実は食物繊維の仲間なんです。さらに、ビフィズス菌も胃腸にいいといいますが、解説のとおり、ビフィズス菌は食物繊維がないと増えてくれません!
ですので、ただビフィズス菌やオリゴ糖が配合されているフードを選んでも、繊維がしっかり入っていないと効果も薄れてしまうので注意してくださいね。
フードの粗繊維の平均量とは?摂取に関して注意したいことはある?
一般的なドッグフードの粗繊維量の平均は4%以下(3~4%程度)になっています。(※AAFCOの推奨も4%以下と明記してありましたよね!)
繊維量が多すぎると、便の量が増えたり、下痢をしてしまったりすることもあるので注意が必要です。フードを替える時に、以前のフードより新しいフードの方が繊維が多ければ、うんちも増えますし、お腹も不安定になりかねません。
特に気を付けたいのが、体重管理用フード(ダイエットフード)を給餌する時!というのも先に軽く触れたように、ダイエットフードは、太らないためにお腹を満たしつつ、便の量を増やすために繊維が多くなりがちだからです。
フードの切り替え時は、繊維量は特に注意して!
実際に販売されている各社のダイエットフードフード繊維量を調査してみると、16%もの繊維が配合されているフードなども多々あり、これではお腹を満たすことはできても、栄養素としては低いと言わざるを得ません。うんちの量や回数も増えることでしょう。
そんな状態では、お腹を壊してしまったとしても無理のないわけで、いくら筋肉をキープしつつ痩せられたとしても、あまり良い痩せ方をしているとはいえません。
ダイエットフードであっても、低脂質で繊維も10%以下のものもありますので、ダイエットフード・体重管理用フードを選ぶ場合には、粗繊維量は必ずチェックしておきましょう。
もともと胃腸が弱い子は、注意してください
逆もしかりで、体重を増やしたい子・痩せ気味な子は、繊維が多いとお腹がいっぱいになるのが早いので、量を食べることができません。そのため、太らせたい子には繊維は控えめなもの選ぶのもあり!
ただし、いうまでもなく、繊維が少なすぎてもトラブルに繋がりかねません。繊維があることで胃腸に老廃物がたまらないようにできますし、胃腸系のがん予防などもできます。摂取しすぎない、でも適度に摂取することが大事ですね。
なお、ドッグフードそのものに粗繊維は配合されているため、トッピングなどで繊維が多いサツマイモやカボチャなどを与える場合、オーバーしてしまわないように注意しておきましょう。
灰分(かいぶん)はどんな働きをする?不足・過多の場合どうなる?
灰分(かいぶん)というと聞き慣れない言葉に感じる人も多いでしょうが、ひと言でいうとミネラルの割合のことを指します。
粗〇〇のところでも解説はしていますが、灰分とは600度近い熱で有機物を完全に燃やしきって、水分を完全に抜いた状態で残る灰のことです。つまり、無機質になったもののことで、カルシウム、亜鉛、鉄、ナトリウム、銅、マグネシウム、リン、カリウムなどがこれに該当します。
生きる上で欠かせない働きをしている縁の下の力持ちで、たんぱく質などのように主役的な印象はないかもしれませんが、なくてはならないものなんですよ♪
バカにできない成分なんですよね!
ミネラルも体内で生成できるものではないため、食べ物から摂取する必要があります。ご参考までに、ドッグフードに使用されることの多いミネラル分の働きは以下のとおりです。
カルシウム | 骨を丈夫にする、万一出血しても血がすぐに止まりやすくなる |
リン | 歯や骨を丈夫にする、脳や筋肉のエネルギー源になる |
ナトリウム | 体内の水分バランスを整える、血流循環をコントロールする |
カリウム | 血の巡りを安定させる、塩分の取り過ぎを調整する |
亜鉛 | 抗酸化作用、免疫力アップ、皮膚の健康維持 |
鉄 | 健康な血液を作り、体内に新鮮な酸素を運ぶ |
ヨウ素 | 殺菌作用、脂質や繊維の吸収を穏やかにする、基礎代謝を向上させる |
どれもこれも、健康維持には欠かせませんね!
取り過ぎもよくありませんのでご注意ください
また、先ほど、AAFCOの推奨摂取量として灰分に関しては「各成分によって異なる」とお伝えしましたが、それには理由があります。
というのもミネラル量がパーセンテージ表記のもの(多量ミネラル)もあれば、1kgに対する含有量をmgで表示してあるもの(微量ミネラル)もあり、トータルなん%という表記にはなっていないのです。
カルシウムとリンの割合は1:1が良いなどの記載は確認できます。
しかし、各ミネラル分によって、理想の摂取量が違うので、たんぱく質や脂質のように、まとめて○%必要という表記ができないということなんですね。
病気などの場合はこのミネラル分のバランスも重要
ご自宅でつくる手作りフード(市販の手作りフードは含まない)の場合、栄養学を学んでいたらたんぱく質や脂質、カロリーなどは計算できるかもしれませんが、ミネラル分まで計算してバランスよく食べさせるのは至難の業!
手作りフードにもメリットはもちろんたくさんあるのですが、長い目で見ると、ミネラル分のバランスが悪くなって、細かいところに不調が出る危険もあります。
インターネットサイトなどでも、家庭で作る犬の手作りごはんのレシピなどが公開されていますが、そういったものは長期的に与える前提のレシピではありません。よかれと思って愛犬の健康を損ねないよう、十分注意してくださいね。
フードの灰分の平均量とは?摂取に関して注意したいことはある?
一般的なフードの灰分の平均は、7%〜9%のものが多い印象です。ただし、メーカー・フードによって前後はあり、中には4%程度のものもあれば、10%程度のものもあります。
そんな中、注意しておきたいのは、灰分が高いほどに、消化しにくくなってしまうので、灰分は高すぎるものは注意した方がよいでしょう。
消化しにくい(消化に時間がかかる)ということは、
などのデメリットがあるということです。
良いことばかりではないのですねぇ
特に、ナトリウム・マグネシウム・リン・セレンは、取り過ぎてしまわないように注意しなければなりません。結石や発作、麻痺などはミネラルの過剰摂取によって起こる症状ですしね。
また、最近ハーブをたくさん配合しているフードが増えてきていますが、ハーブが多いフードは往々にして灰分も高くなりがちで、合わない子にとってはお腹の不調の原因になってしまうことがあります。ハーブは体質や体調を見ながら与えてくださいね。
ほかにも、老犬(シニア犬)の場合は脱水状態になりやすく、水分バランスが崩れている状態になりがちです。そのため、灰分が多いものを食べていると、血のめぐり・消化が悪くなり、体に負担をかけやすくなってしまうため、灰分が低めのフードを選ぶことをおすすめします。
ライフステージや体質によって最適なフードは異なります
なお、ミネラルが不足すると、
- 貧血、血流の異常
- 疲れやすい、元気が出ない
- 炎症を起こりやすくなる、免疫力が低下する
- 骨がもろくなる
などの症状が出る可能性も。大きな不調ではないように感じますが、諸々つもると、大変な不調になってしまいますので、適度にミネラルは摂取しておくようにしましょう。
おわりに
本当にドッグフードって種類が多いので、愛犬にどれを与えたら良いのか…と途方に暮れる方もいると思います。金額もピンキリですし、情報も本当にピンキリですもんね。。
しかし、ここで得た情報と、以前ご紹介している「ドッグフードの選び方!愛犬の健康や食いつきのためにできること」の記事には、愛犬に合うフードを見つけるヒントがあると思います!
とはいえ、犬の個体差もありますし、愛犬の体質に合うものを教えてほしい・相談したいという方は、当サイトではサポートが可能です。お気軽にお問い合わせくださいね!
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